2011年12月


2011年も今日で終ります。早かったような。早かったね。やっばり。

このブログも皆さんに読んでいただきまして誠にありがとうございます。

2~3週間滞ると患者さんからも、最近更新していませんねとツッコミいれられたりしますので、気合いを入れ直して頑張ったつもりですが、やはり年々更新頻度が落ち込んでいます。

来年は、もう少し更新頻度を上げていきたいです。

来年の今頃同じ反省をしないように頑張ります。

皆様よいお年をお迎え下さい。


当院は開業して丸4年を迎えます。
 この4年間で実は3人のくも膜下出血患者さんがいらっしゃいました。
 そうです歩いてきた患者さんです。

 今までの統計でもくも膜下出血の1割の患者さんは病院に歩いて受診されます。

 自治会などの講演でその話をすると皆さんに驚かれるのですが、事実1割は歩いてくるのです。

 皆さんやはり突然の頭痛での発症で、改善していない。夜が眠れない。薬の効きが悪いなどと言われてきます。一応脳外科の専門医ですので、3人とも検査の前にくも膜下出血ではないかと問診で感じたものでした。

 3人の中には当院受診前に内科で風邪ですねと言われた患者さんもいまして、頭痛はあなどれません。
 3人中2人は37-38℃代の発熱がありましたので、気持ちはわかるんですが、頭痛=くも膜下出血ではないのか?という気持ちで脳外科の医者は見ますので、そこの違いだと思います。

 ですから
 ①いつもと違う頭痛
 ②突然おこった強い頭痛
 ③改善しない頭痛
 ではくも膜下出血を念頭におくことが大変大事な問題です。

 頭の片隅に是非いれてください。

 クリスマス・お正月といよいよ年末の忙しい時期になってきました。

 今日のテーマは薬物乱用頭痛で治療がうまくいく人のパターンについて書きたいと思います。

 �自分が薬物乱用頭痛と認識していない
 �薬物乱用頭痛になってからの期間が短い
 �女性よりも男性
 �乱用薬物を徐々に止めるより、一気にやめる
 �定期的に受診が継続できる

 私が今の段階で言えるのは、この5つのpointだと思います。
 その中で明らかに�はうまくいく確率が高いように思います。つまり自分が気づいていないだけですから気づけば、簡単に立ち直れる人が多くいらっしゃいます。
 逆に薬物乱用頭痛で何軒か病院を回っている人は大変難しいわけです。自覚してやっているのにうまくいかないわけですから、とっておきの治療方法などない薬物乱用頭痛にとっては難しい範疇になります。
 
 また男性の患者さんは全体的なかずとしては9:1とか10:1と圧倒的に少ないのですが、乱用薬物を一気にやめれるケースが多く、治療結果はいいように思います。

 あとは、うまくいっていても、うまくいっていなくても定期的な受診ができる患者さんは少し遠回りしても最終的には治療がうまくいけケースが多いようです。

 来年の頭痛学会ではここらあたりをテーマに選んでみようかと思っています。


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今日は市販薬として買えるようになったロキソニンについてです。

以前は薬物乱用頭痛の原因薬剤として市販薬ではイブAかナロンエースですが、最近変化がありロキソニンが多くなってきているのです。

ロキソニンを選ぶ理由としては 、以前から内服してるからとか、病院で使われる薬からだからとかいうところが多いようです。

ロキソニンは薬剤師の問診などがないと購入できない薬なんですが、患者さんに聞くとほかの薬と同じように普通に購入できるということです。

これも困った話なんですが普通に買えて、薬剤師が話を聞いたりしないなんて、、、。もちろん薬剤師が話を聞いて購入したという患者さんもいますが、そうでない人もかなりいるようです。今度こっそり覆面調査して頭痛学会で報告しようかと企んでいます。

なんでこんな事を書くかと言うと、薬物乱用頭痛患者さんにならないように抑止力として薬剤師さんに期待しているわけです。ですから、それを果たさなくなってもらうのは非常に困るわけで、切実な問題です。

薬物乱用頭痛患者は当院の頭痛患者の15パーセントですから大変な問題です。パーセントが上がれば上がるほど外来が大変になってきますからー!

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 「試してがってん」放送以後、最初の2週間ほどではないが、ポツポツ患者さんがいらっしゃる。

 残念ながら清水・平田らが提唱する「脳過敏症候群」ではない患者さんが大半である。
 私は知らなかったが一般患者さん向けに清水先生は2種類の本を出されているようです。

私自身もNHKという大変影響力ある国営放送での番組に対して、このような患者さんに日の目があたり、解決できる患者さんもいうことで一定の理解を示してきました。しかし、結果としてどうだったでしょうか?!
 Happyになれた患者さんは1割程度で、失望した人が7-8割はいらっしゃたのではないでしょうか?
 反響が大きいのは事実で、期待していた人も多くいらっしゃったわけですが、実際の脳過敏症候群ってそこまでは多くないわけです。しかし、窓口を大きく広げた説明で症状の何かがかぶっていればその病気だと思っていらっしゃるのが現実です。

 「脳過敏症候群」をみてくれる医者がいなさすぎると言われた患者さんがいらっしゃいました。残念ながら私が見る限り「脳過敏症候群」ではなく、自律神経障害だと思われる患者さんでした。その患者さんは頭痛学会のHPを頼りに近くの医療機関を受診しているそうです。持ち上げられて、たたき落とされたような感じでしょう。

 難しいですね。
 全否定するつもりはないが、もう少し本筋が固まってからでもよかったのではいかと思う次第です。

 先日の日本頭痛学会でも私の発表の次の演題であった寺本先生が真っ向から反対するような演題を発表されていたのを思い出し、難しさばかりが去来します。

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