2011年06月

 前々回から引き続いて不登校x頭痛x子供です。
 
 実は我が家にも不登校x子供がいます。
 年長児の女児です。彼女は保育園にGW明けから全く通園していません。
 正確にはspecialなことがあった2回と、本人が行くといった1回の計3回通園しましたが、それ以外は全く通園できていません。通園拒否です。夫婦で頭を痛めていますが、兄弟たちは比較的暖かな目で見てくれているようです。
 
 頭痛持ちの家内の娘ですが、頭痛で行けてないわけではありません。
 親子の愛情が足りないのか、子供に向き合っていないためなのか、、、。皆目見当がつきません。
 毎日一緒に通勤している状況です。
 
 我が家の話はこれくらいにしたいと思います。
 
 頭痛diaryをつけていただくと、みなさん概ねきちんとつけてくれません。
 きちんとつけてくれる場合には母親がつけていることが多いようです。
 私はまず、きちんとつけていただくことを切に望みます。
 
 私自身は自分がみる子供さんであれば、親御さんにも、いついつからいついつまでは学校に行かなくていいですよねと言って完全に休ませることを提言して承諾していただきます。もちろん学校の先生にも休みの許可を取っていただくように親御さんに話します。
 そして、次にしていただくことは
 
 ①毎日決まった時間に寝て、起きていただく。
 ②日中は横にならないようにしていただく。
 ③塩分・水分を多めにとっていただく。
 ④できるだけ規則的な運動をしていただく。
 
 つまり起立性調節障害の治療を始めていきます。
 必要であればお薬を追加します。
 ビタミンB2、消化機能改善薬、IBSの薬、片頭痛の予防薬、昇圧剤、抗うつ薬などが使う薬になります。
 
 
 

 前回から引き続いて不登校x頭痛x子供です。
 
 不登校の割合は、厚生労働省の研究班(奥野班)によりますと中学生の1/25人、小学生1/40人だと言われています。
 また保健室の利用者も非常に増えていて、最近では「保健室の1時間ルール」というルールをとりきめている学校もあります。これは保健室で休むのは1時間までで、それで改善できない場合には家からお迎えにきていただいて、しかるべき医療機関を受診していただくというルールです。
 
 前回同様、私が見る限り不登校x頭痛x子供の特徴をもう少しあげてみます。
 ①小学生高学年~高校生で、小学生低学年はほとんどない。
 ②男女比は2:1で男性に多い。
 ③優等生タイプのお子さんに多い。いわゆる不良は来ません。
 ④親子関係(ここでは対母親です。)は良好。
 ⑤規則正しい生活を送れていない。
 ⑥起立性調節障害を併発している。
 ⑦薬が効きにくい。
 ⑧メンタルの問題を抱えている。
  ⅰ)父親 ⅱ)クラブ活動 ⅲ)学校の先生 ⅳ)友人
 
 などです。
 私にはとっておきのいい方法はありません。
 私が外来ですることは
 ①話を聞く
 ②頭痛の状況を頭痛ダイアリーに記載していただく
 ③治療を始める際には、学校をしばらく休むことを指示する。
 ④規則正しい生活を送るように話す。
 ⑤薬は最小限
 
 というところが手始めにやることです。
 決してうまくいくことばかりではないですが、簡単なアドバイスでうまくいくこともあります。
 からみついた糸を少しずつほぐしていくことが一番大事なことのように考えます。

 何か不謹慎なタイトルですいません。
 
 私も頭痛を見ていますと、やはり一定の割合でタイトルのような患者さんに出くわします。
 そのような患者さんの特徴を思いつくまま羅列しますと
 
 ①患者(小学校~高校生)が母親と一緒に来院。
 ②複数の医療機関の受診歴があります。
 ③頭痛がひどくて学校にいけませんと母親が言います。
 ④患者さんは病状について多くは語りません。
 ⑤患者さんは診察室で落ち着きがありません。
 ⑥どんな治療をしても悪くなっていきます。
 ⑦日・祝日・長期休暇中は比較的安定しています。
 ⑧受診時は、あまり頭痛が辛そうな雰囲気はありません。
 
 このような特徴があります。
 もちろん全部当てはまるものではありません。中には少ししかあてはまらない人もいれば、大半当てはまる人もいます。
 
 本当に頭痛で困っている患者さんは、辛い日と辛くない日がはっきりしていますので、学校に行ける日は行けますし、頭痛で行けないは行けないとはっきり差がでます。
 しかし不登校になっている場合は、痛い日と痛くない日があまり差がないような感じの子供さんが多いように思います。
 
 もちろん連日性片頭痛という病気もありますので、毎日何がしか痛い患者さんがいるのは確かだと思いますが、小学生から高校生までの間では、そのような患者さんは極めて稀のようです。

 うちの家内は片頭痛もちで、現在中3になる娘も片頭痛もちです。
 
 最近、年長になった娘も時々頭が痛くなることを話してくれます。私も外来で頭痛の子供さんをみることは、よくありますが年中さんはほとんどいなくて、多くは年長さんからです。そして女の子です。
 
 このくらいの年齢ではっきりと病状を伝えれるのは、圧倒的に女>男だからではないかとおもいます。自分の娘の同級生の男の話を聞いていれば、そのことも納得がいきます。男は、あれこれ言えてません。ですから頭痛は少なからずあるんでしょうけれど、うまく伝えれてないので受診しないということです。
 
 母親が片頭痛であれば、その母親の娘は約50%に、息子さんには約20%片頭痛もちになります。
 
 その母親が若い(小学校まで)時期に片頭痛が始まれば、その子供も早い時期に始まるようです。
 
 うちのように親子で片頭痛であれば、痛いこと・辛いこと わかりあえますが、そうでなければわかりあうことができず、片頭痛の子供さんは苦労します。
 逆に親が片頭痛もちであれば、なかなか受診にいたらず、親が片頭痛もちでなければ早めに受診する傾向にもあるようです。

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