タグ:子どもの病気

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 今日は珍しく小児の片頭痛についてです。
今週た立て続けに他のクリニックで診ていただいていたと言われる患者さんを拝見することがあって、整理かたがた情報発信にもなればと思っています。

 子供だって片頭痛は痛い。しかし、大人のように長い時間ではない。おおむね3時間から半日というのが持続時間としては最も多いと考えます。翌日までは引っ張らないことが大半ですが、2次性徴を迎えれば基本的には長くなると思っていただいていいようです。

 では痛いときは①カロナール(アセトアミノフェン) ②ブルフェン(イブプロフェン)です。
 カロナールは体重10kgで100mg換算です。20kgあれば200mg。40kgなら400mgです。基本的には400mgを超えて内服することはないと思います。
 ブルフェンは3-6mg/kgですので、20kgあれば100mg、40kgなら200mg程度の内服が基本です。

 痛いときの内服はなぜこの2剤なのか?!
 ①安全性が確認できている。
 この2剤は授乳中のお母さんでも服用OK!の鎮痛剤です。

 ②以前からある薬で、各種の報告でも有効性が確認できている。

 では、一般的な片頭痛治療薬であるトリプタンはどうか?
 小児片頭痛の第一人者である藤田光江先生は、10歳以下では効果が薄いので、あまり使用されないと言われています。私も基本的には同様の考えです。
 ただし頭痛の診療ガイドラインでは、イミグラン点鼻もしくは、マクサルトの内服は有効性があり推奨しています。点鼻は子供さんの体重であわせるのが難しいので、私は使いませんし、点鼻後の苦みや鼻の奥がツーンとくる感じが子供には耐えられないと思っています。マクサルトに関しては一般的に20-39kgなら5mgで、40kg以上なら10mg投与とされています。私は中学生以下であれば体重の如何に関わらず5mg投与の処方をしています。

 いずれにしても使い方は、いつも同様に ①なるべく早く服用する。 ②十分量服用する。
です。子供だからならべく我慢させるという親御さんもいますが、それはやってはいけないと思います。長い時間痛むわけではないので早めの内服で、最初から十分な量を服用させるのが大事なことだと思います。
 

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 今日は小児の片頭痛についてです。

 以前から書いていますように大人と子供は同じ片頭痛でも少し違います。

 例えば男と女の比率は大人が5:1で女性に多いのに比較して子供は、ほぼ1:1です。
 また大人は何がしかの前兆を感じながら片頭痛がきますが、子供は突然という感じで始り、徐々に改善するというわけでなく、突然ともいえるくらいに急速に改善していきます。
 そして、痛む時間は3時間以内が多いのが特徴です。

 今日お話ししたいのは、子供さんの片頭痛治療にはお母さんの存在が極めて大きいということです。

 多くの患者さんは、子供さんでは予防薬を内服させていないケースが多いのですが、頻度・程度が強ければ予防薬を内服させないといけないケースがあります。

 小学生であれば服薬管理は、なかなか本人にまかせることはできません。
 母親の力が必要になります。また頭痛diaryの記載についても母親にお願いする場合が多く、大変ですが状況を簡単で構わないので記載していただくようにお願いしています。

 我が家もそうですが共働きの家庭が多く、なかなか子供さんと接する時間が少ない中で記載していただくのは大変ですが、そうすることで子供さんと一緒に頭痛に向き合う時間も自然と増えますし、母親の片頭痛に対する理解も深まります。

 片頭痛もちの母親は比較的に理解が進みやすいのは事実ですが、片頭痛もちでない場合には大変だとは思いますが、何卒母親力を治療に活かしたいのが本音です。

 ご協力宜しくお願いいたします。

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 片頭痛が初発する時期としては10歳代が最も多く、続いて20歳代、そして0-9歳になり、30歳代の順番で、40歳以降の片頭痛の発症は極めて稀です。

 子供さんの場合にはその子供さんの成長・発達にもよるのですが、通常は年齢ではなく2次性徴の有無と症状によって子供の片頭痛・大人の片頭痛だと話したりします。

 子供さんの片頭痛ですと、急に始まって急に改善する。3時間以内が多い。前兆はあまりない。平日午前中が多く、頭痛以外の症状(腹痛など)もめずらしくありません。また母親が片頭痛であることが大変多いのが特徴です。

