タグ:その他の病気

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 私は現在中学校の校医を引き受けています。
歯科・耳鼻科・眼科の先生も校医はされていますが、当地区で校医をしている外科系の医者は私だけのようです。

 校医の仕事は春に検診があって、学校でおこる出来事への相談があったり、学校保健への助言、私なら専門とする頭痛や頭を打った生徒さんの受診などが主な仕事です。

 それに加えて年1回は、学校で先生方・保護者の皆さん・生徒さんの代表・各校医(医師・歯科医師・薬剤師)の皆さん方が集まって話し合いをするのも大きな仕事の一つです。

 ここで今回、学校側から携帯・スマホの所有率と生活への関与が発表されていて大変興味深かった。
おおむね所有率は6-7割と思っていた以上に少なく、その使用率は40%程度が1時間以上というデータであった。

 学校でも携帯・スマホを長く使う生徒さんは、就寝時間が遅くなる傾向にあり、決して看過できない問題であり、十分な検討が必要であるという話でした。
 私は起立性調節障害のお子さんや、慢性連日性頭痛の生徒さんを拝見する機会が多いわけですが、多くの生徒さんは携帯・スマホの所持率が高く、使用時間も長い傾向にある。ということで就寝時間も遅くなる傾向にあります。

 最初に約束することが、就寝の2時間前に携帯・スマホの使用を止める。親に夜は管理を一任することを求めています。やはり生活の安定化も大事な用件の一つになるからです。

 スマホや携帯・携帯ゲーム機のライトは波長380〜495nmの青色光で、近年日常生活における曝露量が増えており,眼疾患や体内時計,肥満やがん,精神疾患などへの影響が懸念されています。小児科領域においても,片頭痛や緊張型頭痛,起立性調節障害,睡眠障害,不登校などとの関連が指摘されているため、ブルーライト制限することで、それらの疾患の改善が得られることがあると言われています。

 この話をしたところ、ご父兄からも質問を受けて非常にホットな問題であることを痛感しました。これは家庭だけの問題だけではなく、学校、医療機関などでも共同した認識で対応が必要であると考えます。次にこれを更に生かしていこうと思い、有意義な保健委員会でした。

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今年も例年同様、東京マラソンでごったがえす日曜日、頭痛フォーラムに行ってきました。
以前は1000人は入る会場でしたが、数年前に規模が縮小されて4-500人程度の会場になりました。
ですが、会場は熱気むんむんで楽しい話が聞けました。

この数年breakthroughとなるような発表がないなかですが、いくつか興味ある発表がありました。
①「不登校と頭痛」広島市民病院の桑原健太郎先生という小児科の先生からの発表と
②「光刺激と頭痛」獨協医科大学の辰元宗人先生という神経内科の先生からの発表です。

①については、やはり青少年期の精神カウンセリングを専門とする先生が、あまりにも少ないので、ある一定の範囲であれば対応できるものの、本格的に精神的なカウンセリングが必要な患者さんに対しての対応ができないことが大きな問題であるようにおもわれます。
また起立性調節障害の合併の程度によっても治療の難しさが変わっていくと考えられます。

②については大変おもしろい発表です。
先日もケータイやPCなどのブルーライトカットの話がありましたが、この先生は「片頭痛に効く証明」の話です。実際、日本経済新聞にも掲載されていますが、度胸医科大学の看護師の寮は片頭痛にいい証明になっているようです。白色のライトより電球色のライトのほうが、より片頭痛にいいという話でした。

下記のサイトに実際の部屋の色調などが載っていますので、是非ご参照ください。

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 今日も最新の研究報告からです。

 東京女子医大の頭痛外来の清水先生が数年前から言われ続けていたことが他者によって論文化されています。それは我々がベル麻痺と呼んでいる末梢性顔面神経麻痺はヘルペスウイルスの関与だと言われているが、そのベル麻痺を起こす人に片頭痛が多いという論文が出ました。

所 属:台湾National Yang-Ming University
発表者:Dr.Shuu-Jiun Wang
雑 誌:Neurology(2015; 84: 1-9)

顔面麻痺の原因となるベル麻痺と片頭痛との有意な関連を示唆する大規模観察研究の結果が発表された。片頭痛患者では顔面麻痺のリスクが約2倍だったという。

台湾の国民保健研究データベースのデータを用い,神経内科医が2005〜09年に診断を下した18歳以上の片頭痛患者13万6,704例を同定。年齢と傾向スコアをマッチさせた同数の非片頭痛対照群を選択し,2010年まで追跡した結果を比較した。

