2017年04月

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本日は最新の研究論文からです。
片頭痛と脳梗塞の関係を調べた論文は多く、最近では片頭痛患者さんは脳梗塞のリスクが少し高いものの、無症候性と言って症状を呈しない脳梗塞が多いという報告が多く、脳梗塞のリスク管理が大事だと言う話になっています。

今日は頭痛 X 認知症の話になります。

雑誌:The American journal of the medical sciences(2017/3)

発表者:Dr.Nian-Sheng Tzeng(Taiwan)

対象:2000年1~12月に片頭痛および緊張型頭痛を含む原発性頭痛と新たに診断された患者3,620例と、性別、年齢をマッチさせた対照群1万860例を、台湾の全民健康保険データベースより抽出した。

10年間の追跡期間中における認知症発症リスクの比較には、交絡因子を調整した後、Fine and Gray’s競合リスク分析を用いた。

結果:
仝業性頭痛患者では170例(4.70%)が認知症を発症し、対照群では433例(3.99%)が認知症を発症した。
原発性頭痛患者は、認知症を発症する可能性がより高いことが明らかとなった(HR:2.057)。
性別、年齢、月収、都市レベル、住居地域、併存疾患で調整した後、認知症に対するハザード比は2.048であった。
な卞痛および緊張型頭痛は、非血管性認知症との関連が認められたが、血管性認知症との関連は認められなかった。

これは、前向き研究で統計学的にそういう傾向であり、著者らはいくつかの考察を行っているものの、理由はあまり定かではないようです。

私は頭痛患者さんが他の頭痛ではない患者さんに比較して医療機関を受診する機会が多く、CTやMRIといった頭部画像検査を行う頻度も増え、かつ認知症を診断しやすい環境になりやすいからではないかとに考えています。

以前も日本の高名な脳外科医が頭痛持ちは脳の病気が多いと安易にTVで話したところ、ある学会でそのTVの発言を受けて、疫学的にそのようなデータはないと内科の教授が話しておられました。
自分の印象ではそうなのかもしれませんが、大きなデータで考えると、なかなかそうも言えないことが多いように思います。

でも、頭痛持ちの人にとっては、あまりいい話ではないです。

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本日はタイトル通りの話です。
毎日毎日頭痛の患者さんをみていますと、「事実は小説より奇なり」と思う話に出くわします。

60歳代の女性の方です。
以前から頭痛もちでした。家の中に置き薬があって、ある日からその中の鎮痛剤を内服するようになり、気がつくと毎日内服するようになっていたようです。

朝から頭がスッキリしないので、内服する。内服したからと言ってスッキリするわけではないですが、気がつくと毎日飲んでいます。最近は頭痛で目が覚めることもあリます・・・。

ここまで書けば「薬物乱用頭痛」なんだ?!と思っていただけると思いますが、当の本人は気づいていない。
頭の病気を心配されて来院されたわけです。
ここまではよく外来で出くわす話なのですが、この患者さん受診までに少し時間がかかっています。

それには理由がありまして、置き薬は定期的に中身の交換・補充があります。
そのスタッフに自分が毎日内服している事への不安を口にした際の返事がタイトルのような返事だったようです。
そう言われていたので安心して内服されていたために受診が遅れたとのことです。

置き薬の補充に来る若いスタッフは結構頻繁に人が変わられるようですが、来るたびに尋ねても同じような答えだったと言うことです。私自身は、そのスタッフを責めるつもりもなく、薬に対しての知識のない人に尋ねても適切な答えが返ってこないのは仕方ないものと思います。
同じスタッフに何度も同じ質問をすれば、また変わったのでしょうがスタッフは毎回のように変わるので、それほどの重篤感を感じず、患者さん自身もなんとなく安心してズルズルと時間がたっていったんだと思います。

内服していた置き薬の内容成分を考えると
ナロン・セデス・セデスV・セデスHi・サリドンエースという商品とほぼ同じような構成成分になっています。
やさしい薬という表現はなかなか微妙で、何に対してやさしいのか?
胃にやさしいのか? 懐にやさいいのか?
考えれば考えるほど判断に悩む表現です。

