2013年10月

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 正確なデータはありませんが、ドラッグストアの増加とともに薬物乱用頭痛が増えていると感じる今日この頃です。

 あるドラッグストアの統計では、鎮痛剤のまとめ買いをされるお客さんは薬物乱用頭痛の可能性が極めて高いというデータを以前発表されました。まとめ買いとは、何個買えばまとめ買いになるかと言えば、それぞれの感覚もあると思いますが、ここでは5箱以上ということになります。

 これも少しいろいろありまして、例えばイブAは24・36・48・60個いりの4種類がありますが、24個を5箱でも120個。つまり60回分となりますし、60個入りが5箱なら300個で150回分と気が遠くなる数字になります。24個いりにしても60回分ですから普通ではありません。やはり薬物乱用頭痛の匂いがプンプンします。

 また朝頭痛で目が覚めたり、目が覚めたりすると既に頭痛があると言われると極めて薬物乱用頭痛の可能性が高くなります。寝る前に必ず鎮痛剤を内服して眠って、朝起きる前に頭痛で目が覚めるのでまた鎮痛剤を内服するという人もいらっしゃいましたが、やはりそれは薬物乱用頭痛なのです。

 過去には最高1日7回セデスVを内服するといったつわものもいましたが、最近の薬物乱用頭痛患者さんの特徴として、ギリギリ薬物乱用の診断基準にのるようなレベルか、はたまた大きく大きく超えている患者さんの両極端になりつつあります。

 頭痛で毎日鎮痛剤を内服するのはおかしいのです。そうならない前に目を覚まして欲しいですし、早めに受診して欲しいと願うばかりです。

 鎮痛剤のパッケージに1ヶ月に10回以上鎮痛剤を内服する人は鎮痛剤の飲みすぎの可能性がありますとタバコのパッケージのように書いていただくわけにはいかないのでしょうか?

 そう考えずにはおれません。

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 台風が次々にきて伊豆大島を中心に甚大な被害がでております。またもう一つ台風がきて、これ以上被害が拡大しないように祈るばかりです。

 そんな時期にいろいろ気がつくことがあります。というか患者さんに教えていただいていることになります。片頭痛の誘発因子についての話です。

 片頭痛の誘発因子としては
 ①月経 ②排卵日 ③天候 ④人ごみ ⑤肩こり ⑥ストレス ⑦ストレスからの解放 ⑧不眠
 などたくさんあります。

 台風が近づくと急に気圧がさがり、片頭痛がおこりやすくなる人がいます。以前も書きましたが、2年前の三陸の地震の前には頭痛が頻発しているといった学会報告もありました。こういう人は、かなりの確率で台風が来る前の気圧の低さで片頭痛が誘発されます。

 月経・排卵日は女性ホルモンが変動するからで、これはかなりの確率でおこしやすいようです。

 ストレスですが、ストレスを感じるときに片頭痛がおこりやすい人とストレスが終わって急激にリラックスする際に片頭痛をおこしやすい人がいます。日曜日や祝日に片頭痛をおこしやすい人はストレスからの解放でおこりやすい人だと思われます。

 複数の誘発因子を持つ人もいれば、単独の患者さんもいらっしゃいますが、私が感じるには単独の患者さんが多いようです。

 皆さんはいかがでしょうか?

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今日は珍しく市販薬のお話です。
小林製薬からでています「コリホグス」です。
名前を聞いたことがある人も多いかと思います。首こり・肩こりの薬という立ち位置だと思います。
小林製薬はいつもながら消費者(患者さんではない)の心をゆさぶるネーミングで有名ですが、これも心の琴線を揺らすネーミングだと思います。

この薬は何かと言えば鎮痛剤です。クロルゾキサゾン+エテンザミドという組み合わせの薬です。
クロルゾキサゾンが筋弛緩作用成分でエテンザミドは鎮痛成分ですので、分類すると鎮痛剤になります。ここをわかって使っていただきたい。

薬物乱用頭痛の患者さんで、「毒抜き」と私がもっぱらそう呼んでいる鎮痛剤を体から抜く作業中にこれに手を出す患者さんがいます。首から肩が張るので、鎮痛剤ではないこの「コリホグス」を飲んでしのいでましたと言われる患者さんがいます。

残念ながらエテンザミドが入ってますので、鎮痛剤なんですよ。この薬は、、、。
え~そうなんですか?! 何度か外来で繰り返された話です。市販の鎮痛剤を飲まないので他のならいいかと思って、、、。

でも「コリホグス」は鎮痛剤の範疇だからね、、、。
あ~あ~そうなんですね、、、。患者さんは内容成分までは確認せず、ナーミングからこれはいい薬と判断されて飛びつかれたようです。
私の説明が足りず残念です。

コリホグスいいネーミングです。でも薬物乱用患者さんが使うのには要注意です。

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 今日は午後の外来をお休みして頭痛の研究会に来ています。
「レルパックス」を発売しているファイザー社の研究会です。もうこの研究会は毎年参加して、おそらく10回目くらいになると思います。

 毎年趣向をこらしていて、慶応大学の鈴木教授が言われるように「頭痛の生涯勉強会」のようになっております。

 この会はsmall groupによるdiscussionがmainの研究会です。
 私の選びましたテーマは「難治性頭痛 どう診る?どう導く?どう治す?」というテーマにしました。

 ここでいつも書いていますが、難治になるのは薬物乱用頭痛(特に精神症状を伴う)・小児の頭痛(不登校を伴うもの)・起立性調節障害を伴うものなどが難治しやすいものと認識しています。

 座長からも標準的な治療と裏技的な治療について求められましたが、ここまで情報が発達すると裏技も既に標準的な治療になってしまいます。私自身はこれぞといったものはなかったのですが、熊本市民病院の橋本先生からも古くて新しい予防薬の「インデラル」の有用性について話していただいたことが大変勉強になりました。

 基本的に私が考えるに治せないものは、やはり治せない。
 ですから[氷イ憤綮-患者関係を作ること 
     患者さんをあきらめさせないし、自分があきらめない 
     0悊出しを多く持ち可能な限り治療方法を提示する。

 それでうまくいかない場合には、患者さんの治療満足度を少し下げていただくようにして、現状を受け入れていただくようにしています。
 「なんじゃそれは?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、あまりにも治療効果を高いところに持っている患者さんは決してhappyになりません。ですから時間をかけてでも95点をよしとするのではなく65-70点でもよしと思える精神的な環境を作ってやることだと考えています。

 また今日学んだことを来週からの診療に繋げていきたいです。

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