2018年02月

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本日は最新の研究論文の話しです。

以前から片頭痛は脳梗塞の危険性が一般的に高いと言われていて、以前は生命保険の加入を断られるケースもあり日本頭痛学会でも大事な問題として緊急アンケートが行われたりしたこともありますが、今は概ねこの点については落ち着いたようです。

いずれにしろこのような研究論文はいくつも出されてきていますが、近年はriskが高くなると言う報告が圧倒的に多いようです。

著者:Dr.Kasper Adelborg

所属:デンマーク・オーフス大学

雑誌:BMJ(2018/1/31)

目的:片頭痛患者と一般集団で心血管疾患リスクを比較

対象:1995~2013年に、デンマーク全国患者登録に記録された片頭痛患者5万1,032例と、年齢、性別、暦年をマッチさせた一般集団51万320例が解析の対象となった。主要評価項目は、Cox回帰分析に基づく、併存疾患としての心血管アウトカムの補正後ハザード比(HR)とした。

結果:
  片頭痛群の診断時の年齢中央値は35歳(IQR:22~47)であり、全体の71%が女性であった。
   片頭痛群は、わずかに心血管疾患リスク因子や併存疾患が多かった。

  フォローアップ期間19年時における心筋梗塞の累積発生件数(1,000人当たり)は、
片頭痛群が25件、一般集団は17件
虚血性脳卒中はそれぞれ45件、25件
出血性脳卒中は11件、6件
末梢動脈疾患は13件、11件
静脈血栓塞栓症は27件、18件
心房細動/粗動は47件、34件
心不全は19件、18件

  片頭痛群は一般集団に比べ、
心筋梗塞(補正後HR:1.49、95%信頼区間[CI]:1.36~1.64)
虚血性脳卒中(2.26、2.11~2.41)
出血性脳卒中(1.94、1.68~2.23)
静脈血栓塞栓症(1.59、1.45~1.74)
心房細動/粗動(1.25、1.16~1.36)
と片頭痛群で有意な関連を示した。

  末梢動脈疾患(補正後HR:1.12、95%CI:0.96~1.30)
心不全(1.04、0.93~1.16)
上記の2つの疾患では、片頭痛との意味のある関連を認めなかった。

まとめ:
  静脈血栓塞栓症と心不全を除く5つの心血管疾患については、前兆のある片頭痛群は前兆のない群に比べ危険性が高い。   また、前兆のある片頭痛群は心筋梗塞、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、静脈血栓塞栓症の長期リスクとの関連が認められ
た。

  片頭痛と心血管疾患の関連は、女性が男性よりもやや強かったが、男女とも長期に持続しており、全般に加齢に伴って減
   弱した。また、予想どおり、若年層ではすべての心血管疾患の絶対リスクが低かった。さらに、喫煙とBMIを加えて補正
  しても、片頭痛と心血管疾患の関連は保持されていた。

確率としてはさほど高いわけではないものの、若年性脳卒中を考えると片頭痛患者さんではriskが少し高いというのは、常識化されつつあるなあというのが最近の研究論文の傾向です。

更に研究が進み、逆の結果が出るようなこともあるかもしれません。

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今回の話しは私の個人的な感想です。
ですから一般的にそのように言われているかと尋ねられたら必ずしも・・・という話しではありますのでご注意下さい。

片頭痛患者さんは比較的血圧が低い人が多いのは周知の事実です。

ところが、女性で40歳代になってくると徐々に徐々に血圧が上がっていくことを経験します。
高血圧は「silent killer」と呼ばれていますので、血圧を測らない限りわからない。気づかないものでもあります。

血圧が徐々に上がっていくと、片頭痛の頻度はあまり変わらないまでも程度が強くなることがよく経験されます。

例えば普段の血圧が110mmHgの片頭痛と160mmHgの片頭痛では、後者が片頭痛の程度は強くなる傾向にあります。

高血圧はWHOの基準では140/90mmHgを越えると高血圧と診断されるわけですが、もちろん越えたらすぐに降圧剤を内服しないといけないというわけではありません。

私は個人的には年齢・既往歴の有無・家族歴・体格などを参考にして降圧剤投与を検討します。
しかし常時160mmHgを越えるようであれば内服を勧めています。

片頭痛で高血圧があれば血圧の管理がよくなっていく場合には片頭痛の程度が軽減されます。明らかに痛みが軽減されるのです。これは耳鳴りの患者さんでも血圧が下がっていくと耳鳴りの程度が楽になることが多いのによく似ています。

