カテゴリ: 脳卒中


当院は開業して丸4年を迎えます。
 この4年間で実は3人のくも膜下出血患者さんがいらっしゃいました。
 そうです歩いてきた患者さんです。

 今までの統計でもくも膜下出血の1割の患者さんは病院に歩いて受診されます。

 自治会などの講演でその話をすると皆さんに驚かれるのですが、事実1割は歩いてくるのです。

 皆さんやはり突然の頭痛での発症で、改善していない。夜が眠れない。薬の効きが悪いなどと言われてきます。一応脳外科の専門医ですので、3人とも検査の前にくも膜下出血ではないかと問診で感じたものでした。

 3人の中には当院受診前に内科で風邪ですねと言われた患者さんもいまして、頭痛はあなどれません。
 3人中2人は37-38℃代の発熱がありましたので、気持ちはわかるんですが、頭痛=くも膜下出血ではないのか?という気持ちで脳外科の医者は見ますので、そこの違いだと思います。

 ですから
 ①いつもと違う頭痛
 ②突然おこった強い頭痛
 ③改善しない頭痛
 ではくも膜下出血を念頭におくことが大変大事な問題です。

 頭の片隅に是非いれてください。

 皆さんご存じのように、3人組ユニットglobeのボーカルで、音楽プロデューサー・小室哲哉(52)の妻のKEIKO(39)さんが、24日夕方に都内の自宅で頭痛を訴え、小室が119番通報。くも膜下出血で救急搬送され、5時間にわたる緊急手術を行ったことが明らかになった。
 
 くも膜下出血は今までに経験したことのないような激しい頭痛で発症する病気です。
 皆さんもご存じのように昨年巨人軍の木村拓也コーチが広島球場で倒れて亡くなった病気でもあります。
 くも膜下出血になられた有名人と言えば南田洋子・木原美智子さんなどたくさんの有名人がいらっしゃいます。
 
 男女比で言えば3:2で女性に多く。脳動脈瘤が破裂しておこるものが大半です。
 非常に亡くなられる人の多い病気で、1年間で全国で15000人以上の方が亡くなられます。
 年齢でいえば50-70歳代に多い病気ですが、20-30歳代でもなられる方もあり、そういう意味では39歳は若い方ではありますが、珍しい年齢ではありません。
 
 当院にもくも膜下出血を心配されて来院される患者さんもいらっしゃいましたが、kEIKOさんの1日も早い回復をお祈りしています。

 毎年10月29日は “世界脳卒中デー”です。
 
 みなさんご存じですか~?
 世界禁煙dayや世界アルツハイマー病dayなどいろいろあります。
 日本としてはむしろ脳卒中週間のほうがなじみがあるかもしれませんね。
 
 世界脳卒中機構(WSO)は,世界では,6人に1人が脳卒中を発症し,年齢,性を問わず6秒に1人,毎年600万人が死亡している。同キャンペーンは,この事実を広く伝え,脳卒中の予防と,脳卒中患者の生活の質の向上を訴える活動を行っています。
 
 世界脳卒中デーは,さまざまな支持団体,患者支援ネットワーク,ボランティア団体,公衆衛生当局,医師,看護師,市民団体など,関係者が協力し合い,脳卒中の総合的な教育,支援運動,予防,治療,脳卒中患者の長期にわたるケアや支援を行うことを目指して設けられた。世界中のWSOメンバーらは,この日,命を救うためのシンプルなメッセージ「Do not take chances. One in six people is at risk for stroke – it could be you. Learn the facts. Save a life today. Act Now!」を団結して訴える。なお,日本での発症は5人に1人“One in Five”。9人に1人が死亡している。
 同キャンペーンは,次の6つの簡単な行動目標を掲げている。
  1. 自分の危険因子を知ろう:高血圧,糖尿病,脂質異常症が代表的な危険因子です
  2. 日ごろから身体をよく動かして,定期的な運動に努めよう
  3. 健康的な食事で肥満を防ごう
  4. 飲酒はほどほどに
  5. たばこの煙を避けよう。喫煙者は直ちに禁煙外来を受診しよう
  6. 脳卒中の徴候(症状)を学び,発症時に分るようになろう
 非常にわかりやすいフレーズですよね。日本には脳卒中10ヶ条のほうが有名ですが、これも非常に響きのいいフレーズになっています。

 毎年5/25から5/31は脳卒中週間です。
脳卒中週間は毎年標語を作ります。昨年は「脳卒中 健康過信を 狙い撃ち」でした。
 
今年の標語は「長くてつらいリハビリよりも ちょっと控える塩と酒」 です。
 
 大変いい標語ですよね。実感のこもっている。
 また味わい深い標語です。
 
 塩分を控えるのは高血圧の予防にもなりますし、大変大事なことですが、お酒についてはそれほど悪いわけではありません。この標語を決めるにあたっては裏話があって、ある先生が「ちょっと控える塩・タバコ」にしたほうが絶対にいいと言って聞かなかったそうですが、最終的には上のようになったようです。
 
 リハビリは長くて辛いものです。それよりならない努力が本当に大事なことです。

 以前もこのブログで巨人の木村拓也コーチがくも膜下出血になられた後から急激に若い患者さんが増えたことを報告しました。その後日談です。
 
 先日、横浜に学会に行きました。
 そこでも、その話はもちきりで、公立病院の部長先生や大学病院の外来チーフもそのような受診が多く困っているとのことでした。私立の病院は断ることはできにくいのですが、公立病院では受付の段階でバンバンお断りしているそうです。中には上手に脳ドックに誘導しているとのことですが、ドックと保険診療では値段もずいぶん違うので、なかなか脳ドックの患者さんは増えていないようです。
 
 また大学病院でMRIの予約が2ヶ月であることを話すと、その間に何かあったら責任とってくれるんですかと凄む患者さんもいるとかで、大変だそうです。
 ある意味これもモンスターですね。
 
 東京のドック専門の病院では4月中旬から脳ドックの料金を20%offにしたところ、アクセスが急速に増えて予約が前年度比50%upだったようです。
 
 大事なことは未然に病気が見つかって、その患者さんがhappyになってくれることですが、はたして全国でどれくらいの患者さんがhappyになってくれたんでしょうかね?!

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