2015年12月

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昨日(12/29)で今年の診療を終えました。
今年は個人的には、虫垂炎による2回の入院および手術で健康の大事さを痛感した1年になりました。

またこのブログではこのブログをあわせて丁度50ネタをupすることになりました。
入院期間でかけなかったことが2回ありましたが、ほぼ毎週木曜日にupすることができました。

ブログで書くことで私の頭の中に整理しやすくなりますし、ネタが無いときはネットサーフィンしながら新しいネタになる記事を探すので新たな発見に出会ったりします。

煩わしくないと言えば嘘になりますが、こういうものの積み重ねが464ネタの頭痛ブログになっており、更には16万人に迫る訪問者の数になっているんだと思っております。訪問していただき読んでいただきました皆様には深く御礼するものであります。

今年反省すべきは忙しさにかまけて日本頭痛学会への演題をださなかったことです。来年は例年同様に日本頭痛学会へ演題をだして、日々の頭痛診療に力を入れて、またこのブログに還元できるように頑張っていきたいと思っております。

本年1年間誠にありがとうございました。

また来年も宜しくお願いいたします。

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さて昨年、上記のような話をブログに書きました。
http://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda/39308875.html

トリプタンの次の治療方法というか、併用していいわけなので新しい予防治療ということです。
アメリカでは第二相の治験が終了して、一定の効果があがったという報告があっています。
ついに日本でも、この治験が始まります。

腹部への皮下注射を月に1回行うことで片頭痛の頻度が減ると言われています。
今のデパケンやミグシスのように毎日内服する煩わしさや、デパケンのように妊娠を予定している患者さんなどに使用できないという問題点もないようですので、画期的ではあります。

治験ですから、これがすぐに保険適用となるわけではなく、治験をして効果が一定以上にあがって、更に副作用も目立たないことが確認されれば、数年後に保険適用となる算段です。

私自身は大変興味深い治療方法ですので、楽しみにしています。

今日はクリスマス・イブです。
皆様よいクリスマスをお過ごしください!

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 本日は片頭痛の最新研究報告からです。

 先日、今年の日本頭痛学会で心臓にできている先天性の小さな穴を塞ぐと片頭痛が減ったという発表をこのブログで報告いたしました。かなりの反響があったようですし、実際カテーテル治療で塞ぐだけで片頭痛が改善するのであれば試す価値ありと思います。

 ところが、今度はアメリカの雑誌に逆の報告が出ています。
 前回、私がここに載せたのは片頭痛があって、心臓にできた小さい穴を塞ぐと片頭痛が減るという話でした。

 今度は片頭痛がない人で小さい穴をカテーテルで塞ぐと15.8%に術後3ヶ月以内に片頭痛がおこります。前もってアスピリン+プラビックスで内服していれば、片頭痛になる人も少ないし、程度も楽になるという論文なのです。

 なんじゃ~そりゃ?!
 わけわからん! 頭がこんがらがると思うような内容の論文です。

 著者らもそこは配慮していて、心房中隔欠損や卵円孔開存症の患者には片頭痛が多く、カテーテルを用いた孔閉鎖術を行うと、片頭痛が消失するという報告も複数ある。
 著者らは「今回の試験は、片頭痛歴の無い患者を選び、術後の片頭痛発症リスク低減を目的として行われた。ASDおよび孔閉鎖術がどのように片頭痛の発症に関わるのかは明らかになってはいない」と言っております。

 全く塞げば片頭痛が減るのと、塞げば片頭痛が新たにでるのですから、訳のわからない話ではありますが、心臓の小さな穴に片頭痛の病態を解明する鍵があるのかもしれません。そういう意味では人体は不思議です。


雑 誌:JAMA. 2015;314(20):2147-2154

発表者:Josep Rodés-Cabau先生(カナダ・ケベックHeart and Lung Institute)

タイトル:Effect of Clopidogrel and Aspirin vs Aspirin Alone on Migraine Headaches After Transcatheter Atrial Septal Defect ClosureThe CANOA Randomized Clinical Trial



 

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今週の日曜日(12/6)の読売新聞に主な医療機関の慢性頭痛の治療実績が掲載されています。
これは日本頭痛学会の専門医がいらっしゃる施設へのアンケート結果です。
うちも7月頃、アンケートがきましたので、数をカントして報告させていただきましたので、掲載されています。

