2014年09月

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前回は小児の片頭痛の発作時の治療についてお届けしました。
昨年頭痛の診療ガイドラインが変更され、その内容を中心にお届けしました。
今回もガイドラインの内容を中心に予防治療についてお届けします。

基本的には小児の片頭痛で予防治療が必要な人は大人に比較して大変少ないと思います。
私自身は大人同様
①片頭痛の回数が多い 
②日常生活支障度が大きい 
③発作時の治療の効果が薄い

この①から③の人だと思います。
もちろん予防療法が必要な人には純粋な片頭痛ではなく、起立性調節障害・発達障害・精神的要因などが混在している人に多い印象です。
ですから、予防治療をする前に、なぜそのように回数がおおくなっているかという原因をしっかりつかむことが大事だと考えています。

では、それでも予防治療をというとペリアクチンを処方することになります。
これは以前からあるタイプの抗アレルギー剤です。
少し眠気がありますので、2-4mg1x就寝前投与で、4-8mgまで増量可能です。
眠気がなければ増量可能と考えます。

後使うものとしてはデパケンとなります。量としては200mg1x就寝前投与でいいと思います。
年齢的に下の方だとペリアクチン。比較的高学年ですとデパケンを選択することが多いようです。
もちろんご両親には十分な理解が必要になります。
片頭痛なのに、なぜ抗アレルギー剤? もしくはてんかんの薬?という疑問の声にもしっかり答えた上で使用する必要があると考えています。

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 今日は珍しく小児の片頭痛についてです。
今週た立て続けに他のクリニックで診ていただいていたと言われる患者さんを拝見することがあって、整理かたがた情報発信にもなればと思っています。

 子供だって片頭痛は痛い。しかし、大人のように長い時間ではない。おおむね3時間から半日というのが持続時間としては最も多いと考えます。翌日までは引っ張らないことが大半ですが、2次性徴を迎えれば基本的には長くなると思っていただいていいようです。

 では痛いときは①カロナール(アセトアミノフェン) ②ブルフェン(イブプロフェン)です。
 カロナールは体重10kgで100mg換算です。20kgあれば200mg。40kgなら400mgです。基本的には400mgを超えて内服することはないと思います。
 ブルフェンは3-6mg/kgですので、20kgあれば100mg、40kgなら200mg程度の内服が基本です。

 痛いときの内服はなぜこの2剤なのか?!
 ①安全性が確認できている。
 この2剤は授乳中のお母さんでも服用OK!の鎮痛剤です。

 ②以前からある薬で、各種の報告でも有効性が確認できている。

 では、一般的な片頭痛治療薬であるトリプタンはどうか?
 小児片頭痛の第一人者である藤田光江先生は、10歳以下では効果が薄いので、あまり使用されないと言われています。私も基本的には同様の考えです。
 ただし頭痛の診療ガイドラインでは、イミグラン点鼻もしくは、マクサルトの内服は有効性があり推奨しています。点鼻は子供さんの体重であわせるのが難しいので、私は使いませんし、点鼻後の苦みや鼻の奥がツーンとくる感じが子供には耐えられないと思っています。マクサルトに関しては一般的に20-39kgなら5mgで、40kg以上なら10mg投与とされています。私は中学生以下であれば体重の如何に関わらず5mg投与の処方をしています。

 いずれにしても使い方は、いつも同様に ①なるべく早く服用する。 ②十分量服用する。
です。子供だからならべく我慢させるという親御さんもいますが、それはやってはいけないと思います。長い時間痛むわけではないので早めの内服で、最初から十分な量を服用させるのが大事なことだと思います。
 

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 実は今日のこのテーマが400ネタ目の記事で、かつ本日めでたく訪問者が12万人を超えました。
訪問していただきます皆さんに大変感謝申し上げる次第です。ブログを始めて7年目ですが、ここのところ木曜日を中心に毎週1ネタをupしていますが、周りからも頭痛だけのネタをよく続けられますねといわれます。これがおもしろいことに毎日外来をやっていますと1週間に1個くらいはネタが生まれるものなんです。必死で探しているわけではないんですけれど・・・。

 さて今日は上記タイトルです。最近こられた患者さんで、数年前から置き薬の鎮痛剤を毎日服用していますがあ、頭が痛くてたまりませんとのことで来院されました。まあ診断は薬物乱用頭痛です。間違いなくでした。その事実を伝えましたところ、置き薬のメーカーの人から「決められた範囲であれば、うちの薬は毎日内服しても大丈夫です。」と言われたから内服したんだと、やや怒りモードで話されました。

 「毎日頭痛で内服してもいい鎮痛剤なんて世の中にはありません。」とはっきり答えました。
じゃあなんで、そのメーカーの人はそういったのかということになりましたが、はっきり「それをメーカーの人に求めるのは無理です。」と答えさせていただきました。「医者じゃないからそらわからんでしょう。」とも言いました。どうも納得はいってません。

 でも薬物乱用頭痛ですから治療しないといけませんおで、その点については納得していただきまして治療を開始しています。セルフ・メディシンの時代ですから、ある程度のことに関しては自己責任のもとで内服されることについては全く問題ありませんし、意義を唱えるつもりもあれません。ただ毎日頭痛で鎮痛剤をのむことは普通ないわけですから、自己判断でどのタイミングかで受診しないといけません。

 その患者さんにとっては、今回がそのタイミングだったんだと思います。その鎮痛剤は微妙に配合される量は異なります亜、ナロン・ナロンエース・ナロンエースプラス・セデス・セデスV・ハッキリエースあたりとほぼ同じ配合であります。

 セルフ・メディシンはやはり自己責任ではあります。注意が必要です。

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 今日は上記のようなタイトルで、タイトルどおりの話です。
ここのところも当院の新患頭痛患者さんの15-20%は薬物乱用頭痛です。
増えてもないし、減ってもない状況が続いています。

 最近も「~~頭痛」というTV番組があったようで、それを見て自分は薬物乱用頭痛ではないかと言って来院される患者さんがいらっしゃいました。

 私自身は医療バラエティー番組に対しては基本的に否定的な態度です。
いい点をあげるとすると、本来医療機関にかからないタイプの患者さんが、TV番組をみることで医療機関へ足を向けるようになれれば、それは大変立派なことだと思います。

 その患者さんも、そういうタイプでしたが、やはり心配になって来院されました。毎日ロキソニンを飲む薬物乱用頭痛患者さんでした。
 最近の傾向として、薬物乱用頭痛は①イブ ②ナロンエースというのが代表的な薬剤でしたが、ナロンエースを抜き、イブの牙城に迫り、今はイブを抜いて一番多い原因薬剤になってきています。

 これはロキソニンに薬物乱用頭痛になる原因があるわけではありません。ロキソニンの知名度であり、ロキソニンの効果であり、信用度でもあるわけです。これが、ロキソニンを購入することが増えて、最終的に薬物乱用頭痛になっているわけです。精神病理はどの薬剤でも一緒です。

 以前も書きましたが、鎮痛剤を購入する際に最大錠数入っている箱をまとめ買いする購入者の90%以上が薬物乱用頭痛だったという報告があります。
 一度にたくさん買えないようにすることと、鎮痛剤の箱にはタバコと同様に警告文を載せる必要があると常々考えています。どちらか一方ではなく、両方することでひどくならないで受診に繋げれるようになるのではと考えています。
 
 どうでしょうか?

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