カテゴリ: 珍しい頭痛

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10/8(日)は熊本でheadache master school in Kumamotoが開かれました。

この会は1年に2回日本の東西で行われている研修会で、頭痛専門医をこれから受験される先生方を対象に行われています。

その前座として10/7(土)に脳脊髄液減少症と起立性調節障害の研究会が同じ熊本で行われました。
土曜日の診療をバタバタと終えて、急ぎ新幹線に乗って参加して参りました。

熊本は昨年の大きな地震から1年以上経過していますが、連休だったこと、天候に恵まれたこと、お城祭りと天候で順延された秋の例大祭も併せて行われていたために人の数が半端でなく、めちゃくちゃ活気がありました。

さて今回の研究会の大きな二つのテーマである
脳脊髄液減少症と 起立性調節障害 についてです。

まず脳脊髄液減少症については、少し過剰に診断をつけたり、過剰に治療を行ったりという時期はありましたが、概ね診断・治療ともに落ち着いた印象です。

今回は脳脊髄液減少症のバイオマーカーといって、症状の経過で増減するマーカーがみつかり、その研究の途中経過が福島県立医大の生化学の先生からあり大変興味深かったです。

このマーカーを脳脊髄液減少症や逆の病態でもある正常圧水頭症などで治療前後を追っかけていくと、マーカーが上下していて、診断の的確性・治療効果を見る上で大変有用なようです。

症状については、やはり寝ていると調子が悪くないが、起きて10-15分程度で症状が悪化していくというポイントが、この疾患を疑う一番大事なポイントです。

この症状や経過で引っかけて、更にMRIやRIシステルノグラフィーなどの診断、そして生食パッチやブラッドパッチにつなげるという今までの治療が有用であるようでした。

脳脊髄液減少症は今でこそ名前が随分知られてきていますが、わからなかった時は診断も治療もできず困った疾患でした。
この疾患概念が1991年に発表された概念ですので、まだまだ新しい病気だと言っていいものです。

長くなりましたので、次回起立性調節障害についてお届けします。

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本日は最新の研究報告からです。

それも珍しい頭痛「アイスクリーム頭痛」についてです。
この季節アイスクリームだけではなく、氷など同様の冷たい刺激で頭痛を誘発することがあります。そのような頭痛についてお届けします。

キンキンに冷えたスムージーやアイスクリームがおいしい季節です。
しかし、急いで食べるとこめかみ周辺に突然キイーンと頭痛が起きることがあります。この頭痛を「アイスクリーム頭痛(brain freeze)」と呼びます。
全く危険性はないですが、誰もが一度は経験のある頭痛です。

これを予防する方法ががあるとテキサスA&M大学医学部Dr. Stephanie Vertreesはアドバイスしている。

 アイスクリーム頭痛は医学的には「翼口蓋神経節神経痛」と呼ばれます。
「翼口蓋神経節は口蓋の奥にある神経の束で、冷たい食べ物に敏感。そのため、冷たい食べ物が喉を通っていくときにこの部分に触れると神経が刺激され、その情報が頭痛を起こす脳の領域に伝わる」と説明されている。

 この神経節は片頭痛や群発頭痛の原因となることでも知られており、その予防法を探すために以前から研究が続けられています。片頭痛の患者では、アイスクリーム頭痛が治療に役立つ可能性もあります。「誰にでも必ず有効だとはいえないが、アイスクリーム頭痛を起こせば片頭痛を緩和できる可能性がある」とも説明しています。

 アイスクリーム頭痛を避ける方法は以下の通りです。

・冷たい食べ物は、急がずにできるだけゆっくり食べること。そうすれば自分の口の中で食べ物を温めることができる。
・冷たい食べ物は、口内の前の方に含むようにすること。口内の奥の方を刺激するとアイスクリーム頭痛を引き起こす可能性があるため。
・アイスクリーム頭痛が起きそうだと思ったら、舌を口蓋に押しつけると痛みが和らぐ可能性がある。舌の温かさで副鼻腔と翼口蓋神経節を構成する神経が温まるため。

Dr. Stephanie Vertreesは、「アイスクリーム頭痛は危険なものではなく、放っておいてもすぐに軽快する。つい急いで食べたり飲んだりしてしまうという人は、アイスクリーム頭痛について理解し、ゆっくりと食べたり飲んだりすることを心がけるとよいだろう」とアドバイスしています。

いろんな意味で興味あるお話です。

冷たさ→痛みに変換していて、それが片頭痛や群発頭痛を改善させるカギになっているとは夢があって、おもしろい話しです。


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さて今日は比較的珍しい話題です。
私が大変尊敬する新潟大学神経内科准教授の下畑先生のブログに記載されていた話でしたが、大変興味ふかい話でしたので、紹介させていただきます。

今日のテーマはアイスクリーム頭痛です。
昨日はダウンタウンの番組で「ガリガリクン」を一度に三個食べていたプロレスラーが「頭痛い」「頭痛い」を連発していました。これがアイスクリーム頭痛です。アイスクリームよりかき氷のほうがなりやすいと思います。実際「ガリガリクン」は氷菓ですので、かき氷を固めたものですから、なりやすいのだと思います。

今回はドイツからこの研究がなされました。
ひょっとしたら「イグノーベル賞」の候補になるかもしれません?!

