2014年10月

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 天気のいい日が続き、徐々に秋めいてきました。例年秋になるとコスモスが当院の前を飾ります。この時期には、ほとんど駄目になっていますが、手入れがいいわけでもないんですが、まだまだ見頃でしばらく持てそうな感じです。天気がいい日が多いからでは?!と思っています。

 さてさて今日は上記タイトルです。まだ群発期をむかえたわけではありませんが、もうそろそろかな?とも思っています。

 当院では、今までにも群発頭痛の親子例、また遺伝関係はありませんが群発頭痛のご夫婦など近親者で群発頭痛で当院にかかられている患者さんがいらっしゃいます。

 片頭痛では、かなりの患者さんでの遺伝歴が証明されていますが、群発頭痛でも約 5% に家族歴が認められていると言われています。これは一般集団における罹患率より高く、遺伝因子の存在が示唆されています。

 デンマーク,米国,イタリア,フランスで行われた遺伝疫学的調査によれば、群発頭痛患者の第一度近親者が同疾患にかかる割合は一般集団より有意に高く、人口相対危険度( population relative risk )は 4.7 ~ 17.6 倍と報告されています。

 一方、双子で共に群発頭痛に罹患したという症例報告は複数あるようですが、スウェーデンにおける疾患一致率の検討では一卵性 2 組と二卵性 9 組において疾患の有無に関して不一致であり、群発頭痛の発症には、遺伝因子意外にも環境因子の存在が大きいとされています。

 数が決して多いわけではありませんが、群発頭痛は厄介な病気です。先日、今年の日本頭痛学会総会(下関)の案内がきていて、演題を一通り眺めましたが、群発頭痛の演題は今年も少ないようです。興味ある演題もありましたので後日ご報告させていただきます。

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 今日はかかりつけの患者さんからの素朴な疑問をお届けします。

 当地でも今月の第1週、2週と週末に台風がきて、患者さんからも調子がよくないとの報告をうけています。もちろん全然関係ない患者さんもいらっしゃいますが、、、。基本的には天候と片頭痛の関係はありと考えています。多くの頭痛専門医は同じ意見だと思っています。

 そこでタイトルどおりの話です。
満月・新月は片頭痛をおこしやすくなるのか?という疑問です。

 月の周期は女性のカラダと密接に関係しています。

 それは生理のことを「月経」呼ぶように、女性の理想的な月経周期と月の満ち欠けの周期がほぼ同じだからです。女性のカラダを月の周期とあわせると、月経のときが満月で、排卵のときが新月にあたります。

 ですから、片頭痛は月経期と排卵期に起こりやすいので、当然満月・新月でおこりやすいになるわけですが、患者さんはみんな月の満ち欠けと同じように生理がきているわけではないので、そうではないと思っていますが、いかがなものでしょうか?

 そうだよと思われる人も、そうじゃないという思われる人も教えていただければと考えます。

 なかなか月の満ち欠けにまでは言及してこなかったな~?!
 そう思いながら皆さんの意見をお聞かせください。
 宜しくお願いいたします。

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今日も最近の研究報告からです。難しい話ですが、興味深い話でした。

(著者)Kam-Hansen
(雑誌)Sci Transl Med(2014)

(目的)片頭痛患者に様々な期待度を抱かせることによって、偽薬とトリプタンが片頭痛発作に示す効果がどのように変化するかを検討している。

(結果)マクサルト投与による片頭痛発作の疼痛軽減効果は医師が患者に与える情報によって大きく影響をうける。偽薬をマクサルトと言われて服用すると症状が軽減する現象は、患者側の期待度が大きく作用したと解釈できる。偽薬を服用してもある程度の症状軽減効果を示した点は、錠剤を服用することに治療的な意味があることを示唆しており興味深い。片頭痛治療においては、薬を処方するということ自身に意味があると思われる。

(考察)トリプタンの片頭痛発作に対する治療効果が、医師から与えられる暗示により少なからぬ影響を受けることは、日常臨床に大変役立つ情報であるといえる。例えば、重症例ではトリプタンを処方する際に、効果を強調して説明すると薬効が大きくなることが考えられる。
 その一方で、片頭痛発作治療薬の臨床研究を行う際には、プラセボ群で予想を超えた薬効が出てしまうことで、実薬との有意差が出にくくなる危険性を孕んでいることを本研究の結果は裏付けている。

