2012年08月

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 片頭痛の頓挫薬「トリプタン」ですが、患者さんの中には1ヶ月10回もしくは、それ以上使用する患者さんがいらっしゃいます。
 
 問題となるのは薬物乱用頭痛です。
 通常日本では、市販薬で薬物乱用頭痛になることが圧倒的に多く、続いてNSAIDs(ロキソニン・ボルタレン・カロナールetc.)で、トリプタンでの薬物乱用頭痛は少ないと言われています。
 
 実際私も外来である程度話をしていますので、そのような患者さんはほとんどいません。
 
 薬物乱用頭痛ではないのに、1ヶ月10回ちかく、場合によっては10回以上使う患者さんがいるのです。
 ①頭痛はまさに片頭痛であり
 ②内服すると確実に内服効果があり
 ③連用しても効果があまり減弱しない
 ④毎月使う数は安定している。(増減が少ない)
 ⑤トリプタンを使わないとひどい頭痛で日常生活に支障をきたしてしまう
 
 こういう患者さんです。
 だいたいきまった頃に受診され、薬さえあれば大丈夫で、かつ内服する回数が増えることがないという感じです。私はこれはこれでありだと考えています。
 
 しかし保険適応的には1ヶ月10回までにするような規則がありますので、10回を越えられると我々は困るものなんです。10回ある患者さんを減らすには
 ①予防薬を開始する。
 ②トリプタンの種類を変更する
 ③併用薬を検討する
 
 こういう所を工夫することで減ることがありますが、トリプタンの変更については好みもありますので、慣れたトリプタンから変更したがらない患者さんもいらっしゃいますので難しいところです。
 
 何かいい方法はないものか思案中です。
 具体的な方法で保険適応外の治療であれば、方法はあるのですが、決定的な方法がないのが現状です。
 

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 今日は頭痛の話ではありません。
 
 最近みた話で興味深い話がありました。
 アメリカからの報告です。「1996年→2010年の15年間で高度画像検査の施行数が大幅に増加し、CTで3倍、MRIで4倍になっていること、CTなどの施行増加に伴い放射線の測定被ば量もかなり増加していることがわっかた。」
 
 雑誌:JAMA 2012年;307:2400-2409
 
 報告者:UCSF Rebecca Smith-Bindman et. al
 
 この結果を踏まえてボストン大学のGeorge T OConor博士のコメントです。
 「これらのデータは、医師が医療過誤への不安から防衛的医療行為として必要以上の画像検査を行う割合が増加している。臨床医は放射線被ばくのリスクも考量して、十分患者と話し合う必要がある」と述べています。
 
 昨年か一昨年、ある論文でアメリカ以上に高度画像検査の頻度が多い日本では、検査に伴う被ばくでがん患者の割合が増加しているという論文もでており、大変興味深い論文です。
 確かに必要でない画像検査が行われているのは事実ですし、それが医師が求めてやるケースもあれば、患者が求めてやるケースもありますし、患者家族が求めるケースもあります。
 決して本末転倒にならないように委縮することはいけませんが、十分放射線被ばくの問題も考えていく必要があると思います。

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 皆さんは日本頭痛協会という組織を御存知でしょうか?
 
 全国慢性頭痛友の会という患者会があるのは私もよく知っていました。今年2月の研究会では会長の秋山さんおお話も聞くことができましたので、存じていたわけですが、日本頭痛協会は初めて知りました。
 
 HPアドレスがありますので、そこから飛んでいただいていいですし、日本頭痛協会で検索してもHitいたします。
 
 代表者は「頭痛大学」でもおなじみの間中信也先生ですし、日本頭痛学会の会長でもある坂井文彦先生からのメッセージや全国慢性頭痛友の会の会長でもある秋山さんからのメッセージもHPに載っていますので、それらの会からも承認された会です。
 
