2009年02月

 片頭痛患者さんは脳梗塞をおこしやすいことが大変よく知られています。いろんな報告がありますが、約1.5倍くらい多いとされています。

 片頭痛の患者さんは基本的に血圧が低いことが多く、高血圧を呈する患者さんは1%程度という報告があり、脳梗塞最大の危険因子である高血圧が少ないので、なりにくくてもいいと思われますが、それが反対になりやすいいということです。

 1997年に北里大学の坂井先生の報告では、40歳未満の方でMRIを施行し、何らかの所見を認めた人が11.2%であったのに対し、片頭痛では29.4%もMRI上での異常が指摘されたと報告しています。

 もちろんこれは全てが病気ではないし、更には脳梗塞ではないわけです。
 それにしても多い結果なんですね。

 片頭痛・片頭痛と簡単に言うもののされど片頭痛なんです。

 きちんと治療しないことで、自分の人生を大きく変えることになるかもしれません。

 片頭痛は脳血管の異常な拡張とそれに伴う炎症が原因なのですから、決してあなどってはいけないのです。

 片頭痛の患者さんいは約75%に肩こりを伴うと言われています。

 当院にいらっしゃる患者さんでも、肩こりがある片頭痛患者さんはたくさんいらっしゃって、キチンと計ったわけではないですが、実感として3/4はいらっしゃると思います。

 それらの患者さんは少なくとも半分以上の確率で、前医で「緊張型頭痛」と診断されています。
 
  肩こり=緊張型

 という簡単な図式が目に浮かびます。片頭痛患者さんの82%は過去に片頭痛と診断された経験があるという報告もありますので、かなり誤診されているわけです。

 実際片頭痛の患者さんお肩こりで多いのは
 ‘痛がおこりそうな時 84%
 頭痛が始まってから  45%
 F痛がピークの時   29%
 て痛の始まりかけ    5%

 という統計があります。

 緊張型頭痛は始終肩がこっているわけですが、片頭痛の場合には発作の時に痛くなるわけです。ですから片頭痛の患者さんの場合には肩こりがおこりだしたら、それは即 片頭痛発作のサインと考えていただいていいと思います。

 今日2月22日は「頭痛の日」です。

 実は私も知りませんでした。

 今日は東京で頭痛の研究会があったのですが、その会場で「頭痛大学」で有名な間中先生がそうおっしゃってました。

 へえ~頭痛の日かと感慨深かったですね。そんな日に頭痛の研究会とはタイムリーな話でした。

 内容は盛りだくさんでしたが、これは後日少しずつ小出し小出しで報告していきます。

 土曜日の診療をバタバタ終わらせ、さらに予定していた飛行機が北海道の悪天候で中止という悪条件を克服しての研究会でしたので、何かものにしてと思って聞いて来ました。

 大相撲の舞の海秀平さんも患者さん代表として話したり、内容豊富でした。

 またこの件については後日報告いたします。

 うちの診療所においでになる頭痛患者さんの特徴は?

 「小児の片頭痛 & 薬物乱用頭痛」です。

 薬物乱用頭痛になる薬はいつも書いていますが基本的には市販薬(イブA&ナロンエース)が多いのですが、市販薬以外ではロキソニンが圧倒的に多いのです。

 最近も70歳代の女性ですが、頭痛があってロキソニンをもらっていた。
 最初は時々内服していたのですが、それが毎朝になり、次には朝、昼の1日2回になり、しまいには1日3回ロキソニンを内服するようになり、わずか2年あまりで常用になっているのです。

 患者さんに聞けば、痛くなってから飲むのは遅いので早め早めにということで、1日3回キチンキチンと内服するようにしたとのことであった。
 恐らく、数ヶ月後にはそれで納まらなくなり、朝・昼・晩・寝る前になるのは目に見えています。そしてもう内服しても効果がないために、他の薬も併用したりが始まるわけです。

 事情を説明してもしても患者さんが薬をやめるという気持ちはないらしく、1日3回まで内服していい薬だから、なぜいけないの?ということになり、その先生は飲んでいいよと言われたと言われて困り果てるわけです。

 とことんまでいくしかないのかなあと匙を投げたくなりますが、最初の段階で1日3回まで内服していいことになっているという認識がここまでさせた犯人なのです。

 頭痛で薬を適切に与えないと鎮痛剤の量だけがドンドン増えていきます。
 確実に効かなくなる。その認識を先生方にもぜひ持ってもらいたい願うばかりな今日この頃です。

 このブログでも私がいつも書くことですが
 ‘痛診療はまずクモ膜下出血を除外すること
 ▲モ膜下出血の1割は歩いて診療所を訪れる
 ということです。

 最近、また歩いてクモ膜下出血の患者さんが歩いてみえました。
 64歳 女性
 クモ膜下出血は男:女=1:2と女性に多い病気です。
 ‘団的な今日の午後1時から急に頭が痛くなりました。
 △修譴らずっと頭が痛いです。

 クモ膜下出血は発症時期がここと限定できることが多く、頭痛の程度が強いことが特徴的なのですが、看護師さんが病歴を聞いて「SAH(クモ膜下出血のこと)くさいですね~?!」
 そう。こう聞けば、クモ膜下出血だと認識しないはずがありません。

 MRI検査にてクモ膜下出血と診断し、大きな病院で治療をうけられるために救急車で転院されました。

 クモ膜下出血は1割から1.5割は診療所に歩いてくるのです。

 みなさん注意してください。時間が限定された厳しい頭痛は要注意です。

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