2013年05月

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今日は新しい研究報告からです。
頭痛xてんかん 古くて新しい永遠?のテーマです。
私は片頭痛患者さんで予防薬としてデパケンを使うことが時々あります。その際にも片頭痛とてんかんは兄弟ではないけれど、いとこくらいの関係にあって、すごく似ている部分があるんですと話しています。
以前から言われていますが片頭痛の脳波ではてんかん様に見せるぶぶんがあること。てんかん患者で片頭痛を併発する患者さんがおおいという事象もあります。
さて論文です。

雑 誌:Seizure誌オンライン版2013年5月20日号

発表者:山梨大学医学部の金村 英秋先生

目 的:前向き調査により小児てんかん患者における発作関連の頭痛について、そのタイプや発生頻度を評価し、危険因子の同定を試みた。

対 象:部分発作や全般発作を有する小児てんかん患者98例(年齢範囲:5~18歳、部分発作74例、全般発作24例)。治療時に、てんかん発作に関連付けられる頭痛に苦しんだ経験があるかをアンケート調査。

結 果:①34例(34.7%)で発作関連頭痛の訴えが認められた。
    ②発作関連頭痛が認められた患者において、頭痛は全般発作患者(3/24例、12.5%)よりも部分
発作患者(31/74例、41.9%)で有意に頻繁であった(p=0.012)。
③発作の頻度は、発作関連頭痛が認められた患者では4.1回/年、発作関連頭痛が認められなかっ
     た患者では1.3回/年であった。
    ④発作関連頭痛が認められた患者のうち20例(58.8%)が前頭部の頭痛を訴えていた。
    ⑤頭痛の位置は、必ずしも脳波によるてんかん焦点とは一致していなかった。
     頭痛は部分てんかん患者および発作頻度が高い患者において、より頻繁に起こっていた。

結 論:部分てんかん患者や発作頻度の高い患者で頭痛の発生率が高いことが示された。

予想するような結論ですが、部分てんかん患者さんのほうが全般てんかんより多いというのは初めて知りました。勉強になりました。

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今日は片頭痛の予防薬についてご紹介します。
片頭痛の患者さんの多くは低血圧傾向です。ところが40歳代以降の患者さんでは徐々に血圧が上がってくることもあります。

初診で既に高血圧がある患者さんでは片頭痛を減らすため、今後の心血管イベントを防ぐために積極的に降圧治療を行います。

そのような中で「ブロプレス」というお薬が片頭痛の頻度を減らす働きがあると言われていますので、これをよく使います。それでも減らない場合には一般的に使用するミグシス(テラナス)・デパケン・トリプタノールなどの一般的な予防薬を使用します。

恐らく高血圧を呈する片頭痛患者さんは、どのようなタイプであれ降圧すると片頭痛の頻度・程度は減るものと考えられます。東京女子医大の清水先生は「ブロプレス」と同じ機序の「オルメテック」を使って、片頭痛の頻度が減少することを報告しています。ですので、血圧を下げれば片頭痛の頻度・程度が減るが、中でもARBという機序の降圧剤は中でも効果が強く出ることが予想されています。

そういう理屈で私は少し血圧の高い片頭痛患者さんには積極的にブロプレスで降圧するようにしていますし、実際使うことで片頭痛の頻度・程度が減少することを経験しています。

お試しください。

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 さて今日は片頭痛のタイプについて話したいと思います。

 私はいつも「100人の片頭痛患者さんがいれば100通りあり、同じような片頭痛はありません」と答えることがあります。実際、同じ患者さんはいないんだなあ~と診察室でおもうことがよくあります。

 ただし、いくつかのタイプにわかれるなあと思います。
 これは私の私見ですので、本当にそうかどうかは検証する必要があります。

 ①純粋な片頭痛
 片頭痛におこるいろんな症状の中で、頭痛が強くでるタイプです。
 片頭痛だから頭痛がおこるのが当たり前だと思われるかもしれませんが、もちろんこれが一番頻度が多いタイプです。

 ②消化器症状タイプ
 とにかく吐き気・嘔吐が強くなるパターンです。もちろん頭痛もあるんですが、一番の問題は消化器症状だという患者さんです。

 ③首・肩コリタイプ
 頭痛もあるけれど、肩甲骨内側面から肩・後頚部にかけてのハリ・痛みがひどく、頭痛よりもこちらのほうが症状が長く引っ張るので辛いタイプ。

 ④めまい・ふらつきタイプ
 これは、ひどい頭痛はないけれど、めまい・ふらつきが強いタイプです。
 片頭痛関連めまいという診断名を使うこともあります。

 今考えているのは上記①~④です。
 単独で同じものがでる人もいれば、違うものがでてくるケース、複数が共存するケース。
 いろいろあります。

 まだまだ検討していきたい課題です。

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 さて今日は難しい話題です。難しいと言えば難しい。簡単と言えば簡単なのかもしれません。

 「片頭痛治療の目的・ゴール・最終地点って何ですか?」
  この質問が時々患者さんから聞かれます。難しいですね。答えるのが、、、。

 言えることは「患者さんによって治療の目的・ゴールは異なる」ということです。

 ただしいつも言うのは「片頭痛がなくなる」ということを最終的な目標にしないと考えています。

 「片頭痛がおこらないようにすることを医者が目標にしなくていいの?」と聞かれそうですが、本来は最終的な目標ではありますが、そこを目標にすると大半の患者さんは達成できないので、そこを目標におかないようにしています。

 片頭痛をおこさないようにすることは基本的に無理だと考えています。ですから、そこを目標にはしていないわけです。

 では、どこが私にとっての治療の目標・ゴールか?
 または患者さんにとっての治療の目標・ゴールか?

 私自身は「片頭痛がおこっても、あまりそこに意識がいかない形で上手にcontrolすること」を目標にしています。ですから月に10回トリプタンを内服する患者さんがいたとして、1日/3日に定期的に内服するより、間が結構あいて、月経などでまとめて内服しているほうが、片頭痛を忘れる時間が長くなるので、こちらのほうがいいのではないでしょうかと話すようにしています。

 難しくなりましたね。
 結局0にはできないので、いかに片頭痛を考えないで生活できるようにするにcontrolする。上手なcontrolの仕方を学ぶことが最終的なゴールとしています。

 すいません。わかりにくくて、、、、。

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