カテゴリ: 珍しい頭痛

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 今回は顔面の痛み(3)です。
 実はたまたまなんですが、今週ある製薬会社の研究会で大学病院の歯科麻酔科の先生が顔面痛についての講演会がありましたので、それに参加してきました。

 たまたま台風が直撃した25日(火)で午前中は直撃でしたが、研究会のあった午後は普通の雨降りでしたので参加しました。痛みの分類・原因・実際の治療と進んでいきましたが、大学病院の先生ならではの細かな研究報告もあり、勉強になりました。ただ我々開業医としては痛みの原因・分類よりもむしろいかに治療するかということが主題なんですが、そこは講演して頂いた先生もcase by caseということでした。専門医でもなかなか難しいとのことです。

 ただこの顔面の痛みに関して言えば、通常の鎮痛剤は効果がほとんど無いということは言えるようです。私も経験的に通常のロキソニン・ボルタレン・カロナールといった薬では対応できないとは思っていましたが、講演して頂いた先生も同様の意見でした。

 では何を使うかと言えば、やはり抗てんかん薬(テグレトール・ランドセン)や抗うつ剤(トリプタノール・アナフラニール・トフラニール)やリリカといった薬になるようです。
 私は個人的には異常知覚・異常感覚があればランドセンを少量眠前投与をします。
 またこの部分の痛みをとる主役は抗うつ剤だと思います。ですから私はトリプタノールをmainに使ってcontrolしていきます。通常10mgから始めて、多くても30mgまでとしています。
 増量しても眠気だけが強くなるケースもありますので、それでもcontrolできないケースではリリカを追加することでcontrolするようにしています。

 それで全員がうまくcontrolできるかというと、そうではなくて、最終的には患者さんのメンタルな面と目標値を低めに設定して、満足するようにしていただくことをしています。
 十分なcontrolができない現状では、それもまた必要なことだと考えています。

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さて今日は顔面の痛み2回目です。

その前に近況報告です。
昨年の夏以来、虫垂炎を繰り返していたのですがお盆休みを利用して手術してきました。
8/11入院。8/12手術。8/15退院。8/17から通常通り診療を再開しています。
本日退院後の再診で抜糸を予定しています。
8/11・8/12は代診の先生に来ていただき、無事に元気になりました。
まだまだ右下腹部の張りはありますが、通常通りの生活ができています。

前回話しました三叉神経痛とは違って、原因のよくわからない顔面痛があります。
これを「非定型顔面痛」と我々は呼んでいます。
前回話しました典型的な三叉神経痛のような特徴はありません。
痛みの質もそれぞれで、痛む部位も顔面のいろんな場所と、まさに非定型なんです。

画像検査(CT・MRI)を行っても脳内には異常所見はなく、耳鼻科・眼科・歯科などでも異常は見られません。原因が特定できず、「異常ない」「異常ない」と各科で言われますので患者さんは複数の診療科を転々としているようです。

当院では定期的に歯科大学病院の麻酔科の先生からご紹介を受けています。
まさに多岐に渡る症状で、麻酔科の先生も困られているようです。私自身も専門じゃないとはいいませんが、決定的な治療方法を持っているわけではありませんが、各症例毎症状の出方・分布・薬剤の反応性などをみて治療しています。

この非定型顔面痛はメンタルに問題を抱えているケースがあります。うつ病、抑うつ傾向、自律神経失調症などを持っている方に多く、感情の変化で痛みも変化するがために難儀します。

私は各症例について治療スケジュールを決めます。
前もって数回受診してくださいと話します。
①まずMRI検査で頭蓋内疾患を除外します。
②採血で全身性の問題を除外します。
③メンタルな要因の把握
などを行って、治療薬を選びます。そこで大事なことは「なぜこの薬を使うのか?」です。merit・demeritを話して使うようにしています。

長くなりましたので、また次回にしたいと思います。

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今日は初めて顔面の痛みについてです。
頭痛外来をしていますと、頭痛以外の痛みの患者さんもおいでになります。
ペインクリニックですと全身の痛みなのでしょうが、頭痛外来では主は首から上になります。
その中でも顔面の痛みでの来院はそこそこいらっしゃいます。

