ナルティーク
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本日は新しい片頭痛薬「ナルティーク」についてです。昨日、患者さんがこの「ナルティーク」についての質問がありましたので、現時点でわかることについてお書きします。

先般、新しい片頭痛薬「ナルティーク」の製造販売承認取得がおりました。

「製造販売承認取得」とは簡単に言うと販売されることが決定しましたと考えてください。現時点で日程は決まっていませんが、11月になるのではないでしょうか?

薬価も決定していませんが、かなり高い金額になることが予想されます。

この薬は簡単に言いますと「エムガルティ」「アイモビーグ」「アジョビ」といった2021年に発売されたお薬の内服版と考えてください。それぞれの薬について当院では平成29年から治験を行いましたが、「ナルティーク」についても当院で治験をさせていただきました。

「ナルティーク」の特徴は、
①予防薬として2日に1回定期的に内服する

②痛い時に内服しても効果がある

つまり急性期薬でも予防薬でも両方に使えるオールマイティな薬剤になります。非常に便利な薬剤ですが、少なくとも今までの片頭痛薬では同じ使い方をする薬剤はなかったので、少し理解に苦しむかもしれません。

薬効は全然違いますが、比較的使い方でちかいのは漢方薬の「呉茱萸湯」かなあと思います。呉茱萸湯」も毎日内服することで、予防薬としても使いますが、痛い時にも呉茱萸湯」を内服することで頭痛を緩和させる働きがあります。ですので、呉茱萸湯」にちかいかんじだなあと思っています。

ただし薬効的には片頭痛の中心的な役割であるCGRPに直接的に働きますので効果・効くスピード・改善率には明らかに差がでます。

お薬の血中濃度のpeak(Tmax)が1.75時間ですので、速やかに効果をだすと考えていいと思います。
また薬の半減期は11時間になっていますので、それなり効果の持続もするものと思われます。

ですので痛い時に内服しても効果はありますし、2日に1回内服することで片頭痛の予防にも繋がるものだと思われます。

主な副作用な便秘です。これもあまり気にならないです。
当院での治験期間中にも、便秘が問題になったことはありませんでした。

繰り返しますが問題は「値段」ということになるでしょう。

「エムガルティ」「アイモビーグ」「アジョビ」が最適使用推進ガイドラインがあり、処方する側(医者)・処方される側(患者)に対して条件がございましたが、今回は最適使用推進ガイドラインは制定されないようですので、一般の先生えも使用できるので、ありがたい薬剤だと思います。

使った方がいい患者像など、まだ発売前から書くのもおかしいのですが、治験した経験からの話は長くなりましたので、次回行いたいと思っております。

またこの「ナルティーク」が発売された後、来年は同じ薬効の薬剤「クルタ」も発売されるのではないかと考えられます。



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