2012年09月


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 長くなりましたので、今日が3回目になります。

 ODにはサブタイプがあって、下記の4つに分けられます。
 ①起立直後性低血圧・・・・・起立直後に強い血圧の低下と血圧回復遅延がみられる。
 ②体位性頻脈症候群・・・・・起立中に血圧低下を伴わず、著しい心拍増加がみられる。
 ③神経調節性失神・・・・・・・起立中に意識低下や意識消失を生ずる
 ④遷延性起立性低血圧・・・起立して3-10分経過して上の血圧が臥位の15%以上もしくは20mmHg以上低下する。

 というふうになっています。

 ここからは完全に完全に私の考え方です。
 ODはこのようにきちんとした診断基準・サブタイプがある疾患で循環器疾患であり、自律神経疾患でもあるわけですが、いつのまにかわけのわからん不定愁訴の症候群のような扱いをうけています。

 また不登校の患者さんの診断名に使われたりしているのです。
 確かに中には両方の要素を持っている患者さんもいらっしゃるのですが、そこらあたりがいい加減な診断で、その名前にいれこんでいるような感じが否めません。

 私自身は頭痛とODをあまり混同してほしくはないのです。
 ODによる頭痛というのは基本的に、どのような病態・メカニズムわかっていませんので、そのように診断してはいけないと考えています。ですからODだから頭痛は仕方ないという説明はしてはいけないとおもいます。

 しかし、そのような説明が多くになされているのも現状です。

 またまた長くなりました。
 この続きはまた次回行いたいと思います。

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 前回から「起立性調節障害」についてお届けいたしております。今日が2回目です。
 前回は序論として、一般的な大きな枠組みについて話しています。
 今回は診断基準です。これは小児心身医学会からだしているものです。心身医学会ですので精神疾患の専門家が提案しているものと考えてください。

 (診断基準)
○大症状
A.立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
B.立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる。
C.入浴時あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる
D.少し動くと動悸あるいは息切れがする。
E.朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い

○小症状
 A.顔色が青白い
 B.食欲不振
 C.臍疝痛(強い腹痛)を時々訴える。
 D.倦怠あるいは疲れやすい
 E.頭痛をしばしば訴える。
 F.乗り物に酔いやすい
 G.起立試験で脈圧狭小化 16mmHg以上
 H.起立試験で収縮期血圧低下 21mmHg以上
 I.起立試験で脈拍数増加 一分21以上
 J.起立試験で立位心電図TIIの0.2mV以上の減高、その他の変化

大3以上、大2小1以上、大1小3以上あり、他の器質性疾患を除外すればODと診断する

 とこういうふうになっています。
 実際の問題としては自覚症状だけで判断されているケースはかなり多く、起立試験を確実に行って診断を確定させているのは、一部の医療機関だけになります。一般の診療所レベルですと、1人の患者さんにたくさんの時間をさけないので概ね問診だけで診断されているように思います。

 またまた長くなりましたので、この続きも後日行いたいと思います。
 難しいですよね

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 前回の頭痛研究会で起立性調節障害x小児の頭痛というお話をしました。
 起立性調節障害について知りたいというリクエストもありましたので、今日は「起立性調節障害」についてお届けしたいと思います。

 起立性調節障害(以下ODと呼びます。)
 ODは起立時の循環動態の代償的調節機能が破綻する疾患です。
 もう少し細かく話しますと、起立することで通常一旦血圧が低下します。しかし通常は速やかに血圧が上昇に転じて何ら自覚症状はおこしません。ところがODはその血圧が下がった状態から回復することができずに諸症状(たちくらみ・めまい・気分不良・動機・息切れetc.)をおこす疾患です。

 一般に頭痛・腹痛などの不定愁訴といわれるもので受診する思春期の患者さんには、このODという診断名がつけられていることが多いようです。

 ODには頭痛症状が合併することが多いと報告されていて、ODの50%には頭痛が合併すると一般的に言われています。しかし、実際にはよく検討されているものはなく、具体的にどのようなメカニズムで頭痛がおこるのかさえわかっていません。

 自律神経障害・更年期障害などと同じで、わけがわからない症状をひっくるめて、こう呼んでいるのが現状です。若いお子さんならOD。成年なら自律神経障害。更年期なら更年期障害というようにです。

 実際、外来にもOD+片頭痛といってくる患者さんや、頭痛+不登校=ODなどと診断されてくる患者さんは結構、多くいらっしゃるのが現状です。

 ちょっと長くなりそうなので、続きはまた次回とします。
 本日はODの序論でした。

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週末の台風接近する中に東京に頭痛研究会にいって来ました。

この会は毎年行われている会で、大阪と東京の会場を交互に行われています。
今年は東京の六本木ヒルズでした。

小さな会で参加者は150人ほどです。
12から15人程度のスモールグループに別れてディスカッションをしています。
毎年それぞれ10のグループで様々なテーマが選ばれています。
 
私が選んだテーマは「小児・思春期の頭痛をどうみるか」です。

以前から起立性調節障害を伴う小児の頭痛は大変難しいわけですが、少しでも突破口を見つけたいと思って参加したのですが、なかなかいいディスカッションはできませんでした。

しかし、気持ちを同じくする先生には出会いましたので、これから一歩一歩進んで行きたいと考えています。
 
時には起立性調節障害なのかずる休みなのかという患者さんもいますし、なかなか難しい部分ではあります。
 

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 以前もこのようなネタで書いたように思います。
 
 この2ヶ月くらいで、すごい薬物乱用の患者さんがおいでになりました。
 何が凄いかと言うと毎日内服する鎮痛剤の量がです。
 
 例えばイブという鎮痛剤を1回2錠内服のところを1回4錠で1日3-5回内服する人。
 
 200mgのカロナールを1回2錠で1日3回毎日内服する人などです。
 
 一般的に鎮痛剤のheavy userは看護師が多い印象です。
 
 統計をとったわけではありませんが、私が今までに多量に鎮痛剤を摂取してきた上位3人のうち2人が看護師です。ですから恐らくきちんと調べても同じような結果がでるのではと考えています。
 
 医療知識もあるのになぜという感じはしますが、近くに薬があると言うのも一つの事情ではないかと考えています。薬物乱用頭痛という言葉を知らない人も多く、看護協会で話をしたときに各病院の婦長さん連中がビックリしていました。
 
 まだまだ私たちの努力が足りないようです。

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