顔面の痛みで最も有名なのは三叉神経痛です。
鼻から口角へのライン近傍のまさに神経痛で不快な痛みが三叉神経痛です。
三叉神経痛では痛みはいろいろな動作で誘発されます。洗顔、化粧、ひげそりなどで顔に痛みが走ることもあります。触ると痛みを誘発されるポイントがあり、鼻の横などを触ると、痛みが走る場合は三叉神経痛の可能性が高いと言えます。

間違っていけないのは顔面神経麻痺です。これは顔の一部が動かなくなるやつで、三叉神経痛は顔面の痛みですのでお間違えなく。

三叉神経痛の原因は、脳みそから三叉神経がでてくるところで血管が強く圧迫しておこると言われています。開頭手術で三叉神経と血管を話すことで痛みが取れるようになります。

開頭手術が年齢的にも、他の合併症からも難しい場合には、血管と神経がぶつかっている部分をガンマナイフで焼くという方法もあります。ただしこの方法ですと手術と違い、全く痛みがなくなることはなく、不快な痛みはなくなりますが、今までは経験しないような鈍い痛みが持続することがあります。

またそれもという場合には、抗てんかん薬のテグレトールの内服という方法もあります。これは副作用として眠気がありますが、その眠気がないのであれば比較的に痛みのコントロールがしやすい薬です。
多くの患者さんはまずテグレトールの内服を試してみて効果を確認し、十分痛みがとれない場合や副作用で内服が継続できない場合には手術をされるというのが一般的な流れです。

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昨日、ブログ開設13万人を突破いたしました。訪問していただきました皆さんありがとうございます。
本日、当院の開院記念日です。丸7年を越えて8年目になります。これもひとえに患者さん・家族・スタッフ・業者さんたちのおかげだと大変感謝しております。ありがとうございます。

さて、今日は珍しい頭痛の中でも飛行機搭乗時頭痛「aircraft headache」についてです。

まず極めて稀です。今までに2-3人しか経験していません。この頭痛が最初に報告されたのは1997年です。今までの報告をまとめますと

①男女差はあまりない。
②出現状況は飛行機が下降しだしてから
③頭痛の種類は拍動性もあれば非拍動性もある
④着陸すれば症状は落ち着く

ということです。
治療はこれといって特別なものがあるわけではないのですが、搭乗する前に鎮痛剤を内服することによって頭痛が治まったり、程度が軽減するといわれています。

先日も当院においでになられましたが、状況は上の①から④と似通った状況でした。鎮痛剤の事前内服をしていただくことを提案しましたが、結果はまた後日報告できればと思います。

またもともと鼻炎や副鼻腔炎があると、飛行機をおりてからも痛みが続くことがあります。これは副鼻腔炎を治すことで症状が改善しますので、このようなケースはaircraft headacheとは別の範疇にいれて整理しています。

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 今日は少しタイトルが勝手にひとり歩きしそうなタイトルにしてみました。

 実は今年の夏頃に、東京の脳外科の先生で「最近、中高生で姿勢の悪い子供たちの頭痛があって、原因はスマホだ。」という話を聞いたことがありました。
 
 私自身はあまり経験がなかったのですが今年の頭痛学会総会では全くそのような演題がありましたので、ご紹介いたします。
 
 東京都済生会中央病院小児科の荒木清先生からの演題です。
「思春期片頭痛患児におけるブルーライトの扱いに関しての提言」というタイトルです。

 この演題では、難治性の思春期慢性連日性頭痛の中に、スマホやゲーム機などのブルーライトを使用する機器の夜間における使用を制限することで 症状が改善する例がある。
登校不可、昼夜逆転傾向を伴ったケースでは、夜間のブルーライト制限が最良・最短の治療である場合があるという演題でした。

 もちろん、最近では有名になりつつあるLINEいじめなんかというような精神的な要因がbaseにあってからの頭痛なども陰にひそんでいるのかもしれません。

 ブルーライトカットのメガネが頭痛を減らすという論文もありますので、やはり不必要なブルーライトはできるだけカットしたほうがいいようです。

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