2010年04月

 「自分の頭痛の専門家になってください。」
 
 これが私の最近の流行のフレーズです。
 この言葉の発信源は京都で開業されている立岡先生と頭痛診療の第一人者の先生がよく使われている言葉です。私も初診の患者さんへは必ずこの言葉を伝えています。
 
 この言葉すごくいい言葉で、患者さんの多くは頭が痛くないときに受診され、いろいろ説明をうけるわけですが、実際痛いときに薬をのんでいいかどうかは自分で判断しないといけません。ですから必ず自分の頭痛の専門家になっていただけなければいけないのです。私たちはそれをお手伝いするのが頭痛専門医の仕事ということになります。
 
 患者さんは、段々慣れてこられるとこの言葉の持つ意味を十分理解されてこられます。
 そうなると、まずまず自分の頭痛の専門家になってらっしゃると言ってもいいわけです。
 
 言うは易く行うは難し いつでもそうなんですが、簡単にはいかないのも事実なんですが、ならうべく一人でも多くの自分の頭痛の専門家お作っていきたいと思っています。

 今日は最新の片頭痛研究ネタです。
 Archives of Dermatology 2010:146:156-163
 
 以前から顔のシワとりでボツリヌス毒素を注射すると片頭痛が軽減することが知られていたのですが、その後あちらこちらで試験するとあまりいい結果はでていません。
 
 日本でも難治性の片頭痛にボツリヌス治療を行われている先生は少しですが、いらっしゃって、そこそこの効果があるように聞いています。
 
 Christine C. Kim先生が18人に対して治療したところ13人で非常に効果があり、1ケ月の片頭痛の頻度が6.8日から0.7日に減少したと報告しています。
 
 この機序としては痛みが伝わるblockしてあげるためだと結論していますが、何せ数が少ないので何ともいえませんね。もう少し多い数でいい結果がでればいいのにと思う論文でした。

 
 頭痛日記のネタとしていかがなものかなんですが ついにうちの診療所のカルテ番号が5000人を超えました。
 
 それも今日の診療でバタバタしているうちに何の感慨もなく、気がつくと超えていました。「あ~ビックリ」って感じでした。
 
 H20年1月15日の開業で、今日がH22年4月14日ですので、丸2年3ヶ月かかりました。
 1ヶ月すると平均で185人にきていただいている計算になります。
 
 本当にありがたいです。
 
 来ていただいた患者さんに感謝・感謝です。
 
 これからも一人でも多くの患者さんに満足していただくように努力していく所存です。
 
 これからも何卒よろしくお願いいたします。

 キムタクコーチが亡くなられて数日が経ちます。
 
 先週はうちの診療所には脳ドックやMRIの問い合わせが普段の数倍あってました。
 それと同時に普段はあまり多くない30~40歳代の患者さんの受診が増えています。
 口々にキムタクコーチの話がでてきます。
 
 TVでも特別な前兆がないこと、脳ドックくらいしか予防できる方法がないことを言ってますので、受診につながっているようです。
 以前、小渕首相がなくなった時、長嶋監督が倒れた時など一過性に受診が増えたことがありましたが、いずれも同世代の方ばかりで、特異な感じはありませんでしたが、今回ばかりは37歳と働き盛りの年齢だけに若い人の受診に繋がっているようです。
 
 まあ私も世代的に近いので受診される患者さんのお気持ちは十分理解できます。
 
 しかし、まあ本当に受診が必要な患者さんは意外に受診しないのが世の常でもあります。
 
 これを機会に自分の体を見つめなおすいい機会になっていただければ、亡くなられたキムタクコーチのためにもなるのではないかなあと考えています。

 本日午前3時22分ジャイアンツの木村コーチがくも膜下出血でなくなりました。
 
 原監督の涙ながら記者会見もつらかった。
 本人はもちろんのこと、ご家族も無念でならないと思います。
 
 ご家族の住んでいる広島で、それもジャイアンツのユニフォームを着た状態で倒れたところはキムタクコーチらしい話なのですが、37歳。若い。若いよね~。
 
 ある一面では客観的にくも膜下出血は20-30歳代は決して珍しくないとは言いますが、やはり若い。
 
 TVの感じでは、恐らく動脈瘤が破裂して心肺停止状態になって、病院についてすぐに脳死状態になったのではと推測します。
 
 早速、本日の外来にもその件を心配して来院される30-40歳代の患者さんがいらっしゃいました。世の中に及ぼす影響はすごいものです。
 
 キムタクコーチのご冥福を切に願います。

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