カテゴリ: 片頭痛最新の研究報告

まごたちにわやさしい


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今回は最近の新しい片頭痛研究からのお話です。

 

片頭痛発症に対する食事の影響は知られているが、因果関係についてはあまりわかっていない。
中国からの「食習慣と片頭痛発症リスクとの因果関係および片頭痛リスク因子の研究」を行った。

 

(雑誌)Frontiers in Nutrition202367日)

(方法)83の食習慣と片頭痛およびそのサブタイプとの因果関係を調査するため、2サンプルのメンデルランダム化(MR)および双方向MRを実施した。また、ネットワークMRを用いて、片頭痛リスク因子の役割を調査した。

(結果)
片頭痛リスク低下と関連する食物は、コーヒー、チーズ、脂っこい魚、アルコール(赤ワイン)、生野菜、ミューズリー、全粒粉/全粒パンであり、これらのオッズ比の範囲は0.78から0.61であった。

②片頭痛リスクと正の相関が認められた食物は、白パン、コーンフレーク/フロスティ、鶏肉であった。

片頭痛と飲酒の種類との間には負の相関があり、片頭痛と1日当たりの紅茶の摂取との間に正の相関が認められた。


食事と片頭痛の関連は古くて新しい話です。
教科書的にも、いろんな事が書いてありますが、外国人だけに言われている事、日本人だけに言われている事など多種多様です。

私は最初に掲げた「まごたちにわやさしい」の話をしています。
また、糖尿・高血圧・高脂血症などの生活習慣病患者さんの食事指導をしていますが、
基本は「バランスの良い食事」です。

何何が良い。何々を食べ続ける的な発想はいけません。「バランスの良い食事」が一番いい事であると伝えています。

その中で糖尿であれば、炭水化物を控える。高脂血症であれば脂質を控えるなど、そのタイプに応じて付け加えるようにしています。

片頭痛ではやはり飲酒はXで紅茶はOです。
飲酒はやはりnegativeに働くことが多く、注意が必要です。

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プレゼンテーション1

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本日は世界6ヵ国(カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国、米国)における慢性片頭痛患者についての最新報告になります。

 

出典:Cephalalgia2023 Jun;43(6)

(方法)カナダ、フランス、ドイツ、日本、英国、米国で実施された調査では、国際頭痛分類の診断に基づいて片頭痛患者を特定した。

(結果)

   スクリーニング調査に正しく回答した90,613人のうち、76,121人は片頭痛の基準を満たしていなかったが、14,492人(16.0%)は基準を満たしていた。

   片頭痛のある回答者の平均年齢は4042歳であった。

   月間頭痛日数の中央値は2.333.33

   中等度から重度の障害を有する回答者の割合は30%(日本)から52%(ドイツ)であった。

   慢性片頭痛と考えられる月間頭痛日数が15日以上の回答者の割合は、5.4%(フランス)から9.5%(日本)であった。

   片頭痛の診断を受けたことがあると答えた回答者は、各国で半数以下であった。

(結論)これらの結果から、6カ国において片頭痛に関連した障害の割合が高く、片頭痛の診断が過小であることが示された。

このような報告は、インターネットが発達した現代では比較的簡単にできるようになりました。
国によっては医療体制も異なりますし、一番上に示しましたように頭痛で病院を受診するかどうかというのは国民性にもよります。(日本では、頭痛くらいでは病院にはいかないというのが主流?!)

今までも日本は頭痛=耐えるもの、頭痛=仕方ないものというニュアンスが大きいとされてきました。

実際問題としては片頭痛患者の割合は他の国と比較しても大きな変化はないし、むしろ慢性片頭痛患者の割合は他の国よりも高いくらいなんですが、日常生活支障度は低いというチグハグな結果になっています。

国民性といえば国民性なんですが、もう少し「頭痛で病院に行こう~」「今よりもっと楽に頭痛が治療できるんですよ~」ということが伝わるといいなあと思いました。

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図1

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本日はタイトルのようなお話です。
片頭痛は昔からあるし、市販薬のめば何とかなってきたから「治療する必要性」を感じていないと言われる患者さんは少なくありません。ひどい頭痛で悩んでいながら「当たり前」から抜けようとしない。それはよくないんですよという論文を紹介します。

 

この論文は「片頭痛」と「認知症」の関係性についてデンマークの国民データから抽出したものから論文が書かれています。

 

目的片頭痛患者では、認知症発症率が高いとの報告がある。そこでこの論文では
片頭痛と認知症との関連

片頭痛薬の使用と前兆なし及び前兆あり片頭痛群で認知症発生に差があるか?
片頭痛処方回数と片頭痛重症度と関連について調査した?

