2018年03月

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本日は群発頭痛の患者さんのお話です。

今年の冬は寒い時期がながく、3月になっても暖かい日がすくなかったのですが、ここにきて急に春めいてきました。
そうなるとでてくるのが群発頭痛の群発期です。

先日こんな患者さんが来院されました。
前回・前々回と群発頭痛がおこりました。

1回目の群発期に最初受診した病院では片頭痛と診断され、トリプタンが処方されました。
結果として2時間くらいで効果があるのはあるのですが、その2時間は苦しくてたまらない。夜、睡眠不足で翌日の仕事にも影響があって大変だったとのことでした。

そこから1.5年して2回目の群発期を迎えました。
違う病院に行こうということで、次は脳神経外科の診療所を受診され、そこで初めて群発頭痛と診断されたとのことです。
しかし、処方されたものは1回目の病院と同じトリプタンだったようです。

そこで患者さんはインターネットなどで検索してイミグランの自己注射という治療方法を知って、私の所に受診されました。
予診票にも群発頭痛なのでイミグラン自己注射を処方して欲しいと書いてありました。

診断がついて、以前から自己注射をしていて、転居されてこちらに来たのかな?と思って患者さんを拝見したのですが、上記したような経過で当院までたどり着かれたようです。

群発頭痛の問題点は
“羈單典型的な症状で、専門医であれば診断間違うことはない疾患であるが、経験のない先生方にとっては診断できないケースが見られるということです。

△燭箸┸巴任ついてもイミグランの自己注射という選択肢を出してもらえないという患者さんがかなりいらっしゃることです。

イミグランの自己注射の効果は、現時点の群発頭痛治療においては最高かつ最短で効果をだす最高の治療方法です。しかし、自分で注射をうたないといけない煩雑さや、注射が苦手な患者さんは使いにくく、また値段も高いために躊躇されるケースもみられます。当院でも9割は自己注射ですが、種々の理由によって点鼻や内服を希望される患者さんがいらっしゃるのも事実です。

しかし、イミグラン注という選択肢を与えられないと選ぼうにも選べないということになります。
現在はインターネットで情報を得ることが簡単ですので、このような事例も少なくないのが下円実です。

やはり、まだ群発頭痛には高い壁があるようです。

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本日は熊本市民病院神経内科部長の橋本洋一郎先生の興味ある文献を交えた文章からです。

橋本先生には実は大変お世話になっています。
まず熊本で働いていた時代、出身大学も全く別、面識もない中で講演会で呼んでいただいたりしましたし、実は頭痛専門医になる際に推薦状を書いていただきました。また、昨年頭痛学会の評議員になる際にも推薦状を書いていただいた先生です。

今回、デンマークの全ての病院と病院外来クリニックで行われているデンマーク全国患者登録に1995〜2013年に登録された片頭痛患者5万1,032例と年齢、性、暦年をマッチさせた一般集団51万320例を解析対象とした一般集団ベースのコホート研究で

/感攅失鼻´脳卒中(虚血性と出血性) K?親位疾患 だ徒血栓塞栓症 タ緩失抛阿泙燭録緩質篤亜´心不全のリスクが検討された(BMJ 2018; 360: k96)。

結果:心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓塞栓症、心房細動・粗動のリスクが増加
 19年間のフォローアップ期間における1,000例当たりの累積発生件数(片頭痛群 vs. 一般集団群)は
/感攅失鼻25件 vs. 17件) 虚血性脳卒中(45件 vs. 25件) 出血性脳卒中(11件 vs. 6件) に?親位疾患(13件 vs. 11件) ダ徒血栓塞栓症(27件 vs. 18件) 心房細動/心房粗動(47件 vs. 34件)Э管堊粥19件 vs. 18件)

