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以前、ご紹介しましたように「エムガルティ」を始め、今年は3社から抗CGRP抗体製剤が発売される予定で、片頭痛診療が大きく変貌していく「メモリアルな年」になることを書かせて頂きました。
一方、治験が済んだ薬や治験中の薬、今から治験が始まる片頭痛治療薬などのラインアップがまだあります。そういう意味では、片頭痛診療はこれから本当に大きく変わっていきます。
そこで、今日はgepant(ゲパント)製剤についての紹介です。
Gepant製剤 は CGRP 受容体拮抗薬であり、片頭痛急性期治療薬として既に米国などでは承認されています。最近になって CGRP 受容体拮抗薬 atogepant が反復性片頭痛の予防効果を示すことが報告されています。
新しい論文のまとめを紹介します。
①
Croop R, et al. Oral rimegepant for preventive
treatment of migraine: a phase 2/3, randomised, double-blind,
placebo-controlled trial. Lancet 2021;397:51–60.
米国92施設で反復性片頭痛と慢性群発頭痛を対象に本物の薬と偽薬を使った研究が行われています。
結果として、rimegepant
の片頭痛治療薬としての有効性が安全性と共に確認された。同じ く CGRP 受容体拮抗薬である atogepant の片頭痛予防効果が最近報告されたが、慢性片頭痛患者にも
rimegepant の効果が実証された点は本研究の重要な所見だった。
②
Goadsby PJ, et al. Safety, tolerability, and efficacy
of orally administered atogepant for the prevention of episodic migraine in
adults: a double-blind, randomized phase 2b/3 trial. Lancet Neurol
2020;19:727–737.
CGRP
受容体拮抗薬 rimegepant および ubrogepant は共に片頭痛発作頓挫作用を示し、海外では既に片頭痛急性期治療薬として認可されているが、半減期が長いために予防薬としての効果も期待されている。本研究は、同薬の反復性片頭痛の予防作用を検討した試験である。
atogepantは反復性片頭痛の発作予防に有効であることが明らかとなった。トリプタンと異なり慢性投与されても薬剤の使用過多による頭痛 (薬物乱用頭痛)もひきこさないことも確認された。
何れのgepant製剤は急性期の痛みに対して内服で利用されているが、予防薬として使える可能性を示しています。
今年発売される抗CGRP抗体製剤が月1回の注射製剤なのに比較して内服で対応できるメリットがあり、大きなアドバンテージになると思われます。
またこのgepant製剤は薬物乱用頭痛を作らない薬剤であり、大変楽しみな薬剤と言うことになります。