この1年間に診断された片頭痛患者数・緊張型頭痛患者数・群発頭痛と診断された数字が掲載されています。1年間ですから新患でとなると、まあこんなものかと思います。
掲載後、4日たちますが患者さんから「見ましたよ~?!」という報告は意外に少なく、前回2012年にも同じような掲載ありましたが、そのときと同じようなリアクションです。

頭痛専門医のいらっしゃる施設、約半数がアンケート結果をだしていませんので、日本で最も多く片頭痛をみていると思われる施設はここには今回掲載されていません。
純粋にどれくらいみていらっしゃるのか興味深いです。

大変高名な先生の施設や、頭痛外来を複数の先生で毎日こなしている施設が意外ともいえるほど少ないのに、また極端に多い施設もあり、いろいろです。
まあ自己申告ですから(笑)・・・

あと群発頭痛400人をこす施設があって、毎日群発の患者さんが来るって「すご~い!」と思いました。当院では昨年新規の群発頭痛患者さんは8人ですから、雲泥の差です。
まあ数を競うものではありませんから、それはいいのですが・・・。

読売新聞をとっていらっしゃる所では是非ご覧になってください。

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本日は、研究報告からの貴重な論文を紹介します。
私も過去には妊婦のくも膜下出血の経験があり、結果的に診断が遅れてしまったこと。片頭痛発作と思われていたが違った出産直後の脳出血のケースなど、同様のいくつかの経験があります。
若い妊産婦でも、また片頭痛が既往にあったとしても、脳の病気による頭痛の可能性を常に考えながら診療にあたるべきだという論文です。
妊婦は薬が飲めない。検査ができない。だから病院には行っても意味が無いとは思わないで欲しいとも思える論文です。

雑 誌:Neurology 2015;85:1-7
報告者:Robbins MS, et al.
所 属:アメリカ・Montefiore医療センター

背 景:片頭痛が合併した妊婦の数は多く、妊娠に際して片頭痛の病状は変化を示すことが多い。一方、妊娠時に急性頭痛が発生した場合には、過凝固状態を基盤にした静脈洞血栓症など、診断が難しく治療が遅れると予後不良となる器質的疾患の可能性も考慮する必要がある。本研究では、妊娠時に生じた急性頭痛症例を後方視的に検討し、妊娠時の頭痛を呈する患者の特徴や危険因子などを解析している。

方 法:産科から神経内科に依頼のあった妊娠中の急性頭痛の140症例が対象。(平均29.4±6.4 歳)。●初産婦は15.0%●78.6%は頭痛の既往があり●30.7%は神経学的異常があり●87.9%で画像検査が施行
●59.3%が前兆のない片頭痛、11.4%の症例が前兆のある片頭痛の既往あり。

結 果:全症例の中で65.0%が一次性頭痛、35.0%が二次性頭痛。
全体の59.3%が片頭痛症例。
二次性頭痛の原因疾患としては、妊娠に伴う高血圧によって引き起こされた頭痛が最も多く17.9%。
下垂体腺腫/下垂体卒中が3.6%。感染症と気脳症が2.1%。脳静脈血栓症と頭蓋内出血が1.4%。可逆性脳血管攣縮症候群 (RCVS)は0.7%。

頭痛が発生した時期は妊娠第三期が最も多く (56.4%)、特に二次性頭痛でその傾向が顕著。
片頭痛症例では、以前の発作に比較して持続時間が長く (44.5%)、前兆を伴ったり (40.0%)、重症度が増したりする (30.0%)傾向が認められた。
二次性頭痛に有意に関連した因子としては、血圧上昇と一次性頭痛の既往が存在しないことであった。その他、痙攣・発熱・神経学的検査での異常所見は二次性頭痛を示唆する症候であることも確認された。

結 論:①妊婦における急性頭痛の約1/3に二次性頭痛が存在したことは、画像検査を含めた精査が重要であることを再確認したといえる。
②一次性頭痛の既往のない症例、血圧上昇・痙攣・発熱・神経学的異常が認められた場合は特に注意が必要と思われる。
③妊娠時期が進むと片頭痛発作は軽快や消失を示すと考えられているが、今回の検討では、片頭痛発作が妊娠第三期に最も多く認められた点は興味深い。

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