効能・効果としては通常のドラッグストアに置かれた鎮痛剤とさほどの違いがありませんので、当然毎日内服すれば薬物乱用頭痛になってしまいます。効能・効果的にはやさしい薬ではありません。きちんと効く薬です。

セルフメディケーションが叫ばれる時代ですが、いかなる鎮痛剤であろうとも飲み過ぎは必ずリスクを伴うのです。


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今日はこんな意味深なタイトルにしました。
これは頭痛の患者さんを外来で拝見する際によく口にする言葉です。

そもそもこの言葉は野球の野村監督の座右の銘として有名になりましたが、本来は「剣術の達人」といわれた肥前平戸藩の第9代藩主 松浦 清(静山)の剣術書「剣談」の中に記載されているようです。


少し話が飛びましたが、何を言いたいかというと、定期的に片頭痛がおこっている患者さんで、時に調子がいいときや悪いときが必ずきます。その際に必ずこの「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉を使います。

つまり、調子がよくてお薬をあまり内服せずにcontrolできる時があります。いろいろ考えてみて原因がわかることもありますが、わからない事も多々あります。あまり考えすぎても結局、わからないままなので、それでOK!と割り切っていいですと話します。 「勝ちに不思議の勝ちあり」なのです。

ところが調子が悪いのが続く。薬を内服しても頭痛が上手にcontrolできないことがあります。
原因は体調・天気・月桂・精神的なストレス・疲労・睡眠時間・・・・。いろんな理由があるとおもうのですが、やはり悪いときは悪い理由をとことん考えるべきなのです。必ず理由があるのです。

そうです。「負けに不思議の負けなし」なんです。

そこをきちんと追求できないと、また同じ過ちを犯します。

例えば頭痛自身をなくすことはできませんが、早く内服することでcontrolをよくしたり、内服しないでいい時に内服して後悔したりすることを防いでくれたりすると、意外にうまくcontrolできるようになるものなんです。

ですから、自分の思った以上に頭痛が多くあって、かつ内服controlが悪いときには、必ず立ち止まって、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉を思い出して、原因追及に勤めていただきたいと日々お話ししています。

簡単ではありませんが・・・・。


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さて本日は珍しく群発頭痛の最新の研究論文のお話です。

群発頭痛は、緊張型頭痛や片頭痛に比較して有病率は低いものの、その独特な臨床症状と痛みの辛さで大変有名な疾患です。
今回はデンマーク頭痛センターに群発頭痛で登録されている患者さんを対象にて疫学調査の論文です。
351人の患者さんからの解析だけに大変興味深いデータがでています。

当院でも群発頭痛は名前をリストアップしていますが、60人くらいしかいませんので、このような立派な解析はできません。
ただ、今回の結果は自分が思っていたような結果になっているのは間違いありません。
一番納得は、女性の方が群発期の回数が多く、期間は短いというところです。

ある女性の患者さんが1日にイミグラン注射を4回使うのです。
イミグラン注射は1日2回がmaxなので、やり過ぎです。当然、本人も知っているのですが使わずに朝が迎えられないというのです・・・・・。

雑誌:Neurology 2017;88:1069-1076.
著者:Lund N,(デンマーク頭痛センター)
タイトル:群発頭痛患者さんの疫学調査

結果:
①男性67%・女性33%
②発症の平均年齢は31.6歳
③群発頭痛の慢性化率:男性35.9%・女性44.0%
④発生のピークは4つある。男性の方が1時間早い。
⑤群発期・憎悪期は秋の終わりから冬の初めで、6月が最も少ない。
⑥1日あたりの発作回数・平均頭痛強度・発作時間に男女差なし
⑦男性に比較して女性の方が群発期の回数が多く、群発期間は短い傾向にある。
⑧群発頭痛と診断される前に誤診されることが約半数にあり、女性が誤診される割合が高い。
⑨群発頭痛と診断されるまでに発症から6.2年をい要する。
⑩女性群発頭痛患者の20.7%に片頭痛が共存している。

一番の驚きは女性の群発頭痛患者の20.7%に片頭痛が共存していることでした。
こんなにいるんだ~と正直驚きました。

今回のデータは早速自院のデータにフィードバックして患者さん説明資料に付け加えることとします。

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