カテゴリ: 片頭痛最新の研究報告

図1

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本日はタイトルのようなお話です。
片頭痛は昔からあるし、市販薬のめば何とかなってきたから「治療する必要性」を感じていないと言われる患者さんは少なくありません。ひどい頭痛で悩んでいながら「当たり前」から抜けようとしない。それはよくないんですよという論文を紹介します。

 

この論文は「片頭痛」と「認知症」の関係性についてデンマークの国民データから抽出したものから論文が書かれています。

 

目的片頭痛患者では、認知症発症率が高いとの報告がある。そこでこの論文では
片頭痛と認知症との関連

片頭痛薬の使用と前兆なし及び前兆あり片頭痛群で認知症発生に差があるか?
片頭痛処方回数と片頭痛重症度と関連について調査した?

 

(方法)193458年生の個人データをデンマーク国民レジストリデータより収集した。

(結果)

片頭痛の診断を受けている人の認知症率は1.46高く片頭痛薬を使用している場合は0.86低いことが確認さた。

片頭痛薬使用中の前兆あり群の人で認知症率が最も高く片頭痛使用中の前兆なし群の人で認知症率が最も低いことが分かった

片頭痛薬の処方回数は、認知症とは関連しなかった。

実は「片頭痛」は「認知症」になりやすいdataは以前からありました。この論文の特筆すべきpointはきちんと「片頭痛」を治療すると、寧ろ認知症になりにくくなるんですよということなんです。

で、最近は「片頭痛」の治療に一生懸命にならない患者さんには、この論文の話をして、片頭痛治療の意欲を高めるようにしております。

これって大事な事ですよね。

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まず、最初に宣伝します。
今回、患者さん向けに「You Tube」を開設いたしました。
「片頭痛を学ぶ」シリーズです。まだ数は少ないのですが、準備でき次第upしていきます。
是非、ご覧になって下さい。↓↓↓

https://studio.youtube.com/channel/UCvzun1zlHiUih8DarKizKqw/videos/upload?filter=%5B%5D&sort=%7B%22columnType%22%3A%22date%22%2C%22sortOrder%22%3A%22DESCENDING%22%7D

本日は最新の論文からの発表です。

現在、当院(2021/6/21現在)では「エムガルティ」を25人の患者さんに使っています。期待していた効果がでていて、日々「金額」以外は副作用もなくて良い薬であると実感する日々です。

みなさん片頭痛の頻度が減り、程度が軽くなり、トリプタンの効果があがることを大なり小なり認識していただいているのですが、では中止したらどうなるのでしょうか?

本日、ご紹介する論文は、この「エムガルティ」のような抗CGRP製剤を止めたらどうなるの?の論文です。

タイトル:「抗CGRP療法中止後の片頭痛日数の変化」

著者:
Andreas R. Gantenbein(チューリッヒ大学)

要約:
12ヵ月間の抗CGRP療法を行った患者さんが、抗CGRP療法中止後、月間片頭痛日数が増加した。そのため、多くの中止した患者が抗CGRP療法を再開した。

対象:抗CGRP抗体で12ヵ月間治療を行った片頭痛患者52例

結果①:月間片頭痛日数の平均値は治療前で16±7日、3ヵ月目で6±6日、12ヵ月目で5±4日であった。

結果②:治療中断後の月間片頭痛日数の平均値は1ヵ月後で6±4日、2ヵ月後で9±4日、3ヵ月後で11±5日であった。

結果③:その結果、88.9%の患者が治療を再開した。

考察①:抗CGRP療法の効果は、長期間持続することはほとんどない。
考察②:治療中断後、ほとんどの患者で片頭痛頻度が上昇し、再度予防療法が必要となった。

私の治験を行ったときの感想にほぼ似ているなあという印象です。
抗CGRP療法開始後、速やかに片頭痛日数は減っていきます。中止するとジリジリと片頭痛日数は元の状態に戻っていきます。この論文でも対象になった患者さんは比較的に片頭痛日数の多い患者さんですので、金額的には大変高い薬剤ではありますが、一旦中止すると短期間で元の状況に戻るため治療は継続した方がいいようです。

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以前、ご紹介しましたように「エムガルティ」を始め、今年は3社から抗CGRP抗体製剤が発売される予定で、片頭痛診療が大きく変貌していく「メモリアルな年」になることを書かせて頂きました。

 

一方、治験が済んだ薬や治験中の薬、今から治験が始まる片頭痛治療薬などのラインアップがまだあります。そういう意味では、片頭痛診療はこれから本当に大きく変わっていきます。

 

そこで、今日はgepant(ゲパント)製剤についての紹介です。

 

Gepant製剤 は CGRP 受容体拮抗薬であり、片頭痛急性期治療薬として既に米国などでは承認されています。最近になって CGRP 受容体拮抗薬 atogepant が反復性片頭痛の予防効果を示すことが報告されています。

 

新しい論文のまとめを紹介します。

 

   Croop R, et al. Oral rimegepant for preventive treatment of migraine: a phase 2/3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2021;397:51–60.

