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本日はロッテマリーンズの澤村投手におきた「RCVS」という病気について触れたいと思います。
「RCVS」可逆性脳血管攣縮症候群と日本語と呼びます。血管が攣縮することで突然の頭痛をひきおこす疾患であり、可逆性と最初に書いているとおり、おおよそ元の状況に血管も戻っていくとされています。
この病気は突然の頭痛(雷鳴頭痛)によっておこる病気です。
私は個人的に頭痛外来で気をつけるべき「急性頭痛三兄弟」として①クモ膜下出血 ②椎骨動脈解離 ③RCVSの3疾患をあげています。
このRCVSは
① 1分以内にピークに達する雷鳴頭痛、または重篤な再発性頭痛で発症
② 2つ以上の異なる脳動脈に分節性の脳血管攣縮を認める
③ 攣縮は3か月以内に改善し、約30%に何らかの脳卒中を合併する
疾患とされています。当院でも今年は約8ヶ月で2例経験します。毎年、数例は経験しますので、多い疾患ではないけれど、決して稀というほどではありません。
性行為, 労作, 排便, 急激な感情の起伏, 入浴やシャワーなどが引き金となって発症することが知られています。澤村投手の新聞記事はわずかなので、どうやって発症したかは不明ですが、多くの患者さんは上記を引き金として発症しています。
RCVSは片頭痛の患者さんに多く、重度の片頭痛発作とRCVSの鑑別が困難なことも多く、私の経験でもいつもの片頭痛かと思っていたが、普段は効果のあるトリプタン製剤で効果がないために、再度問診したり、MRI検査にて診断まで辿り着いたケースもあります。
一般的には、予後良好な症例が圧倒的に多く、致死率は1%未満・生命予後の危険は5%未満、再発率は5-8%とされています。澤村投手も6日ほどの入院で退院。自宅で安静にして徐々に運動強度をあげ、来月実践復帰を予定しているようです。そうなると一般的なRCVSの経過と考えられます。
治療としてはワソラン(ベラパミル)の内服をすることが一般的で、MRI検査を行い、血管の攣縮が改善し、頭痛が収まっていけば終了となります。
この澤村投手の発病を機会に、もう少しこのような疾患が一般的に知られるようになることを祈っております。
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