今日は最新の頭痛研究についての報告です。
 
 オハイオ大学のKenneth A. Holyoyd    BMJ 9月30日オンライン版
 
 30日間のうち少なくとも3日,前兆の有無にかかわらず片頭痛を来す患者を対象に,β遮断薬による片頭痛への予防効果を検討。β遮断薬の予防投与と行動療法の組み合わせにより,片頭痛の程度やQOLが有意に改善した。
 
 トリプタン系薬の登場により,急性期の片頭痛でも著しい改善が見られるようになった。しかし,発作が月に2~3回以上ある,頻度が少なくても重症度が高く持続が長いなどの特徴を有する場合は予防的にβ遮断薬が投与される。また,非薬物療法として,リラクゼーションの確保やストレス管理などの行動療法も片頭痛の予防法に取り入れられている。
 そこで,Holyoyd氏らは,前兆の有無にかかわらず国際頭痛分類により片頭痛と診断された232例(平均年齢38歳,女性79%)を対象に,急性期の治療のほかに予防として行動療法+β遮断薬(69例),行動療法+プラセボ(55例),β遮断薬(53例),プラセボ(55例)をそれぞれ加えた4群にランダムに割り付け,片頭痛への予防効果を検討した。
 
 その結果,急性期の治療に加え行動療法+β遮断薬群のみで片頭痛の予防改善効果が認められるという結果が示された。
 
 私自身は片頭痛の予防療法にβ遮断薬(商品名:インデラル)は全く使っていません。
 エビデンスも豊富なのですが、私自身は①古い薬であること ②適応がないこと ③比較的使いにくい薬であること ④他の薬でまずまず満足していることで使っていません。
 検討したいです。