2018年09月

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最近、この抗CGRP療法の話しが多いと最近おしかりを受けました。(笑)

頭痛日記毎週更新しているわけですが、そんなにネタが続かない(笑)ということと、今は頭痛診療の目玉だからです。

アメリカでは5月に抗CGRP受容体抗体が発売され、ついに抗CGRP療法薬が発売されました。

恐らくこれは現在治験進行中ですので、日本でも2年後をめどに発売されることが予測されます。

現在、日本ではTeva社ではなく、大塚製薬が治験を進めています。

Teva社は世界的には大変大きな会社ではありますが、日本でのマーケットが小さいために、治験から発売は今後大塚製薬が委託して行われるものと思われます。

新しい片頭痛予防治療薬(抗CGRP療法)は名前がアメリカではAjovyという名前で発売されます。

日本で発売になったときには恐らく同じ名前が使われると思いますが、変更になるかもしれません。

投与方法は、皮下注射薬です。
この抗CGRP療法は全て皮下注射によって行われます。

1ヵ月に1回225mgもしくは3ヵ月に1回675mgの投与です。
日本では低用量・高用量の2つの用量での治験が行われています。

概要がHPにupされています。
https://tevapharm.com/news/teva_announces_u_s_approval_of_ajovytm_fremanezumab_vfrm_injection_the_first_and_only_anti_cgrp_treatment_with_both_quarterly_and_monthly_dosing_for_the_preventive_treatment_of_migraine_in_adults_09_18.aspx

何れにしても楽しみな薬です。

日本での治験がsmoothにいき、順調に発売されることを楽しみにしています。


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本日は話題の抗CGRP療法に関する最新の研究論文です。
アメリカでは今年5月に発売になり、日本でも着々と治験が進み、再来年の発売を予定しています。
さてそんな抗CGRP療法についてお届けします。

まとめますと、このこ抗CGRP療法をしていると、発作性片頭痛患者の頭痛回数を減らすだけでなく、頭痛がない日のパフォーマンスも改善させる効果ありますという論文になります。

表 題:Fremanezumab for preventive treatment of migraine. Functional status in headache free days.

雑 誌:Neurology(2018) Aug 17.

著 書:Dr. Vanderpluym J. et al     所 属:Mayo Clinic

目 的:FremanezumabはCGRP抗体で、発作性片頭痛 および慢性片頭痛患者の発作予防効果が証明されている。 本研究では、頭痛を認めない日における仕事、学業、家事を行う上での機能性が評価した。

対象と方法: 発作性片頭痛患者の対象者は、225 mg投与群96名、675 mg投与群97名、プラセボ投与群104名で、慢性片頭痛患者の対象者は、675 mg→225 mg (675/225 mg)投与群88名、900 mg投与群86名、プラセボ投与群89名であった。
電子ダイアリーを用いて、仕事、学業、家事を行う能力や機能性についての質問に対して、正常、50%未満の障害度、50%以上の障害度の3段階で回答を得た。さらに、作業への集中度、精神的疲労度についても質問を行った。

評価方法と期間:3ヵ月間検討した。
発作性片頭痛患者では、頭痛を認めず、かつ仕事、学業、家事が正常に行える日数は投与1ヵ月から3ヵ月のすべての時点においてプラセボ群に比較していずれのFremanezumab投与群でも有意に多かった。 また、作業に時間がいつもより時間がかかる、集中困難である、とても疲れる、眠い、あるいは疲れ果てているといったような症状を訴えることがない日数についてもプラセボ群に比較してFremanezumab投与群で有意に多かった。
慢性片頭痛患者では、900 mg投与群においては発作性片頭痛患者と同じようにプラセボ群に比較して有意差が認められた。 しかし、675/225 mg投与群では、家事が正常に行える頭痛のない日数と集中力困難なことが全くない日数に関してのみプラセボ群と有意差が確認された。 一方、仕事、学業、家事を行う上で50%以上の障害度がある、あるいは集中困難を認める頭痛のない日数については、わずかではあるがプラセボ群に比較して上昇の程度が高かった。

結 果:  本研究は、発作性片頭痛と慢性片頭痛患者の頭痛を認めない日における作業能力を改善させる作用がFremanezumabにあることを証明した。
同薬に関しては、プラセボに比較して、頭痛を認める日数や片頭痛を認める日数の減少効果や安全性に関して優越していることは既に報告されていたが、今回の結果は発作間欠期おけるパフォーマンスの改善にも寄与することを明らかにしたと言える。
しかし、そのような効果は、発作性片頭痛患者に対しては一定の効果がみられたが慢性片頭痛では675/225 mg投与群では不十分であったことから、慢性片頭痛では頭痛を認めない日であっても、作業を行う上での機能性を保つことが困難であることが浮き彫りとなった。
考 察:これまでの片頭痛予防薬は、頭痛には効果があっても、副作用のために発作のない時期に仕事や学業に悪影響を及ぼすといったことがしばしば問題となった。Fremanezumabは中枢神経系にほぼ移行することがないため、そのような悪影響が少ないと推測する。
これについては、より多くの症例解析や長期観察が必要である。 また、発作間欠期における効果は、発作回数を減らしためか、あるいは中枢神経系の機能を持続的に変えたためかという点も重要である。抗体は一般に血液脳関門を通過しないため、三叉神経血管系の神経伝達をブロックすることが、中枢神経機能を変化させる可能性も考えられる。