 もちろんMr.頭痛でもある間中先生が代表ですから間違いはないわけです。
 私も拝見しまして、これからな感は否めないHPではありますが、大変興味のあるHPです。
 
 私が見て驚きだったのは、2011年10月から2012年10月が国際頭痛年だったということです。
 
 実際頭痛診療に関わるものとしては恥ずかしながら初耳でした。いつ制定されたかも存じませんでした。
 
 ためになる内容も多いので、是非一度HPをご覧ください。
 

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 この1~2年テレビなどで話題になっています「脳過敏症候群」について日本頭痛学会からの正式なコメントがら8月14日にだされました。正式には日本頭痛学会のHPにも載せてありますので、見ていただければと考えています。

最近、マスコミで「脳過敏症候群」が何回か取り上げられましたが、その際に、「頭痛」と関連してまちがった情報が視聴者に伝わり、また医療現場でも混乱が生じました。日本頭痛学会理事会も、この状況を放置できないと憂慮しています。

ことの発端は、清水俊彦医師が、「耳鳴り・頭鳴りは脳過敏症候群によることが多く、脳波をとれば診断がつき、抗けいれん薬を飲めば治る。片頭痛などの慢性頭痛を適切な処置なしに放置したことによって発症するので、日本頭痛学会のホーム・ページに掲載されている頭痛専門医を受診すると良い。」という趣旨をテレビで繰り返し主張したことにあります。

この説は多くの視聴者に期待を持たせたようです。しかし、「脳過敏症候群」なる説を信じている日本頭痛学会の専門医はほとんどいません。「現時点では科学的根拠のない、個人的な考え」とみなされています。清水医師が強調する脳波の所見は正常人に日常的に見られる脳波である、と多くの研究者が考えています。また、過去に片頭痛のあった人が頑固な耳鳴りを起こしやすい、という説にも根拠がありません。

「脳過敏症候群」は清水医師により日本頭痛学会学術総会に報告され、議論されています。ただ、研究者の多くが清水医師の考えは科学的根拠に乏しいと指摘しているのが現状です。その点、一部のテレビ番組での「日本頭痛学会の会員の多くが認めている学説」とのコメントは正しくありません。日本頭痛学会が清水医師の治療法を「信憑性のあるもの」として是認しているかの誤解が、国民の皆様に伝わり、医療情報の混乱を招いたことは極めて遺憾です。

学問の進歩は日進月歩であり、頭痛関連の分野でも新たな研究成果と治療法の開発が強く望まれています。日本頭痛学会では、引き続き、頭痛について幅広く、また科学的な議論を会員全体で推進します。今後も正しい医学情報を社会に提供し、常に国民の皆様の健康増進に貢献する努力を続けてまいります。

これが会長からの正式なコメントです。
以前から私も、あまりにも「脳過敏症候群」の範疇が広げ過ぎていることについて異論がありました。
また実際患者さんが、「脳過敏症候群」でいらっしゃって、清水先生の言われる治療法で治療してもあまり効果がないのが実情です。逆に「脳過敏症候群」という概念を知らずして来院され、清水先生の言われる治療法で治療してうまくいくことはありますので、全く否定されるものでもないと思います。
しかし、今の伝え方は誤解を招きやすく、かえって患者さんが混乱されるので会長がこのような形で公式に見解をだされることは、大変いい事だと思います。

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 緊張型頭痛か後頭部~後頚部~両肩にかけての筋緊張が高くなっておこる頭痛です。もちろん、それ以外の要素が絡まっておこっている頭痛でもありますが、筋緊張が大きな要因になっております。

 薬物療法も有用ですが、非薬物療法も大変大事な役割を担っています。

 私自身は外来でもwalkingやswimmingなどの全身運動の有用性を説いてきましたが、それに加えて頭痛体操の必要性を話しています。

 頭痛体操というのは、いろんな先生が開発されて、いろんな形で発表されていますが、最も有名なものが東海大学の坂井文彦先生(現在:埼玉精神神経センター)が考案された頭痛体操です。

 エーザイ社からパンフレットが出されていますので、それを使って外来にて説明しています。

 この頭痛体操のいい点は
 “鷯錣亡蔽韻任錣りやすい。
 2分間ですべてできる手軽さ
 6枋シ親痛だけでなく、片頭痛の患者さんにも有効

 こういう点が非常に有用です。

 できるけど続けられないものもあるなか、これは簡単で継続できるところが大変いいところです。

 エーザイ社のHPでも公表されているようですので、ご参照ください。

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