 大人になると、3時間で改善することはまずありません。また子供さんの場合にはカロナールやブルフェン(イブプロフェン)が効果的なことも多くみられます。

 しかし、身長でいえば150cm 体重なら40kgを越えた頃に概ね2次性徴を迎える頃というわけですが、こうなると今までと同じようにはいかなくなります。

 例えば3時間以内では頭痛が収まらない。午後でもよくおこる。頭痛以外の症状がでなくなる。何よりカロナールやブルフェンなどの薬が効かなくなるということになります。

 そうなりますと徐々に治療も子供versionから大人versionへ変えないといけません。
予防薬もペリアクチンからミグシスやデパケンなどを使わないと行けなくなったり、頓挫薬についてもトリプタンを使わないと効果が出にくくなることがあります。

 おおまかな目安として2次性徴の有無もしくは150cm40kgを目安にしています。

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 当院には下は3歳くらいから片頭痛の患者さんを拝見しています。
 3歳で病院に来るには、条件がそろわないと来ないと思います。
 まず患者さんの訴えがしっかりあって、それを親に伝えることができて、病院を選んで連れてこないといけません。

 多くの患者さんは恐らく小児科に連れていかれると思います。
 私もこの仕事でなければ、そうすると思います。
 有る程度の可能性の高い感染症などの除外は必須ですから、、、。

 その後、頭痛が続く場合には我々のような施設に連れておいでなんだと思います。

 でも中には、最初から子供さんを連れてくる場合もあり、その場合には親が片頭痛もちで脳外科受診していたり、家族に脳疾患があったりのケースが多いようです。


 通常、子供さんの片頭痛の場合には2次性徴を迎える前後で増えることもあって、その頃の受診がおおいようです。その頃のお子さんの場合には、典型的な子供の片頭痛と大人の片頭痛を一緒にあわせもつケースが多く見られます。

 二次性徴を迎える頃には、人間?としてもしっかりするようになり相手に伝えることもできるようになってますし、自分なりの判断もできるようになります。しかし、それ以前だと伝えれない。判断できないケースも多く、治療がうまくいかないこともあります。

 二次性徴が早いのも困りもので、体と心の成長が追い付かずに家族(多くは母親)もなかなか対応できにくいようです。私は女性ではないので、細々したことはわかりませんが、二次性徴は遅ければ遅いほどいいよなあと頭痛診療をしながら思うこの頃です。

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 さて今日は最近の研究報告です。

 雑 誌:JAMA誌2013年4月17日号

 発表者:フランス・ロベール・ドゥブレ病院のDr. Silvia Romanello

 内 容:片頭痛をもつ6~18歳の小児、青少年は、片頭痛のない子どもに比べ乳児疝痛歴を有する割合が有意に高いことが明らかとなった。出生後1ヵ月以内の乳児における手のつけられない号泣の原因の多くは疝痛で、一般に疼痛症候群とみなされている。一方、子どもの頭痛の主な原因に片頭痛があるが、乳児疝痛とその後の片頭痛発症の関連は知られていない。

対 象:フランスとイタリアの3つの3次医療施設の救急部を受診し、片頭痛と診断された6~18歳の小児であった。同時期に軽度の外傷で参加施設の救急部を受診した同年齢の小児を対照とした。

 調査方法:調査票を用いて参加者から乳児疝痛歴を聴取し、健康手帳で病歴を確認した。疝痛と片頭痛の関連の特異度を検証するために、緊張性頭痛と診断された患者の検討も行った。

 結 果:片頭痛小児の乳児疝痛歴は非片頭痛小児の6倍以上
 2012年4月~6月までに、208人の片頭痛小児(年齢中央値10.1歳、男児122人)と471人の対照(9.0歳、280人)が登録された。緊張性頭痛患者は120人(10.1歳、65人)であった。

 片頭痛をもつ小児は片頭痛のない小児に比べ乳児疝痛歴を有する割合が有意に高く、前兆期なしの片頭痛小児、前兆期ありの片頭痛小児の双方で有意差が認められた。

 緊張性頭痛患者では対照群との間にこのような関連はみられなかった。

 著者は、「6~18歳の小児、青少年において、片頭痛と乳児疝痛の有意な関連が確認された。今後は、縦断的試験を行ってこれらの関連を検証する必要がある」と結論づけている。

 これは以前からよく言われている話で、京都の立岡先生はあの柔らかい関西弁で「片頭痛患者さんは1-2歳頃から、よくおなかが痛くなるので「おなかの弱い子」と言われているケースが多い。または「夜泣きをよくする子供」だと言われています。」とよく話してくれます。

 その話を正当化するような話です。もっと大きくなって病歴をきちんと聞けるようになると「腹部片頭痛」と診断をつけられるようになるのかもしれません。

 いい研究報告です。

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