本研究は一般集団ベースのコホート研究で、長期の完璧なフォローアップ研究である。
片頭痛は短期間でも複数の心血管疾患の発症リスクが増加し、長期にわたって継続することが明らかとなった。
ただし若年者を対象とした本研究では絶対的なリスクは低かった。
男性よりも女性、前兆のない片頭痛よりも前兆のある片頭痛で関係は強いという今までの報告と同様であった。

ここまでは、研究論文の結果です。
最近の片頭痛研究では概ね血管性疾患の危険性が高いという報告が大半であり、今回の報告もその内容となっていました。

ここから橋本先生の感想なんですが、ここが興味深いのです。
ここからでも読んでくださいという感じです。
我々のような頭痛を専門とする医者だけでなく、一般の先生にも呼んで欲しいという希望が入っている文章です。

 片頭痛は、まず小学生時に車酔いが始まり、一部が腹痛発作(腹部片頭痛)を繰り返し、中・高生時に発症する。
めまいを伴ってきたり、一部の症例が心血管疾患を発症する。頭痛発作時には悪心・嘔吐などの消化器症状を呈する摩訶不思議な疾患である。

「摩訶」とは"非常に"という意味でも使われるが、本来は"人知を越えた素晴らしさ"を意味するという。
片頭痛は、ただ単に頭が痛くて寝込む疾患ではなく、多くのことを教えてくれる摩訶不思議な全身の疾患と理解し、診療に当たっていただければと思っている。

 「片頭痛」=頭が痛くなる疾患だけというわけではなく、全身に・メンタルに・血管性の疾患に・消化器症状にもちろん神経系の疾患でもある、摩訶不思議な疾患ということです。

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本日は最新の研究論文からのお話です。

成人の救急の頭痛と言えば、くも膜下出血・脳動脈解離・下垂体卒中・静脈洞閉塞症など命に直結するケースが多く、診断は慎重にならざるをえません。

では小児ではどうでしょう?
通常は外傷意外では命に直結するケースは殆ど経験しないのが一般的です。


雑 誌:Cephalalgia(2017)10.1177

著 者:Rossi R, et al.

方 法:イタリアのレジーナマルゲリータ子供病院の救急部に非外傷性頭痛で受診した18歳以下のすべての患児を後方視的に調査した。

結 果:1833人(男児54.6%、年齢9.68±3.18歳)が計2086回、救急部に受診した。
一次性頭痛が62.1%、二次性頭痛が30.0%、 曖昧な診断が7.8%であった。

二次性頭痛では感染症(特に上気道炎)が88.3%と最も多く、次いで神経疾患(痙攣など)が3.9%、精神疾患2.7%、中毒(一酸化炭素など)が0.6%、高血圧性が0.3%であった。

二次性頭痛のうち24人(総受診の1.1%)が重篤な疾患であると診断され、内訳は二次性頭痛のうち脳腫瘍が1.1%、頭蓋内感染症が1.1%、脳血管性障害が0.7%であった。

重篤な頭痛の臨床的に危険な徴候は、脳神経麻痺、眼位異常、失調および傾眠であった。

188人(8.8%)が画像検査を受けた(異常所見率7.1%)。患児の37.2%が鎮痛療法を受け、最も多い処方薬はアセトアミノフェン63.7%、次いでイブプロフェン26.2%であった。

結 論:これまでの報告通り、小児救急部では一次性頭痛が大半で、二次性頭痛の原因としては急性上気道炎が最も多かった。 画像検査の目的は、本人や家族の不安を取り除く意味合いが成人よりも強いが、放射線被曝や情報量の多さからMRIが優先されるべきである。 片頭痛を始めとする一次性頭痛は反復することが多く、不要不急の救急受診を減らすため、頭痛センターや頭痛外来との連携し、患者教育などを行うことも重要である。

ごもっともな報告です。

日本でも幼少期の子どもさんに、どこまで頭部CTをおこなうか、新しく古い課題です。
日本は諸外国よりCT・MRI検査の充足率が高く、ほぼ救急を謳っている病院であれば準備されています。
MRI検査は健康被害がないので、いいのですが撮影に10-20分かかりますし、年齢で撮影できないケースもあります。
CT検査は1分程度で可能ですが、放射線被曝という問題が常につきまといます。