1.「遺伝するのか?」
2.「研究に不可欠な誘発法は角氷か氷水か?」
3.「ねこにもあるのか?」
という3つの問題が解決されました.

1.アイスクリーム頭痛の遺伝
①アイスクリーム頭痛は子供に多く,成人では少なくなる
②アイスクリーム頭痛には遺伝的素因がある。
③アイスクリーム頭痛はその他の頭痛(主に片頭痛)の危険因子となる。

2.実験的アイスクリーム頭痛
氷水のほうが角氷より頭痛をより高頻度に誘発した。
氷水で頭痛はより早く出現し、痛みの程度も強かった.
頭痛の出現場所は変わらなかった。
頭痛の性状は、角氷では圧迫するような痛み,氷水では突き刺すような痛みであった。
氷水による頭痛の26%に,最初の頭痛のあとに2回めの頭痛が出現した。
流涙はアイスクリーム頭痛を認めた人で多く認められた。

以上より,氷水は角氷と比べ,高頻度に,出現潜時の短い,より強い頭痛を来すことが分かった.このことは温度より冷却される部位の広さや,冷却のスピードが重要であることを示している.

3.ねことアイスの実験

以下の動画はねこのアイスクリーム頭痛です。面白いです。ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=-5Rka0TyrYw&feature=youtu.be

ネコにもアイスクリーム頭痛ありそうです。

大変おもしろい研究です。
内容をみれば、非常にリアリティーのある結果ですし、この話を教えていただいた下畑先生は全て自分で挑戦され、自分の家のネコにも試されて、同様の結果を出されています。

「イグ・ノーベル賞」に一票!

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新年あけましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。
今年も木曜日を中心にブログのupを継続していきたいと思います。何卒、宜しくお願いいたします。

今日はタイトルのような少し厄介なお話です。
CADASIL(cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencepahlopathy)という病気のお話です。大変長い名称ですので、CADASILと略して話すことが多い疾患です。

日本語にしますと皮質下梗塞と白質脳症を伴った染色体優性遺伝脳血管症という訳語になる疾患です。

臨床上の特徴としては
①20~40歳代で前兆を伴う・あるいは伴わない片頭痛がみられる。
②高血圧・糖尿病・高脂血症などの脳血管障害の危険因子を持たないのに、40-50歳代で比較的若年で脳梗塞を繰り返す。
③60歳過ぎる頃には進行して認知症症状や仮性球麻痺(構音障害・嚥下障害etc.)を呈する。
④家族に類似症状を呈する。
⑤有病率は2人/10万人 平均発症年齢は45-50歳 性差なし

上記を満たす患者さんでは、上記のCADASILが疑われ、確定診断のために遺伝子検査を含む各種検査を行われる。

決してよくなる病気ではなく、これといった的確な治療方法もない疾患だけに、こわいものです。

昨年たまたま当院でも2例の疑わせる患者さんがいらっしゃいました。
1例の患者さんは遺伝子検査をしていただき、診断が確定したようです。
またこの疾患は高頻度で認知症も併発します。

またMRI検査上も特徴的な所見が多数みられます。
このMRI検査は、FLAIR画像なんですが両側の側頭葉の先端部に白く映る病変が特徴的な所見です。
決してよく見る疾患ではありませんが、非常に特徴的な所見で一度見たら、なかなか忘れない所見でもあります。

また白質変性といって、さきほどのFLAIR画像で白く描出される病変が年々増えていくことも知られています。

現時点では治療する手段がなく、厄介な片頭痛発作を呈する疾患です。

片頭痛で長く通院していて、安定していると画像検査もなかなか行わないのが現状ですが、稀な疾患ではありますが一度checkして、以前との比較をしていただくのも大事な事だと思います。

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今日は最近受診に見えた入浴関連頭痛についてです。
これは読んで字のごとく入浴すると必ず雷鳴様の頭痛がおこるものです。

この頭痛は山口大学の根来先生が2000年に初めて発表されました。
東洋人の中年女性に多い疾患だといわれています。
受診されました患者さんも図らずも、その通りでした。
私自身は2人目ですが、極めて稀とされていて、頭痛センターに受診される患者さんの0.4%と言われていますので、一般の外来では更に少ないことが予想されます。

爆発的な痛みで、脳卒中(くも膜下出血)を疑うような症状ですが、風呂から出て行くと症状は徐々に治まるようです。ただ、また入浴で頭痛がおこるので入浴が怖くなって入れなくなるものです。

このような患者さんの中には、先ほどあげたくも膜下出血以外にも脳出血、動脈解離(特に椎骨動脈解離)、静脈洞血栓症、下垂体卒中などの疾患を除外する必要もありますし、最近ではその病態が大変注目されている可逆性脳血管れん縮症候群(RCVS)なども除外する必要があります。

もちろん受診して頂き、それらの病気を除外する必要があります。
また治療としては降圧剤などで使われるCa拮抗剤を使うことで軽減することが報告されています。

世の中に大変珍しい頭痛があるものです。

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