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 ここ最近の当院の外来で血管性頭痛(ズキンズキンと脈打つ頭痛)で脳の病気が疑われる頭痛がいくつか続けてありました。

 東京女子医大の頭痛外来の清水先生はいかなる講演会でも2次性頭痛(脳の病気による頭痛)の除外が最も大事であることを毎回話されます。

 当たり前の当たり前なのだが、意外に簡単なようでこれが難しい。
今までに何度も見たことのある患者さんとか、何度か検査をしたことがある患者さんであれば以前との比較で症状なり、検査なりを行うことが診断がつきやすいと思います。

 ところが初診の患者さんであれば、なかなか難しい側面があるものです。
くも膜下出血を見逃すことは、専門の先生ではまずないと思われます。そんな派手な所見を呈していないけれど、よくみないとわからないケースが稀に見られるものです。

 その代表的なものが解離性動脈瘤です。これはMRAという血管の写真をとってきちんと評価することで診断はつくのですが、MRIだけでMRAを施行しないと気がつかないケースも多くありますし、CTだけでは診断がつけられないと思います。当院でも1年数件は、この解離性動脈瘤からの頭痛(解離痛)を経験します。

 解離性動脈瘤は主に椎骨動脈といって脳の後半部分を栄養する血管の起始部あたりにおこることが多く、比較的若年30-50歳代の男性に多く、同部(後頚部)の比較的突然におこった拍動性の痛みを呈します。

 ある病院でCTは正常だったと言われたけれど頭痛が後頚部に限局していますといわれた場合には、やはり解離性動脈瘤の除外のためにもMRI・MRA検査を施行することを勧めています。大きな病院では、行ったその日にMRI検査ができないことが大半だと思われますので、それも仕方ないわけですが、痛みが続く場合には是非MRI検査を施行することを勧めます。