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 うつ病を併発した片頭痛は治すことが難しいと言われています。実際、自分で両方一緒に治療できればいいのですが、それもできないですしメンタルクリニックの先生に気を遣いながらの診療になることが多いのが現状です。

 片頭痛でも緊張型頭痛でも三環系抗うつ薬のトリプタノールが有効であることが多く、昔からある薬だが大変使い勝手がいいくすりである。
 一方、同じ抗うつ薬であるSSRI(デプロメール・パキシル・ルボックス・ジェイゾロフトetc)・SNRI(トレドミン・サインバルタetc)といったタイプの抗うつ薬については、あまり目立った論文発表はないものの、副作用も目立ったこと無いために使うことは容認されてきた。

 しかし実際、臨床の場で使うことは少ないが、以前から使っていみがあるのかな?という疑問を持ち続けていたが、それに対して答えた論文があるのでご紹介する。

雑 誌:Cochrane Database Systematic Review ONLINE (2015/4/1)

著 者:Italia・Laboratory of Regulatory Policies Dr. Rita Banzi

対 象:18歳以上の片頭痛を有する男女を対象

方 法:SSRI/SNRIとあらゆるタイプの介入との無作為化比較試験を検索するとともに、検索した論文の参照文献リストや進行中の臨床試験も調査した。

結 論:SSRI・SNRIといった抗うつ薬を片頭痛の予防として用いても有効な成績は示せなかった。
またトリプタノールより片頭痛の頻度、重症度および持続期間を減少させるという結果も示されない。
これらの結果を踏まえ「片頭痛の予防にSSRIやSNRIの使用は支持されない」とまとめている。

まあ実際の臨床の場の印象と同じ結果のようです。
実際にssri・snriといったタイプの抗うつ薬を片頭痛の予防にということで使うことはほとんどなかったのですが、今後においても重要な論文になりそうです。