多くの臨床の現場ではご家族の納得と主治医の納得という意味でもCT検査が行われることが多く、毎日の臨床をみている私にとっても仕方が無いことだと考えています。

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本日はこのお話です。
毎年2月22日は「頭痛の日」です。

毎年、日本頭痛教会がスローガン?を募集してポスターを作成します。

今年は「片頭痛を予防しよう」~効果的に薬を使おう~です。

当院にもポスター掲示していますが、今年は少しimpactが薄いのか?!患者さんの感想がありません。

ちなみにこの5年間は

2017年「頭痛は危険を知らせる警報器」

2016年「薬剤の使用過多による頭痛を防ごう」

2015年「頭痛の芽を摘もう」

2014年「機嫌が悪いんじゃないんです。頭が痛いんです」

2013年「頭痛をもっと知ろう」

でした。何れも日本頭痛協会のHPが検索できますので、ご覧下さい。
大変impactのあるポスターに仕上がっています。

私自身はfacebookでまたこのブログで毎年upしているのですが、なかなか認知度が低いのが現状です。
他の先生方もfacebook・blogでも取り上げてくれています。

また頭痛で有名な先生がTVなどで告知していただくと、一気に知名度が上がるのにと思う今日この頃です。

来年は今年以上にimpactのあるポスターになればと思っております。

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本日は2月25日渋谷ヒカリエで行われた頭痛の研究会に出席したお話です。

 最近はいつもお話ししていることなんですが、現在全国で行われている抗CGRP療法の治験が変ず通信料の中心的な役割になると考えられていて、抗CGRP療法以外の片頭痛治療については、あまり盛り上がらないというのが現状のようです。

 毎年、東京マラソンが行われる2月の最終週にある頭痛フォーラム2018に参加してきました。今回が第14回目でした。一度だけ不参加でしたが、それ以外は毎年参加しています。

 今年は古くて新しいテーマなんですが、片頭痛とてんかんの関係性についてだったり、認知症と頭痛の関係であったり、間違えやすい頭痛の鑑別方法であったりと盛りだくさんでした。

 片頭痛の予防療法にデパケンが使われるのは一般的です。世界的に見ても、日本全体でみても圧倒的にデパケンを片頭痛の予防療法につかう先生が多いと思われます。

 デパケンはてんかんの薬としても有名です。医療関係者で片頭痛の患者さんに予防療法としてデパケンを使うと話すと怪訝そうな顔をされます。2011年までは保険適応がなかったので特にそう思われていました。現在はインターネットで調べてもデパケンはてんかん・片頭痛の薬として認知されていますので、安心して話すことができます。

 私も含めて多くの頭痛専門医は片頭痛では脳波の検査は行いません。確かに予防療法としてデパケンを使う場合には、使用前後で脳波検査をしてみて、使用効果と脳波上の変化を確認するのは大事な事だと思いますが、一般的には全くやりません。

 いつも話題の東京女子医大の清水先生はデパケン使用前後で脳波の検討をされていて、その話しも興味深く聞かせていただきました。アメリカなどでは、もっと多くの頭痛専門医が脳波の検討をしているようです。

 日本では、一部のてんかん専門医やてんかんを専門にしている医療機関を覗いて、なんとなく脳波について学ぶだけで、系統立てて学ぶ機会が少ないように思います。今の多くの神経内科・脳神経外科・精神科・小児科では脳波判読が普通の出来事ではなく、一部のspecialな人のできる職人技になってきています。

 そういう意味では片頭痛に脳波というのは、少し革新的な考えだなあと思った次第です。

 いかに目の前の患者さんの症状をとってあげるか、全ての能力・全ての検査・全ての薬剤を上手に使うことは、これからも我々頭痛専門医の使命なのだと思われます。

 「頭痛は奥が深いです。」 頑張ります!!

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