2011年04月

 栃木県鹿沼市でクレーン車が歩道に突っ込み小学生6人が死亡した。
 たいへん痛ましい事故で、言葉がない。
 26歳の運転手は2008年4月にも小学生をはねる事故を起こし、執行猶予中だったとのことである。
 この時も、運転中にてんかん発作をおこして人をはねている。
 
 私も外来にてたくさんのてんかん患者さんを見ている。
 中には薬さえ内服をきちんとしていれば発作もおこらず一般のドライバーと同じようにやっている患者さんもいる。時々はこのような事故があるので、注意を促しているが、今までに大きな問題になっていない。
 
 また中には車の免許をとりたいが、なかなかcontrolできずに困っている患者さんがいるのも確かである。
 
 ただでさえ、てんかん患者さんは偏見をもたれかねない。人口の約1%と神経系の病気では圧倒的に頻度の高い疾患である。このような事故がおこると、益々偏見をもたれかねない由々しき問題です。
 
 controlできている患者さんは今まで通り最新の注意で運転してほしいと思うが、controlがまだ十分でない患者さんについては、よく考えていただきたい思います。

 ここでロキソニンSの話題を書きますと、患者さんから読みましたよの話をよく聞きます。
 
 ロキソニンSを販売している会社のMRさんと話してもOTCについては全くご存じないようです。
 またそのMRさんから各診療所の先生方からお小言をいただき、正直つらいと話してくれました。
 
 私がロキソニンSのTVCMも始まり、販売量が格段に増えていることを伝えるとビックリしていました。
 マイナスの面ばかりを私が書きますが、ある一定の患者さんにとっては大変プラスであることは間違いないです。一定というと少ないようですが、それでもかなりの人数だと思われます。
 
 「薬はリスク」でもあります。
 今後ロキソニンSによる薬物乱用頭痛が更に増えることが予想され、どのように啓蒙していくかというのをドラッグストアと共同して考えないといけないと思います。
 
 いいアイデアが欲しいものです。

 一時期、薬物乱用頭痛の患者さんが減る時期がありましたが、3月下旬からボチボチ新患としていらっしゃっています。
 
 ここのところOTCの鎮痛剤の話題はロキソニンです。
 ロキソニンは第一類医薬品となっている薬です。
 
 現在は一般用医薬品は薬剤師による対面販売が原則ですが、2009年4月から改正薬事法が施行され、副作用リスクの低い一部医薬品については登録販売者が販売できるようになります。 それが、第ニ類医薬品・第三類医薬品です。第一類の医薬品は、相変わらず薬剤師が必ず顧客と対面して販売しなければならないOTC薬です。
 
 しかし患者さんに聞くと第二類医薬品と販売方法に差はないのが現状です。
 ドラッグストアで購入された患者さんから聴取したところ、イブやナロンエースと同じように簡単に購入でき、薬剤師から話を聞かれたりすることはないとのことでした。
 
 つまり第一類・二類・三類と区別してあるようですが、全く買う側としては認知できていないレベルのようです。
 薬物乱用頭痛の患者さんは、今までの薬からどんどんロキソニンにスイッチしている現状があります。
 
 困っています。大変困っています。どうしたらいいでしょうか?

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