2009年07月

 頭痛で来られる患者さんの中には、ずっと緊張型頭痛と言われていますという患者さんもおいでになります。ずっとと言うのは、1ヶ所の施設でそう言われて治療していますというものから、数ケ所の施設で言われていると方もいます。

 その中には当然緊張型頭痛で問題ない患者さんも多いのですが、明らかに片頭痛だと思われる患者さんも多くいらっしゃいます。

 以前も書いたと思いますが、一般論として「繰り返す頭痛」を主訴に来院される患者さんの84%は片頭痛なのです。ですから、頭痛が繰り返す場合のほとんどが片頭痛なのです。

 その中で最も緊張型頭痛に間違われる症状が「肩こり」があるという点です。
 片頭痛の患者さんの75%に「肩こり」があるので、肩こりがあれば緊張型頭痛と考えるのは浅はかなのです。

 片頭痛の患者さんの話を聞きますと、朝起きた時に肩がバーンとはっていて、それからガンガンと来るのですと話される患者さんが非常に多いのです。これは典型的な片頭痛の症状であって、緊張型頭痛ではないのです。

 緊張型頭痛は朝から頭痛が起こることは少なく、午後から夕方にかけて頭痛がでてくるものなのです。またあっためると頭痛がよくなるのは緊張型で、冷やすとよくなるのが片頭痛です。

 少し丁寧にポイントを聞けば簡単に判断できるのですが、それがなかなかできていない実情があります。

 雨がふります。

 元気に咲いていた朝顔が昨日の雨と風で今朝はたたきつけられていました。
 雨に降られながら必死の想いで立て直しました。これで枯れなければいいけど、、、。 です。

 さて雨がふる。つまり低気圧が多い。ということも少なからず関係あるのでしょうけど頭痛患者さんが多い。先日も今日も 当院の診療範囲よりずいぶん離れた所からHPを見ておいでになっていました。

 今日のネタも薬物乱用頭痛です。

 市販薬の飲みすぎでは9割はイブAかナロンエースであることは以前も書きました。
 
 病院で処方される薬では圧倒的に「ロキソニン」か「ボルタレン」で9割です。
 以前は頭痛もちの看護師の常備薬は「セデス」と決まっていたんですが、内容成分が変更になってからは「セデス」は激減しています。

 「セデス」は「SG顆粒」と名前を変えて出されていますが、以前の人気は全くなく、今はロキソニン、ボルタレンにその座を取って代わられています。

 整形外科にとっては必須の薬ですが、私たち頭痛専門医にとってはNSAIDsの辛い辛い経験も多く、困ってしまうことも多いのが事実です。

 薬として使う分には全く問題ないのですが、使いすぎて毒になっている患者さんが最近目立っています。

 いずれにしても鎮痛剤の飲みすぎには要注意ですよ~!

 最近ブログさぼってますねという言葉を戴き、大慌てで書いています。

 最近、HPを見て遠方から来院される患者さんが目立ちます。今日も、前もって受付さんへの相談があってましたが、皆さんお困りなんだと痛感する次第です。

 先日も70歳代の薬物乱用頭痛の患者さんが遠くからおいでになりました。
 
 非常に品のよいご婦人でしたが、ある鎮痛剤がやめれないとのことで、娘さん達が心配されて来院されていました。

 私が経験する薬物乱用頭痛は20歳代~40歳代が大半で、70歳代までいらっしゃるとはビックリいたしました。

 最終的には、その薬をやめる以外の方法はないことを時間をかけて説明させていただきましたが、70歳代となるとなかなか難しいようです。一緒においでになった娘さんがたは共に流涙され、ことの重大性に気がつかれて思いを新たにされていました。

 それが、なかなか本人にまでは伝わらず、歯がゆい思いはありますが、周りの娘さんのサポートできっと離脱してくれると強く信じています。

 薬物乱用頭痛の患者さんの多くは自分で駄目だと思われて来院されるケースですが、このように自覚がないままつれてこられるケースは難渋します。

 ぜひ離脱してほしいと願うばかりです。

 

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