 

(方法)193458年生の個人データをデンマーク国民レジストリデータより収集した。

(結果)

片頭痛の診断を受けている人の認知症率は1.46高く片頭痛薬を使用している場合は0.86低いことが確認さた。

片頭痛薬使用中の前兆あり群の人で認知症率が最も高く片頭痛使用中の前兆なし群の人で認知症率が最も低いことが分かった

片頭痛薬の処方回数は、認知症とは関連しなかった。

実は「片頭痛」は「認知症」になりやすいdataは以前からありました。この論文の特筆すべきpointはきちんと「片頭痛」を治療すると、寧ろ認知症になりにくくなるんですよということなんです。

で、最近は「片頭痛」の治療に一生懸命にならない患者さんには、この論文の話をして、片頭痛治療の意欲を高めるようにしております。

これって大事な事ですよね。

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まず、最初に宣伝します。
今回、患者さん向けに「You Tube」を開設いたしました。
「片頭痛を学ぶ」シリーズです。まだ数は少ないのですが、準備でき次第upしていきます。
是非、ご覧になって下さい。↓↓↓

https://studio.youtube.com/channel/UCvzun1zlHiUih8DarKizKqw/videos/upload?filter=%5B%5D&sort=%7B%22columnType%22%3A%22date%22%2C%22sortOrder%22%3A%22DESCENDING%22%7D

本日は最新の論文からの発表です。

現在、当院(2021/6/21現在)では「エムガルティ」を25人の患者さんに使っています。期待していた効果がでていて、日々「金額」以外は副作用もなくて良い薬であると実感する日々です。

みなさん片頭痛の頻度が減り、程度が軽くなり、トリプタンの効果があがることを大なり小なり認識していただいているのですが、では中止したらどうなるのでしょうか?

本日、ご紹介する論文は、この「エムガルティ」のような抗CGRP製剤を止めたらどうなるの?の論文です。

タイトル:「抗CGRP療法中止後の片頭痛日数の変化」

著者:
Andreas R. Gantenbein(チューリッヒ大学)

要約:
12ヵ月間の抗CGRP療法を行った患者さんが、抗CGRP療法中止後、月間片頭痛日数が増加した。そのため、多くの中止した患者が抗CGRP療法を再開した。

対象:抗CGRP抗体で12ヵ月間治療を行った片頭痛患者52例

結果①:月間片頭痛日数の平均値は治療前で16±7日、3ヵ月目で6±6日、12ヵ月目で5±4日であった。

結果②:治療中断後の月間片頭痛日数の平均値は1ヵ月後で6±4日、2ヵ月後で9±4日、3ヵ月後で11±5日であった。

結果③:その結果、88.9%の患者が治療を再開した。

考察①:抗CGRP療法の効果は、長期間持続することはほとんどない。
考察②:治療中断後、ほとんどの患者で片頭痛頻度が上昇し、再度予防療法が必要となった。

私の治験を行ったときの感想にほぼ似ているなあという印象です。
抗CGRP療法開始後、速やかに片頭痛日数は減っていきます。中止するとジリジリと片頭痛日数は元の状態に戻っていきます。この論文でも対象になった患者さんは比較的に片頭痛日数の多い患者さんですので、金額的には大変高い薬剤ではありますが、一旦中止すると短期間で元の状況に戻るため治療は継続した方がいいようです。

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以前、ご紹介しましたように「エムガルティ」を始め、今年は3社から抗CGRP抗体製剤が発売される予定で、片頭痛診療が大きく変貌していく「メモリアルな年」になることを書かせて頂きました。

 

一方、治験が済んだ薬や治験中の薬、今から治験が始まる片頭痛治療薬などのラインアップがまだあります。そういう意味では、片頭痛診療はこれから本当に大きく変わっていきます。

 

そこで、今日はgepant(ゲパント)製剤についての紹介です。

 

Gepant製剤 は CGRP 受容体拮抗薬であり、片頭痛急性期治療薬として既に米国などでは承認されています。最近になって CGRP 受容体拮抗薬 atogepant が反復性片頭痛の予防効果を示すことが報告されています。

 

新しい論文のまとめを紹介します。

 

   Croop R, et al. Oral rimegepant for preventive treatment of migraine: a phase 2/3, randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2021;397:51–60.

 

米国92施設で反復性片頭痛と慢性群発頭痛を対象に本物の薬と偽薬を使った研究が行われています。

結果として、rimegepant の片頭痛治療薬としての有効性が安全性と共に確認された。同じ く CGRP 受容体拮抗薬である atogepant の片頭痛予防効果が最近報告されたが、慢性片頭痛患者にも rimegepant の効果が実証された点は本研究の重要な所見だった。

 

   Goadsby PJ, et al. Safety, tolerability, and efficacy of orally administered atogepant for the prevention of episodic migraine in adults: a double-blind, randomized phase 2b/3 trial. Lancet Neurol 2020;19:727–737.

 

CGRP 受容体拮抗薬 rimegepant および ubrogepant は共に片頭痛発作頓挫作用を示し、海外では既に片頭痛急性期治療薬として認可されているが、半減期が長いために予防薬としての効果も期待されている。本研究は、同薬の反復性片頭痛の予防作用を検討した試験である。

atogepantは反復性片頭痛の発作予防に有効であることが明らかとなった。トリプタンと異なり慢性投与されても薬剤の使用過多による頭痛 (薬物乱用頭痛)もひきこさないことも確認された。

 

何れのgepant製剤は急性期の痛みに対して内服で利用されているが、予防薬として使える可能性を示しています。

今年発売される抗CGRP抗体製剤が月1回の注射製剤なのに比較して内服で対応できるメリットがあり、大きなアドバンテージになると思われます。


またこのgepant製剤は薬物乱用頭痛を作らない薬剤であり、大変楽しみな薬剤と言うことになります。

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