いろんな意味で抗CGRP療法は楽しみです。


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本日は最新の研究論文からのこのテーマです。
いぜんから片頭痛患者さんは子宮内膜症の発症率が高いことが知られていて、実際外来の患者さんでたくさん片頭痛x子宮内膜症という患者さんはおいでになります。

そのために低用量ピルを使用されたり、はれて結婚・出産までこぎつけたりする人もいます。

今回は思春期の子宮内膜症と片頭痛の関連性についての報告になります。

雑 誌:Fertil Steril. 2018 Apr;109(4):685-690

著 者:Miller JA

所 属:Boston Center for Endometriosis, Boston Children's Hospital and Brigham and Women's Hospita

目 的:著者らは、外科的に診断された思春期の子宮内膜症患者の片頭痛有病率を、子宮内膜症がない対照群と比較する横断研究を行った。

方 法:片頭痛の診断は自己報告に基づいた。11段階の痛みの評価スケール(NRS)により、片頭痛と非月経時の骨盤痛の重症度を評価した。

結 果:
(卞痛の経験頻度は対照群の30.7%に対し、子宮内膜症群では69.3%と有意に高かった。
(多変量オッズ比4.77、95%CI 2.53~9.02)。

∧卞痛の評価スケールが1段階上昇すると、子宮内膜症の有病率は22%増加した。
(同1.22、1.03~1.44、傾向性のP=0.02)。

子宮内膜症患者では、初経年齢が片頭痛と逆相関関係を示した。

せ匍榮睨貍匹畔卞痛の合併患者は、片頭痛がない子宮内膜症患者よりも月経困難症の頻度が高かった。

片頭痛は頭が痛くなるだけでしょう~?!と言われる人がいます。
自分が片頭痛でない人で、実際片頭痛がどれほど大変かをわかっていない人です。

片頭痛は痛みのレベルもかなり強く、更には随伴症状として全身の多彩な症状を併発されることが知られています。
子宮内膜症もその一つで、月経の出血量が多かったり、月経困難症を抱えたり大変な病気と言えます。

今回は対照群と分けて、データをあきらかにしたという大きな意味があります。思春期でなにがしかのトラブルを抱えても婦人科受診まで繋がらないケースが多く、そういう意味ではきちんと婦人科受診につなげていく必要を感じました。



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本日は片頭痛研究会に出席してきましたので、その話題です。

「レルパックス」というファイザー社が出している片頭痛の薬があります。

そのファイザー社が2006年から毎年、この時期に行っている片頭痛の研究会です。

実は「レルパックス」。今年ジェネリックの製造承認が8月におりました。
早ければ12月に待望のジェネリックがでます。
現在、レルパックスは900円弱すると思いますが、300円台の金額でジェネリックがでることが予想されます。
現在、最も売れているジェネリックですので、5社から発売が予定されています。

金額的には随分安くなります。患者さん的には効果は同じであれば、値段が安くなるのは大変ありがたいことです。

さて、そういうこともあって、この研究会は今回が最終回ということです。

今回のテーマは「心理社会的要因の関与する頭痛へのアプローチ」というセッションで心療内科の先生で片頭痛に対しての経験も大変豊富な東邦大学教授の端詰先生のお話を聞いて、更にsmall groupでdiscussionしてきました。

心療内科の先生のアプローチは我々とはひと味もふた味も違っています。
「患者さんを主役にした片頭痛治療」ということのようです。

一人一人アプローチは違っていい。相手を重箱の隅においつめるようなことはしてはいけない。

我々は頭痛の専門家であり、一人一人の時間も限られていて、ややもすれば自分のやり方を相手に押しつける的なことになりがちです。それではいけないよということなんです。

常に患者さんが主役である。そんな全人的な医療をというお話をいただきました。

1例1例自県例をあげられ、このような際にはどのように患者さんにアプローチするか、そうして決してやってはいけないことなどを教えていただきました。

患者さん患者さんで考え方も違うように、アプローチも違います。
やっちゃいけないといわれたことが正解で、こうしたほうがいいということが結果間違いだったということもあると思います。

しかし、端詰先生のおっしゃる「患者さんを主役にした片頭痛診療」を心がけたいと思います。

大変勉強になりました。



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