血圧をさげる場合には、たくさんの降圧剤の種類があるのですが、その中でARBという機序の薬剤を使うと片頭痛の程度・頻度が下がることが知られています。

具体的な薬剤名で話しますとブロプレス・オルメテック・ニューロタン・ミカルディス・アジルバなどという薬剤名の薬がARBと呼ばれている薬剤になります。

現在、降圧剤服用中で片頭痛の程度・頻度が多くて困っていらっしゃったり、あまり満足いかないようなケースでは、降圧剤の種類がARBでない機序の薬剤であればARBに変更するのも一つの方法です。

そして、その際の目標血圧も一般的には少し低めの値を目指すように投薬量をcontrolしていただければ片頭痛の程度・頻度が軽減するようです。

是非、検討して下さい。

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本日は小児の頭痛に対する根本的な考え方についてお届けいたします。

当院でも小児の頭痛患者さんを拝見することは多く、近隣の小児科の先生からご相談していただくこともよくあります。

多くは本人というより、ご両親が脳の病気に対する不安があって、MRI検査などで明らかにして欲しいという目的が多いのですが、中には頻回な頭痛でというケースもあり、そのようなケースでは治療に難渋することも珍しくありません。

私は、懇意にしている神経疾患を専門にしている小児科の先生で、頭痛をよくみていらっしゃる先生から「二次性徴を迎える前の小児の頭痛については、小児科でみてあげるのがトータルに考えればbetterではないか。先生達(我々のような小児科以外の頭痛専門医を指す)が通常診ていただいて、うまくいかないケースはbackgroundに家庭環境・メンタルな要因・発達障害・全身性の諸問題などがあるケースが往々にしてあるので一度小児科にご相談下さい」と以前に言われたことがあった。

この言葉は常に肝に銘じてあり、スタンダードな治療でうまくいくケースでは自分自身でみていますが、スタンダードな治療が功を奏しないケースでは、そのような小児科の専門医にご紹介するようにしております。

例えば不登校であったり、起立性調節障害であったり治療らしい治療がないものもよくよく経験します。また逆に気がつかれなかった消化器疾患だったり、内分泌疾患が隠れていることもあったりして、ハッとさせられた事もございます。

うまくいくケースでは、本当に片頭痛なくなったんじゃないかと思う事にもでくわします。
小児の面白いところでもあります。また、逆に深いトンネルで出口が見えないと思う事もありますが、長い目でみて少しずつ明かりがともすことも多く経験し、大変難しいところでもあります。

小児の頭痛   奥が深いです。 難しいです。  日々勉強です。

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本日はタイトル通りの話しになります。

本日から2月の始まりです。

先週から今週にかけて診察していて気がつくことは、「先生・そろそろ花粉症の時期になりますから、いつもの薬を下さい。」です。この言葉を何人にも聞きました。

そうなんです。今年は冬の寒さが厳しく「花粉症」などと思いもしないわけなんですが、もう2月なんです。
花粉がもうすぐ飛び始めます。

今年の花粉の飛散状況についてはウエザーニュースなどで予報がでていますが、例年より多いのではと予想されています。

寒さが厳しくて、急にあったかい日が続くと一気に花粉が飛散していくことが予想されます。

異本的に花粉症は症状が起き始める前からの服薬が勧められます。
早めの内服が症状の緩和に繋がるからです。

それと片頭痛患者さんで花粉症もちであれば、花粉症の治療がうまくできないと片頭痛が頻発することがあります。

以前も書きました。片頭痛をおこす神経は三叉神経です。

鼻の粘膜を支配しているのも三叉神経です。

花粉症になると常時鼻の粘膜が炎症をおこします。そうなると三叉神経も常に刺激を受けて、片頭痛をおこすハードルが下がるのだと思われます。ですから、三叉神経のハードル(閾値)をあげるために花粉症の治療が必要なんです。

残念ながら片頭痛患者さんではアレルギーを持っている患者さんの割合が多いのです。
ですから花粉症の割合も多いのです。

ですから毎年花粉症で治療される患者さんは、花粉症が起こる前から早めの抗アレルギー剤内服が勧められるのです。

片頭痛&花粉症の皆さん。まだ遅くありません。抗アレルギー剤を内服しましょう~!

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