2015年11月

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先週に続いて片頭痛の予防薬についてです。
一般名で塩酸ロメリジンといいまして、MSD社から「テラナス」、ファイザー社から「ミグシス」という商品名で発売されています。

当院ではミグシスをつかっていますが、実は「テラナス」の販売が中止されるようです。
薬価が安くて商売として成り立たないようです。
ただ「ミグシス」の販売は継続されますので、今まで「テラナス」で内服されている患者さんは「ミグシス」に変更して頂ければ問題ないようです。

片頭痛の薬は一般的に高いという印象ですが、予防薬はおおむね安いものばかりです。
当然、毎日服用しますので高いものでは負担が大変なことになります。
もちろん患者さんにとっては、少し高くても片頭痛が全くおこらなくなる予防薬があれば決して高くはないものになりますが、残念ながらそういう薬はありません。

「ミグシス」・「テラナス」ともに副作用でこまることはあまりないので大変使い安いくすりではありますが、デパケンと比べると効果は落ちるところです。
しかし、上手に使うことで片頭痛の程度・頻度は軽減しますので今後も引き続き「ミグシス」で使われていくものと思います。

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さて今日は片頭痛の予防薬の第一選択薬となっているデパケンRについての話です。

ここ最近続けて2回、予防薬としてデパケンRを処方使用として患者さんから断られました。
頭痛学会でもデパケンRを妊娠可能年齢の女性に投与すべきかどうかでは両方の意見があります。

つまり先生によっては妊娠の可能性のある女性には使うべきでないという意見です。
理由は内服していると妊娠の際の奇形発生のriskが高くなるからです。ただ一般的には高容量は使わず、低容量しかつかいませんので、あまり問題になることはないと思われるのですが、妊娠・出産についてはより慎重にの先生方にはあまり評判がよくないということです。

私は、妊娠可能年齢であっても十分にriskを話して、相手に許可を得て使うべきだと考えています。

デパケンRは脳の神経細胞をしずめる作用により、脳血管の異常な運動がおさえられ、片頭痛が起こりにくくなるとされています。
もちろん、使うケースは①片頭痛の回数が多い ②片頭痛の程度が強い ③発作の頓挫薬がききにくい

このようなケースで使われます。予防的に定期服用することで、発作回数の減少、前駆症状の軽減、また発作治療薬の減量がはかれます。

私は事前に十分説明し使います。最近の患者さんは当然ながら自分の処方された薬を綿密に調べる患者さんも多くいらっしゃいますので、事前に説明なしで処方するとトラブルの原因になります。

ですので、後でトラブルになることはないのですが、事前に断られる場合があるのです。
それほど心配な薬だという認識はないのですが、「てんかんの人の内服する薬を頭痛ぐらいでなんで内服しないといけないのか?」ということを言われるケースがあります。
もちろん目の前で言われるケースもあれば、「え~信じられない」とまでいわれたことも過去にはあります。デパケンという薬にあまりいい印象を持ってないから仕方ないのかもしれません。

効果のほどを説明しても最初のハードルが上がりすぎていて、下がらないので結局は効果の落ちる薬かもしくは内服しないということになります。もちろん、自分自身が納得できない薬を内服しても、改善するものも改善しないは自明の理です。

眠気・だるさ・食欲亢進などの副作用はあるものの非常に使いやすくて、効果も上がる薬なので、そこらを是非理解していただきたいと切に願うものです。

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今週、俳優の金山一彦さんの頭痛がネット上で話題になりました。
11/1に奥さんと子供さんの3人で横浜中華街に行った際に、突然クビに違和感を感じ、その後後頭部に痛みがきて、うずくまったとのことでした。

それを自分のブログに載せたために、ちょっとした話題になったようです。
私もネットでたまたまみて年齢からも解離痛ではないかと思いましたが、どうも間違いないようです。

奥さんの大渕弁護士から頭痛治療で有名な東京女子医大客員教授の清水俊彦先生のもとを受診され、解離痛だと診断されたようです。(先生が今日のTVで話されたようです。)

タレントさんって個人情報保護なんてあるようなないようなものですが。TV番組でも報道されたようですので書いてもいいと思うんですが、何より大事にならなくてすんで良かったと思います。

彼自身も自分のブログに記載していますが、やはり今までと何か違うと思えば病院受診が必須です。

解離痛とは、主に40-60歳代の男性に多く、椎骨動脈という血管に亀裂が入り血管壁が解離する際におこるものです。
①突然痛みで発症する「頭痛」タイプ 
②解離して血管が閉塞する「脳梗塞」タイプ 
③くも膜下腔に出血する「くも膜下出血」タイプ
と3つのタイプがあります。

私も外来で年間5例程度発見します。割合は3:1:1です。
頭痛タイプが多いのですが、くも膜下出血のように突然頭痛で始まりますので、頭痛タイプかくも膜下出血タイプかはMRI検査しないとわかりません。
頭痛タイプはおおむね、いい結果になることが多いのですが、慌てて手術しないといけないケースや頭痛で発症後に脳梗塞やくも膜下出血に進展していくケースもあり、注意が必要です。

やはり、いつもと何か違うと思えば速やかに病院受診しましょう~!

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先日(H27/9/3up)、手術で片頭痛を治すという取り組みがあることを紹介しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda/39932783.html)

実はその取り組みが今回の頭痛学会で報告されます。
この演題は反響が大きく、audienceも多く集める演題になりそうです。

結果として19人の片頭痛患者をカテーテル治療して
治療終了6ヶ月の段階で10人が頭痛消失。8人で改善。1人で不変。
治療後1年で13人が消失。5人が改善。1人が不変。

大変私が予想した結果より改善しているようです。
大きな合併症もなく経過しているために発表者の岡山大学の赤木先生のグループは将来的に有望な治療法になる可能性が大いにあると述べています。

ここで2つ注意点ありです。
①まだまだ実験的な治療方法であるという点
②卵円孔開存症・心房中隔欠損症などの問題がある患者さんしか治療適応にならない点
がありますので、全ての片頭痛患者さんがhappyになれるわけではないという点は特に強調しておきたいと思います。

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