 何が何だかわからないようになりました。
私がこの論文によって学ぶことは、十分な説明(プラス・マイナス)で相手がよく納得していってくれれば、おおむね薬の効果はあがる。それが偽薬であってもである。
 外来で、あちこちの病院を受診された患者さんの多くは、十分な説明を受けてない。もしくは納得できていない状況にあります。特に薬物乱用頭痛の患者さんでは、十分な納得・説明がないと前に進むことができません。

 逆に十分納得していただければ、8-9割方治療はうまくいくと確信できます。

 短時間に納得のいく説明。それは大変難しいことで、頭痛で有名な清水先生はたくさん経験し、たくさん話すことで、最も適切な説明を瞬時に見つけることができますと言われていた。確かに数を経験されている人ならではのお言葉だと思います。

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 先週末の頭痛の研究会でTopicsとして取り上げられた片頭痛の予防のための注射についての論文をご紹介いたします。これは海外で治験段階の薬で、まず使えるようになるかどうかも不明ですし、使えるとしたらいつ頃かも不明なものです。

 ですから今片頭痛で困っていらっしゃる患者さんが随分未来に実用化する可能性を秘めたものと考えていただければと思います。少し難しいのですがまとめた文章を下に示しました。

 この薬がうまくいくと注射することで片頭痛の発作回数がすくなくなり、程度も減りますよ。また完全に片頭痛発作がなくなる人が32%いましたよという論文で、副作用も少なくつかいやすいですという発表です。有効な期間も長いので発作回数がおおい患者さんには、日本で使えるようになりましたら、有効な治療方法の一つになるものと思います。

 ただし使えるようになるには相当時間がかかります。

 雑誌:Lancet Neurology:13:885-892(2014) 所属:Mayo Clinic 著者:DW Dodick MD

 片頭痛患者にCGRPを投与すると片頭痛が誘発される。遺伝子組み換え技術によってヒト化された抗CGRPモノクローナル抗体が片頭痛予防治療として開発中であった。本論文は、米国の35施設で施行された同薬の第2相臨床試験の結果報告である。

 本臨床試験は2012年7月~2013年9月まで行われた多施設二重盲検試験。
 
 皮下注射群107名、偽薬注射群110名が評価対象。
 
 実薬投与群では片頭痛発作日数が-4.1日 に対し偽薬群-3.0日 (SD 3.0, 42.3%減少)であり、有意に前者で減少効果が認められた。
 完全に発作を認めなくなった者 (32% vs. 17%)の割合も実薬群で多かった。
 有害事象の報告は両群でほぼ同数であったが、重篤な有害事象は認められなかった。

この薬剤はイーライリリー社で現在開発・治験を行っています。

いつ頃につかえるようになるのでしょうか?

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 今日も土曜日の診療を午前中までとして、一部の患者さんにはわざわざ御足労いただいたにも関わらずご迷惑をかけてまで研究会にやってきました。

 15:30開始には、少し間に合いませんでしたが21:00まできっちり勉強してきました。この会は今年で9回目ということで、毎年参加しています。15-20人くらいの小さなグループに分かれて1つのテーマを掘り下げてディスカッションする研究会です。

 私のグループのテーマは片頭痛の共存症について考えるでした。
片頭痛にはいくつもの共存症があることが知られています。共存症とは片頭痛に併せもついろんな疾患で、うつ・アレルギー疾患・子宮内膜症・めまい・副鼻腔炎などの病気が共存症として知られています。

 主に精神疾患の共存例をどう対応するかでした。
 大学病院の心療内科の准教授の先生から〇?屬鬚けず 効率的に しっかり見る方法について教えていただきました。

 いつも思うのは今一番困っていることが何か? それをどういう方法で解決していくかという道筋をきちんと示してあげることが一番大事な事だと考えます。それを助ける方法として、今一番困っていることを患者さんに簡潔に書いていただくとが有効であることを教えていただきました。

 患者さんもわからないままになっていることが書くことによって少しずつ道筋がついてくる。答えは患者さんが指し示してくれるという話で目から鱗なはなしでした。

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