 平均追跡期間は3.2年で
片頭痛群からは期間(42万4,372人・年)中671例が、対照群からは期間(43万8,677人・年)中365例が新規にベル麻痺と診断された。
片頭痛群のベル麻痺ハザード比は1.91と対照群に比較して約2倍の発症率だった。

 この結果について,Dr.Wangは「これは片頭痛とベル麻痺の新しい関連性を示すもので,両疾患を結び付ける共通の因子の存在が示唆される。両疾患に共通の原因は感染,炎症,心血管疾患が考えられるが,どれがリンクであるかが確認されれば,片頭痛,ベル麻痺のいずれに対しても新しい治療法の研究が進むだろう」と述べている。

ビックリする話です。
 これは以前から清水先生がずっと言われてきたことで、そうなのかな?というくらいの気持ちでしたが、今後は真剣に片頭痛患者さんではベル麻痺の有無を、またベル麻痺の患者さんには片頭痛の有無を尋ねないといけません。
 研究が更に進んでいくと片頭痛患者さんに定期的に抗ヘルペスウイルス薬や水疱瘡などのワクチンを接種することで、片頭痛発症を抑えられるようになるかもしれません。
 今後の研究が待たれます。

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 今日はアメリカの片頭痛のガイドラインが変更になったことについてのお話です。

 米国頭痛学会ガイドライン委員会は、片頭痛の急性期治療薬のエビデンスレベルをまとめた“Evidence Assessment”をHeadache(2015; 55: 3-20)に掲載した。
 片頭痛治療に関しては米国神経学会(AAN)が2000年にガイドラインを発表。その後,急性期治療に関する大規模ランダム化比較試験が数多く実施されたこと、この間に有効性の評価基準に変更があったことなどから、今回改めて各治療薬のエビデンスを評価したと説明している。

 まあ内容をみても現在の日本の片頭痛診療レベルとみても大差ない改訂です。日本ではありえない薬も有効だと記載されているのもあれば、日本では5種類のトリプタン(イミグラン・ゾーミッグ・レルパックス・マクサルト・アマージ)が使われていますが、アメリカではそれ以外にもalmotriptanとfrovatriptanの2種類が発売されているようです。

 こちらの2剤のトリプタンについては、私の知る限り日本での発売予定はないと思われます。それよりもおそらく、このブログでも紹介しましたトリプタンよりも上の次元で効果が出る片頭痛薬が先に世の中にでるのではないかと思われます。

 またこの論文の中に記載していることで最も重要なことは
 アメリカでは成人における片頭痛や重症の頭痛の罹患率(調査前3カ月間)が2012年の調査で14.2%に達していたという。特に18~44歳の女性では同罹患率が高いこと,2005年から12年にかけて,全体的な罹患率に大きな変化はなく,依然として同国の公衆衛生における大きな問題となっていることなども報告されているということです。

 アメリカでは日本以上に片頭痛が大きな頭痛のタネのようです。

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 前回のネタが意外に好評?だったのかアクセスが多くてビックリしています。

 さて、今日はタイトルのような話です。

 私は外来でよく、片頭痛のおこり方について以下のように説明しています。
ここでも何度も書いていますが、改めて書きますと

①片頭痛のスイッチOn ②胃腸の動きが止まる ③肩甲骨の内側から肩首にかけて張ってくる
④倦怠感や頭の重たい感じ、顔がむくむ ⑤どこからともなく頭がズキズキと痛みがでてくる
⑥頭全体に広がる

 ここで皆さんが考えるのは、片頭痛のスイッチが入り体に違和感を感じ始めた③までの間。
まだ頭痛はないので、トリプタンは飲まない(飲めないが正解ですが、、、)。

 なにがしかのお薬で引き戻せないかという問題です。
このままでは片頭痛がおこるのが間違いないので、症状が明確になる前にstopさせたいという希望です。

 これに明確にstopできる薬がないというのが私の答えです。
しかし、患者さんはアイデアをしぼるのです。

 医学的には吐き気止めを飲むのが一番理にかなっているので、吐き気がなくてもナウゼリンやプリンペランなどの吐き気止めを内服して刺激の少ない状態で横になるのがいいと思います。

 この段階で鎮痛剤を内服したり、葛根湯を内服したり、ミオナール・テルネリン内服したりする患者さんの話をよく伺います。絶対の方法がないのは当たり前でそれぞれ工夫されています。

 上記の薬で本格的な片頭痛になる前にレスキューできたという話もあるし、そうでない話もたくさん聞きます。内服する薬はtimingによって効果を出すとき出さない時があるのが厄介です。

 皆さんは上記の状況で本格的な片頭痛をおこさないようにするための手段をおもちでしょうか?!

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