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本日は熊本市民病院神経内科部長の橋本洋一郎先生の興味ある文献を交えた文章からです。

橋本先生には実は大変お世話になっています。
まず熊本で働いていた時代、出身大学も全く別、面識もない中で講演会で呼んでいただいたりしましたし、実は頭痛専門医になる際に推薦状を書いていただきました。また、昨年頭痛学会の評議員になる際にも推薦状を書いていただいた先生です。

今回、デンマークの全ての病院と病院外来クリニックで行われているデンマーク全国患者登録に1995〜2013年に登録された片頭痛患者5万1,032例と年齢、性、暦年をマッチさせた一般集団51万320例を解析対象とした一般集団ベースのコホート研究で

/感攅失鼻´脳卒中(虚血性と出血性) K?親位疾患 だ徒血栓塞栓症 タ緩失抛阿泙燭録緩質篤亜´心不全のリスクが検討された(BMJ 2018; 360: k96)。

結果:心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓塞栓症、心房細動・粗動のリスクが増加
 19年間のフォローアップ期間における1,000例当たりの累積発生件数(片頭痛群 vs. 一般集団群)は
/感攅失鼻25件 vs. 17件) 虚血性脳卒中(45件 vs. 25件) 出血性脳卒中(11件 vs. 6件) に?親位疾患(13件 vs. 11件) ダ徒血栓塞栓症(27件 vs. 18件) 心房細動/心房粗動(47件 vs. 34件)Э管堊粥19件 vs. 18件)

本研究は一般集団ベースのコホート研究で、長期の完璧なフォローアップ研究である。
片頭痛は短期間でも複数の心血管疾患の発症リスクが増加し、長期にわたって継続することが明らかとなった。
ただし若年者を対象とした本研究では絶対的なリスクは低かった。
男性よりも女性、前兆のない片頭痛よりも前兆のある片頭痛で関係は強いという今までの報告と同様であった。

ここまでは、研究論文の結果です。
最近の片頭痛研究では概ね血管性疾患の危険性が高いという報告が大半であり、今回の報告もその内容となっていました。

ここから橋本先生の感想なんですが、ここが興味深いのです。
ここからでも読んでくださいという感じです。
我々のような頭痛を専門とする医者だけでなく、一般の先生にも呼んで欲しいという希望が入っている文章です。

 片頭痛は、まず小学生時に車酔いが始まり、一部が腹痛発作(腹部片頭痛)を繰り返し、中・高生時に発症する。
めまいを伴ってきたり、一部の症例が心血管疾患を発症する。頭痛発作時には悪心・嘔吐などの消化器症状を呈する摩訶不思議な疾患である。

「摩訶」とは"非常に"という意味でも使われるが、本来は"人知を越えた素晴らしさ"を意味するという。
片頭痛は、ただ単に頭が痛くて寝込む疾患ではなく、多くのことを教えてくれる摩訶不思議な全身の疾患と理解し、診療に当たっていただければと思っている。

 「片頭痛」=頭が痛くなる疾患だけというわけではなく、全身に・メンタルに・血管性の疾患に・消化器症状にもちろん神経系の疾患でもある、摩訶不思議な疾患ということです。