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さて本日は珍しく群発頭痛の最新の研究論文のお話です。

群発頭痛は、緊張型頭痛や片頭痛に比較して有病率は低いものの、その独特な臨床症状と痛みの辛さで大変有名な疾患です。
今回はデンマーク頭痛センターに群発頭痛で登録されている患者さんを対象にて疫学調査の論文です。
351人の患者さんからの解析だけに大変興味深いデータがでています。

当院でも群発頭痛は名前をリストアップしていますが、60人くらいしかいませんので、このような立派な解析はできません。
ただ、今回の結果は自分が思っていたような結果になっているのは間違いありません。
一番納得は、女性の方が群発期の回数が多く、期間は短いというところです。

ある女性の患者さんが1日にイミグラン注射を4回使うのです。
イミグラン注射は1日2回がmaxなので、やり過ぎです。当然、本人も知っているのですが使わずに朝が迎えられないというのです・・・・・。

雑誌:Neurology 2017;88:1069-1076.
著者:Lund N,(デンマーク頭痛センター)
タイトル:群発頭痛患者さんの疫学調査

結果:
①男性67%・女性33%
②発症の平均年齢は31.6歳
③群発頭痛の慢性化率:男性35.9%・女性44.0%
④発生のピークは4つある。男性の方が1時間早い。
⑤群発期・憎悪期は秋の終わりから冬の初めで、6月が最も少ない。
⑥1日あたりの発作回数・平均頭痛強度・発作時間に男女差なし
⑦男性に比較して女性の方が群発期の回数が多く、群発期間は短い傾向にある。
⑧群発頭痛と診断される前に誤診されることが約半数にあり、女性が誤診される割合が高い。
⑨群発頭痛と診断されるまでに発症から6.2年をい要する。
⑩女性群発頭痛患者の20.7%に片頭痛が共存している。

一番の驚きは女性の群発頭痛患者の20.7%に片頭痛が共存していることでした。
こんなにいるんだ~と正直驚きました。

今回のデータは早速自院のデータにフィードバックして患者さん説明資料に付け加えることとします。