 

米国92施設で反復性片頭痛と慢性群発頭痛を対象に本物の薬と偽薬を使った研究が行われています。

結果として、rimegepant の片頭痛治療薬としての有効性が安全性と共に確認された。同じ く CGRP 受容体拮抗薬である atogepant の片頭痛予防効果が最近報告されたが、慢性片頭痛患者にも rimegepant の効果が実証された点は本研究の重要な所見だった。

 

   Goadsby PJ, et al. Safety, tolerability, and efficacy of orally administered atogepant for the prevention of episodic migraine in adults: a double-blind, randomized phase 2b/3 trial. Lancet Neurol 2020;19:727–737.

 

CGRP 受容体拮抗薬 rimegepant および ubrogepant は共に片頭痛発作頓挫作用を示し、海外では既に片頭痛急性期治療薬として認可されているが、半減期が長いために予防薬としての効果も期待されている。本研究は、同薬の反復性片頭痛の予防作用を検討した試験である。

atogepantは反復性片頭痛の発作予防に有効であることが明らかとなった。トリプタンと異なり慢性投与されても薬剤の使用過多による頭痛 (薬物乱用頭痛)もひきこさないことも確認された。

 

何れのgepant製剤は急性期の痛みに対して内服で利用されているが、予防薬として使える可能性を示しています。

今年発売される抗CGRP抗体製剤が月1回の注射製剤なのに比較して内服で対応できるメリットがあり、大きなアドバンテージになると思われます。


またこのgepant製剤は薬物乱用頭痛を作らない薬剤であり、大変楽しみな薬剤と言うことになります。

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令和32発目のブログも最新研究からになります。

 

雑誌:Headache. 2020 Dec 21.doi: 10.1111/head.14037.

 

著者:Kobina K Hagan (Haravard University)

 

目的:発作性片頭痛成人患者94例を対象に、定期的な運動と頭痛の発生頻度、強度および期間の関連を前向きで検討した。

結果:調査開始時に週3回以上の中強度運動を実施していた患者群で運動量が少ない患者群より1カ月当たりの頭痛日数が1.5日少なかったが、この関連は統計的有意ではなかった(P0.066)。

運動と1カ月当たりの頭痛日数の関連性の強さは、調査開始時の頭痛予防薬使用状況により異なった(交互作用のP0.009)。頭痛予防薬を定期的に使用しており中強度の運動を実施している患者は、運動量が低い患者より頭痛日数が5.1日少なかった(P0.001)。

頭痛予防薬を使用しておらず中強度の運動を実施している患者の1カ月当たりの頭痛日数の減少は0.4日で、統計的有意差はなかった(同-2.2-1.3P0.636)。

 

結論:中強度の運動と頭痛強度や期間との関連は見られなかった。

 

単に運動をするだけでは、片頭痛回数が減るわけではないですよという論文です。

私は患者さんに定期的な運動をしなさいという生活指導はしていません。

頭痛体操をするように勧めております。

 

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新年あけましておめでとうございます。
この1年、ブログ作成が滞っておりますが、何とか今年は頑張って書いていこうと思います。
「一年の計は元旦にあり」 と今年は頑張るよ宣言です。(笑)

新年1つめはユニークな論文です。
今までにはないアプローチです。
「片頭痛発作を点眼薬で治す」という画期的な論文です。

雑誌:
JAMA Ophthalmol2020 Oct 1;e203676.

(内容)片頭痛患者41例を対象に、緑内障などの高い眼圧の際に使用するチモロールという点眼液0.5%を片頭痛発作時に使用したという論文です。

(方法)このstudyを行っている最中に急性片頭痛発作619件がみられ、うち284件(46%)をチモロール点眼液を投与して治療してみた。

(対象)患者さんの平均年齢は27.3歳で84%が女性でした。


(結果)点眼後20分時に疼痛スコアが4点低下または0点への低下が見られた割合はチモロール群82%、プラセボ群14%だった。一般化推定方程式解析で、20分後の疼痛スコア低下量はチモロール群の方がプラセボ群よりも大きく、平均差は4.63%ポイントだった(P0.001)。


この論文の素晴らしいところは全く今までにないアプローチをしているところです。
内服薬ではなく、点眼薬。

よく患者さんが目玉を取って、奥を洗いたいと言われる患者さんがいます。
そんな患者さんにはうってつけの方法ではあります。(私はもう少しデータが欲しいですが、、、。)

今まである安全性の高い薬剤を使うわけですから、追従した論文が出てくる物と思います。
その結果を踏まえて、私もやってみたいと思います。

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