2020年09月

マスク頭痛

 本日は患者さんからよく言われる「マスク頭痛」についてです。

 新型コロナ感染症で、自宅から出て行く際には「マスク」着用しないと行けない環境が半年以上続いています。恐らく、この状況はずっと続き、来年の今頃になっても同じような話しをしている可能性はあります。

 もちろん、新型コロナ感染症が収束して、マスクがいらない社会に戻ることが何より大事な事なんですが、実際問題まだその行方は不透明です。

 ではどういう点が「マスク頭痛」をひきおこしているのでしょうか?

 ①マスクをつける事への圧迫感
 マスクをつけることで、耳・鼻・口・顎などをtightに覆うことになりますので、どうしても着けている感覚が常時あり、常に圧を感じてしまう。ストレスになるなどが悪影響を及ぼしていると考えます。

 ②大気より少し酸素濃度の少なく、二酸化炭素濃度の濃い空気を取り込む
 このことがひいては脳血管の拡張をもたらし、片頭痛をおこす誘因になりかねないということです。またこの時期は直射日光の強さ、屋内と屋外の寒暖差などもあいまって頭痛をひきおこしやすい危険性があふれています。

 では、このような状況で「マスク頭痛」をおこさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

 ①マスクの長時間はめっぱなしを防ぐ
 まず、これにつきます。屋外で人が少なければマスクをはめる必要性はありませんし、屋内でも周囲に人がいなければ、どうぞ十分確認の上外しましょう~!

 ②努めて深呼吸しましょう~!
 働く環境、学生さんであれば授業中などでマスクをはずせないかんきょうであれば、定期的に深呼吸をするのをお勧めします。気持ちもre-freshされますし、酸素濃度も上がりますので、いい方法だと思われます。

 ③はめやすいマスクを選びましょう
 マスクをつけている違和感をなるべく感じないマスクを選ぶことも非常に大切です。我々医療者は布マスクというわけにはいきませんが、医療関係以外ではcool感を謳っているマスクや、fit感を謳っているマスクなど多彩な種類があります。
 自分がなるべくマスクをつけているのを忘れるようなマスク選びは大事なpointと思われます。


アルコール頭痛

本日は「お酒」と「片頭痛」についての関連性についての報告です。
外来でも「お酒」と「片頭痛」の関係性については聞かれます。

私自身は必ず「お酒」が悪影響を及ぼすとも思っていなくて、「片頭痛」をおこしやすい環境で「お酒」をのむことで「片頭痛」が引きおこされると思っていたので、同じような結果でしたので納得した論文と言えます。

「お酒」がストレス軽減に繋がり、「片頭痛」をおこしにくい要素もありますので、十分上手な「お酒」との付き合い方を学んで欲しいです。

著 者:
G. L. J. Onderwater

所 属:Leiden University Medical CenterNetherlands

雑 誌:European journal of neurology264,2019585-595

まとめ:アルコールが片頭痛を確実に引き起こすかどうか及びその理由はよく分かっていない。
しかし、片頭痛患者の多くはアルコールが重度の頭痛を引き起こす可能性があると述べ、アルコールを避けていることが調査により判明した。


片頭痛患者はアルコール摂取を片頭痛発作の引き金として関連付けることが多いが、患者の報告によると、アルコールを摂取しても常に発作が引き起こされるわけではない。

本調査の参加者の約36%が発作の引き金としてアルコール摂取を挙げた。これらの患者の3分の1は(アルコール摂取の)3時間以内に片頭痛を発症し、ほぼ90%の患者は10時間以内に片頭痛を発症した。患者の見積もりによると、約2杯のアルコールで発作を発症した。

それでも、赤ワインが引き金となったと述べた人のうち、赤ワインを摂取するたびに頭痛が引き起こされた、と述べた人は9%のみであった。
ウォッカが引き金となったと述べた人のうち、飲酒のたびに頭痛が引き起こされたと述べた人は11%のみであった。

この結果より、アルコールは片頭痛を起こしやすい人の約3分の1に影響を及ぼすと思われ、頭痛を引き起こすアルコール量及び頭痛を引き起こすのにかかる時間もさまざまであると著者らは述べている。

その原因としては、アルコール摂取だけが危険因子というわけではないが、ある片頭痛をおこしやすい状況(月経、ストレス、熱、特定の食物、絶食又は睡眠不足など)でアルコールを摂取することで引き起こさせる可能性がある。

リラックスした良い状態で好きなワインを味わう時より、引き金となる他の要因が組み合わさった場合に発作の可能性は高まると考える。


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