2020年04月

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皆さんの地域ではいかがでしょうか?

私のいる福岡県では毎日20-30人の新規の新型コロナウイルス感染症の患者さんがいて、合計500人を越えています。

そのため当院でも来院される患者さんが新患で5割。1日トータルで2割ほど減っています。

うちは内科ではないので、発熱の患者さんなどはいらっしゃらないのですが、不要不急の要件がないかぎり来院されないということだと思います。

飲食・ホテル・電車・飛行機など昨年比9割減などという業種もありますので、まだまだ恵まれているんだと感じております。

そんなこんなで学会・研究会が今年2月以降ほとんど中止・延期になっています。

例えば日本脳卒中学会は3月でしたが延期され、8月になりましたが、現状では中止の可能性が高いと思われます。

また、例年5月GW明けに行われる脳神経外科コングレスも8月に延期されてはいますが、これも開催はかなり難しいものと予測しております。

そういう状況で第48回日本頭痛学会総会ですが、11月の予定なんですが、現状ではどうでしょうか?!
そもそも医師が3密(密閉・密集・密接)である学会会場に缶詰状態で存在すると、クラスターになりやすく、なった場合は全国に散らばり、かつその医療施設の休止・閉鎖に追い込まれる状況になりますので、4月の段階で11月を想像するのもおかしいですが、なかなか現実的に開催は難しいものと推測しております。

もちろん、何よりもこの新型コロナウイルス感染症が収まっていくのが一番なんですが、ワクチンが使えない状況では、まだまだ難しいと思われています。

いろんな状況を鑑みても、早く収束することを切に切に願っている次第です。


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本日は「片頭痛」と「ハリ」の関係性についての論文の紹介です。
日本では埼玉医科大学の頭痛外来では針治療を積極的に行われていて、毎年の日本頭痛学会で話しを聞くのを楽しみにしています。
私自身の結論も一定の効果を認めるが、著明に改善する患者さんがいるのも事実だと思っています。

雑誌:BMJ (2020/3/26)

著者:Shabei Xu(中国・華中科技大学)

目的:前兆のない反復性片頭痛の予防において、マニュアル鍼治療は偽鍼治療や通常治療に比べ、片頭痛の発現日数や発作回数を抑制するか?

対象:年齢1565歳、脳神経内科医によって前兆のない反復性片頭痛と診断され、病歴が12ヵ月以上で、初発片頭痛が50歳以前に発症し、ベースライン期間の4週間に28回の片頭痛発作がみられ、マニュアル鍼治療が未経験の患者。

方法:マニュアル鍼治療、偽鍼治療、通常治療単独のいずれかを受ける群に221の割合で無作為に割り付けられた。
マニュアル鍼治療群では正しい経穴への鍼治療を
20回(130分)と通常治療。
偽鍼治療群では経穴とは異なる部分への偽鍼治療を
20回と通常治療
通常治療群では通常治療。

8週間行われた。施術は14人の有資格の鍼治療師が行った。試験期間は24週。

201665日~20181115日の期間に、中国の7施設で150例(平均年齢36.5SD 11.4]歳、女性123例[82%])が登録され、マニュアル鍼治療群に60例、偽鍼治療群に60例、通常治療群には30例が割り付けられた。最大の解析対象集団(FAS)は147例(それぞれ58例、60例、29例)であった。

主要なアウトカム:主要アウトカムは、ベースライン(無作為割り付け前の4週間)から割り付け後120週における4週ごとの片頭痛の発現日数および片頭痛発作の回数の変化とした。


結果:偽鍼治療群と比較して、マニュアル鍼治療群は1320週の片頭痛発現日数が有意に減少し、1720週の片頭痛発作の回数が有意に低下した。1316週の平均片頭痛発現日数は、マニュアル鍼治療群で3.5SD 2.5)日減少し、偽鍼治療群の2.43.4)日の減少と比較して改善効果が有意に優れた(補正群間差:-1.4日、95%信頼区間[CI]:-2.4~-0.3p0.005)。また、1720週においても、マニュアル鍼治療群では3.93.0)日減少し、偽鍼治療群の2.23.2)日の減少に比べ有意に改善した(-2.1、-2.9~-1.2p0.001)。


結論:マニュアル鍼治療群と通常治療群の比較では、120週を通じて、片頭痛発現日数および片頭痛発作の回数がいずれもマニュアル鍼治療群で有意に良好であった。

考察:これらの結果は、片頭痛の予防薬の使用に消極的、あるいは無効な患者におけるマニュアル鍼治療の使用を支持するものであり、今後、ガイドラインへの掲載を考慮する必要あると指摘している。


キアガード

本日は「キアガード」という薬についてです。

ネット情報をみると、今流行の「天気頭痛」のくすりという記載があります。
何もかもが新しい、今どきの薬なの?!と思われる方に

違います~!

「天気頭痛」と言われる頭痛の多くは「片頭痛」です。
「片頭痛」患者さんであれば、天気が悪くなる前に「頭痛」を感じたことはあると思います。

その天気が悪くなる前におこる「頭痛」に対してむくみを取る薬(=漢方薬の五苓散)を内服したら改善することがあるというのも、以前からよく言われていたわけです。

「片頭痛」を「天気頭痛」と名称を変えて、「五苓散」を「キアガード」と名称を変えて販売しているということです。

 こういう薬がでるたびに患者さんから「新しい薬」が、もしくは「いい薬」がでたんでしょう~?!
と尋ねられることが多くありますので、私もたまにはこういうネットサーフィン的なことで情報収集しないといけません。

 つまり片頭痛に対して「五苓散」という以前からある漢方薬を名前を変えて販売しているということになります。是非お間違えないようにして下さい。

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新年度が始まりました。
コロナ感染症の影響で入社式が取りやめになったり、入学式そのものがなかったり、また大学などではGW明けないと始まらない。もしくは当面WEBのみというものも少なくないようです。

3月は入学・就職などで最後の受診の患者さんも増えました。
新天地での病院選びは、いつも書いていますが、日本頭痛学会のHPで地域の頭痛学会専門医を調べていただいて、アクセス・HP閲覧などして受診先を決めていただくように話しています。

4月はそいうことで、よそで片頭痛でみていただいた患者さんが入学・就職などを機に当地へ転居となり、外来でfollow upしはじめることも増えていきます。

そういうことで新天地での環境変化・ストレスへの上手な対応が求められます。
その一番目が上手な医師との関わりかたかもしれません。

医者によって言うことが違う。
これもよく言われる言葉です。仕方有りません。人間が違うので、多少違いがあるのはしかたありません。それも踏まえて新しい先生との良好な関係作りが求められます。

二番目は周辺の環境・職場・学校となります。新たなストレスが引き起こされる可能性があります。
環境は時間が経過すれば慣れていきます。でも、人は難しいです。
いろんな人がいますもん。場所が変われば医者・人も変わります。

そうかこういう周辺環境と上手につきあって、頭痛のおこる回数を減らしていくことが大きなカギになってくると言えます。

これからおおよそ1年は新型コロナウイルス感染症との戦いが続きます。皆さんそう覚悟して下さい。
自粛疲れもありますが、どうぞ先を見て下さい。

コロナ感染症も病期ごとの治療方法がきちんと体系化され、ワクチンが須く日本全土に行き渡るまで、この戦いはしばらく続きます。

明けない夜はないので、人類全ての叡智をふりしぼって戦い抜かねばなりません。
がんばりましょう~!!

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