2012年03月


ランキングに参加しています。是非クリックしてください。

 子供さんの片頭痛をみる機会も多くあります。

 数ヶ月前に幼稚園の年中さんが頭痛で来院。
 お母さんも片頭痛なので診断は迷うことありませんでした。

 ところが、いろいろ話している最中に徐々に顔色が悪くなり、激しく嘔吐しました。
 バタバタ走り回って片づけたりしていたら、その年中さんはスッキリ顔色が良くなりまして、頭痛(というか体調の悪さ)も改善して、ケロッと元気に帰られました。

 大人はなかなかこういうわけにはいきません。

 吐き気は落ち着いても、頭痛は引っ張っていきます。
 しかし、子供さんはもともと頭痛の持続時間が短く、消化器症状が強く出るケースも大変多いので、嘔吐してしますことで、スッキリなって全体症状もスッキリとなるのです。

 こういうケース多く見られます。

 小学生から下の年齢で、中学生以上ではこういうことはないようです。


ランキングに参加しています。是非クリックしてください。

https://sick.blogmura.com/headache/img/headache88_31.gif
にほんブログ村 病気ブログ 頭痛・片頭痛へ(文字をクリック)
ランキングに参加しています。是非クリックお願いいたします。

 私はヘンクツかもしれませんが、トリプタンを内服している患者さんが「鎮痛剤もしくは痛み止めがなくなりましたので来ました。」と言われて再診された時には、必ずこう言います。

 「トリプタン(それぞれの製品名)は片頭痛の機序を改善させる薬で、鎮痛剤や痛み止めではありません。」

 嫌味な感じですよね。周りの先生からは、「そんな言い方じゃなくてもいいんじゃない?!」とか「俺はハイハイと言って渡すよ」とか言われますが、私は嫌味であることを承知の上で鎮痛剤や痛み止めという呼称は使いませんし、患者さんにも使わさせません。

 それは、使っている薬が所謂鎮痛剤とは違うものであることを認識してほしいことや、併用療法をされる場合に間違って認識して欲しくないからです。

 患者さんも2-3度訂正させられると私に気を使ってか、そのような言い方はしなくなります。
 
 患者さんの中にもロキソニン・ボルタレン・セデス・イブなどとは違うものなんだと認識していただくことは大変大事だと考えています。

 それがひいてはNSAIDsとの併用療法の際に生きてきたり、薬物乱用頭痛にならなかったりとするものだと考えているからです。

 片頭痛をおこさないようにすることは私にはできません。上手なcontrolの仕方を覚えていただくことが今できる最高の治療だと考えています。ですから、きちんとした薬の情報を知っていただくことは必要なので、あえてそう言わせていただいております。


 前回のブログでコメントいただきまして誠にありがとうございました。私自身も患者さんにとっては、当たり前だと思われる事なのかもしれませんが、大変勉強になりました。

 さて今日は「頭痛外来をさまよう患者さん」というタイトルにしました。

 当院に頭痛で医療機関にかかるの初めてという患者さんも多くいらっしゃいますが、2ヶ所目、3ヶ所目という患者さんも珍しくありません。
 当地は比較的都会に位置しますので、同業者(頭痛を診ていただける医療機関)もたくさんいらっしゃいます。複数の医療機関を受診される患者さんは、お薬手帳を持参される患者さんも多く、今までの医療機関や処方薬もわかることが多くあります。

 患者さんを拝見すると診断も同じで、治療方法も基本的には大きな変化はないものです。

 もちろん診断が全く違うケースもあります。多くは緊張型頭痛の診断されていた人が片頭痛というケースで、片頭痛の診断が実は群発頭痛というのが次に続きます。そういう場合には診断を正確に伝えることがかなり治療がうまくいくケースだと考えます。

 同じ診断のケースの場合で、また異なる医療機関を受診される場合は純粋に、second opinionというケースもありますが、大半は不満なので変わるというケースです。
 例えば
 ①よく説明してくれない
 ②話を聞いてくれない
 ③薬が多い
 ④頭痛が改善しない
 ⑤相性が悪い

 こういう理由が多いようです。
 私としては④が一番多いのかと思いましたが、多くは①~③です。

 聞いてくれないし、説明もなく、薬だけ多くて効かないというケースもあります。

 頭痛診療はやはり、最初の病状の説明、薬の説明などに時間がかかります。何か所も受診した患者さんには、できるだけ納得いく説明しますが、そこで患者さんが満足していただけると治療が速やかにうまくいくケースが多いようです。

 やはり聞く・相手の立場を理解する・シンプルな処方で効果をみる

 こういうことが大事なようです。
 口で言うはやすく、おこなうは難しです。
 頑張っていきたいと思います。

https://sick.blogmura.com/headache/img/headache88_31.gif
にほんブログ村 病気ブログ 頭痛・片頭痛へ(文字をクリック)
ランキングに参加しています。是非クリックしてください。

 頭痛フォーラムでの話 第2段です。

 全国の頭痛外来をやっている先生5人にいろいろな話を聞くというコーナーがありました。
 中には女子医大の清水先生も入っていらっしゃいました。
 その中で興味深かった話として、それぞれの先生の「頭痛診療のモットー」について話していただきました。

 私自身の「頭痛診療のモットー」は
・頭痛の症状はひとそれぞれ、100人にいれば100通り
・頭痛診療は、患者さんに「自分の頭痛の専門家」になっていくお手伝い
・処方は少なく、説明は多く
 というところです。

 長島脳神経・頭痛クリニックの長島先生は
・わかりやすい診療
・EBMにもとずく診療
・シンプルな処方
 でした。わかありやすいモットーです。

 西宮市立病院の先生は
・痛みの本質を見据える。些細な相違を見逃さない
・慢性疼痛としての頭痛の位置ずけ
・3歩先を見つめ、2歩先を語り、1歩先を照らす

 それぞれ深い話でした。
 西宮市立病院の先生の最後のモットーはすべての診療に通ずるいい話です。
 私もそこを心がけていきたいです。

↑このページのトップヘ