2010年02月

 土日で東京の頭痛研究会に行ってまいりました。
 
 この会は毎年2月~3月の日曜日に東京の新高輪プリンスホテルで行われます。ここ数年毎年参加しています。今年は東京マラソンとかぶってしまって大変だと思ってましたが、いつも通りで大丈夫でした。

 私自身は2月のこの会と、10月の別の研究会、11月の頭痛学会はここ数年ずっと参加して、新しい情報の収集とopinion leadrの先生との意見交換は診療するうえで非常に大切にいています。

 その中でも東京女子医大の頭痛外来の清水先生は毎回楽しみにしています。
 清水先生はこの1-2年は「片頭痛」=脳の嵐。神経の過敏性を呈する状態。というふうに定義されています。ですから鎮痛剤内服では過敏性がとれないので予防療法やトリプタンの頓服などで過敏性を改善しないといけないですよという話をされています。

 この話は片頭痛を語るのには大変重要な話で、ここ1-2年は外来でも折にふれては、このような話をよくしています。しかし、なかなか患者さんの胸には十分届いていないのかなかなか病状説明は難しいものですね。

 さて明日からもまた頑張りましょう~!

 今回も新しい研究発表です。特別に「え~っ」という話ではないのですが、JAMAという雑誌にのった論文をご報告してみます。

英国立神経・神経外科病院神経学研究所のAnna S. Cohen博士らは「眼やこめかみ付近に,非常に激しい痛みが一定期間継続する群発頭痛の患者は,純酸素吸入法により15分以内に痛みが消失しやすい」とする研究結果をJAMA(2009; 302: 2451-2457)に発表した。

 Cohen博士らは,成人109例(18~70歳)を対象に,群発頭痛の急性発作に対する純酸素吸入法のプラセボ対照ランダム化比較試験を行った。被験者は,4回の群発頭痛発作に対する治療として,酸素吸入(100%酸素,12L/分,顔面マスクでの吸入を発作開始から15分)またはプラセボ吸入(高流量の空気)を交互に受けた。患者登録と追跡調査は2002~07年に行われた。最終的な解析対象は反復性群発頭痛57例と慢性群発頭痛19例であった。

 同博士らは「酸素吸入を受けた患者の78%で吸入15分以内に頭痛の消失または十分な緩和が認められたが,プラセボ吸入を受けた患者でそのような改善が認められたのは20%であった」と報告している。また,30分後に痛みが消失しているか,頭痛の軽減が60分間維持されたかなどのアウトカムに関しても,酸素吸入はプラセボ吸入よりも優れていた。さらに,治療に関連した重度の有害事象は認められなかった。

 確かに教科書的にも群発頭痛の患者さんは発作時には純酸素吸入ですが、実際は患者さんは発作中には来てくれません。痛みが落ち着かない限り受診しないのであれば、患者さんはmeritを享受できないわけです。これもジレンマなんですよね。

 最近、めっきり紹介していないことに気がつきました。
 片頭痛の最新の研究報告についてです。

 米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)神経学教授のRichard B. Lipton博士からの報告です。Neurologyの2月号に掲載された今回の研究では、片頭痛を有する6,102人と片頭痛のない5,243人を比較。研究の結果、片頭痛患者における心臓発作の発生率は4.1%、片頭痛のない人では1.9%であることが判明した。

 以前の研究では、心臓障害や脳卒中などの心血管障害と片頭痛との関連が示されており、女性のみを対象とした研究では、特に前兆と呼ばれる視覚障害を伴う片頭痛を有する場合に脳卒中の発生率が上昇することが示され(女性は片頭痛を有する可能性が男性の最大4倍高い)、男性のみを対象とした別の研究では、心疾患のリスク増大が示されています。

 なんか書けば書くほど片頭痛患者さんは大きな病気が多いような気がしてなりませんが、多くの患者さんは特に困っていないのは事実なんです。
 たくさんの報告を集めればそうなのかなあと感じた発表でした。

 みなさんはどう思われますか?

 先週からネットの接続がうまくいかず、ずいぶんと長い間更新できていませんでした。

 どんな不具合かわかりませんが、よっとつながるようになりました。

 ネットはつながって当たり前ですので、つながらないと相当イライラで、まさに「頭痛の種」でした。

 やっとなおってホットしまいた。

 あって当たりまえですので、ないと非常に不便なものなんですね~。

 日曜日にラグビーのコーチングの勉強に行ってきました。
 そこで非常に心に残った言葉がありますので、ご紹介します。 

 フランスのロジャ・ルメ-ルという元サッカーフランス代表監督の言葉です。

 「学ぶことをやめたら
        指導することもやめなければならない」

 含蓄のある言葉ですよね。

 われわれ医師も学ぶことをやめたなら、患者さんをみることはやめなければならないのです。

 学問は他の人から聞いたり、学んだり、本を読んだりして知識を増やすことも大事です。それ以上に患者さんから学ぶことのほうが本当に多いのだと考える今日このころです。

 常に学ぶという気持ちを忘れずに頑張りたいです。

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