2010年03月

 今月がもうすぐ終わるんですが、ネタをほとんど書いていなくてビックリしています。
 
 さて今回も新しい研究発表ネタです。
 Ameica Journal of Medicine2010:231-237からの報告です。
 
 1986年の登録時に26917例の患者さんに鎮痛剤の使用の有無を調べていったところ、鎮痛剤をよく使用する人は難聴になりやすいというデータが発表されました。
 使用期間が長ければ長いほど、その傾向が強くなるようです。
 
 この事実も怖いですよね・
 50歳以下の難聴では、鎮痛剤の使用の有無を尋ねる必要があるようです。
 
 いずれにしても飲みすぎはいろんな意味でよくないですね。

 「足の裏の米粒」

 なんじゃあ そのテーマという感じですよね。今日のテーマです。

 実は先日、日本頭痛学会から連絡がありました。頭痛専門医として一定の期間が過ぎましたので「指導医」になりませんかという連絡です。内規がいくつもあって、クリアーできるなら委員会にかけて晴れて「指導医」となるわけです。

 幸い、内規はクリアーできそうなので、よっぽどのことがない限り「指導医」になれると思うのですが、この件である先輩(頭痛専門医)から「指導医はどうする~?」という話になりました。

 「足の裏の米粒」みたいなものですから、取れるなら取っときましょうよということで一緒に申請することにしたわけです。その先輩は大変立派な先生ですから、細々したことには気になさらないのですが、やはり取れるものは取っておきたいというのは真理なのではないでしょうか?!

 実は今から25年も前に大学1年生のころに医者=医学博士だという話を聞かされました。博士という学位は「足の裏の米粒」みたいなもので、とっても栄養にならないけれど、取っとかないと気持ち悪いので学位をとるんだという話です。

 医学博士以外の博士号は大変価値のあるものですが、医学博士は大量生産されていまして本当にありがたみのないものになっています。また専門医・指導医もそれと似たようなものです。でもやはり「足の裏の米粒」はきちんと取っておかないと気になりますよね~。

 今日は最近の片頭痛の新しい知見です。

 昨年もこの話が論文ででましたのでご紹介したと思いますが、その続きの話です。

 米アルバート・アインシュタイン医科大学のRichard B Lipton氏らは,前兆を伴う片頭痛の急性期治療のための新しい携帯型単一パルス経頭蓋磁気刺激(sTMS)装置を用いた。
治療後2時間,24時間,48時間でも優れた効果が認められ,有害事象の発生率や程度には違いが見られなかったと報告した
(The Lancet Neurology 3月4日オンライン版)。

 この治療方法は難治性のうつ病でも効果がある方法で、引き続き治験が行われています。

 片頭痛にもどうもいいだろうという話なのですが、日本ではこの方法は全く取り入れられていません。まあ恐らく日本という国は恐ろしいほど治験のやりにくい国ですからね、経頭蓋磁気刺激なんてとんでもないと厚生労働省のお役人はそう思われているものと思います。

 しかし、ちかじか その厚生労働省から薬物乱用頭痛についての通達がでるという話を聞きました。若干遅いのですが、われわれの地道な努力がやっと厚生労働省に届いた感じで大変うれしいです。

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