2008年11月

 最近、片頭痛患者さんの来院が多くなってきました。

 皆さんのお話を聞くと本当に辛いし、大変だな~?!とつくづく思います。
 
 頭痛に理解のある先生のところに通われている患者さんはいいんですが、行く病院行く病院でCTやらMRIとられて異常ない異常ないと言われて、頭痛は治らず、お金だけかかって、病院不信になられている患者さんもたくさんいらっしゃいます。

 私は初回時には検査しますが、あちこち病院かかられている患者さんや、きちんとした手順で片頭痛と診断されていらっしゃる患者さんには検査は行っていません。

 いつも書くように100人の頭痛患者さんがいれば頭痛は100種類。
 一人として同じ頭痛はありません。

 (卞痛はなくすことはできません
 △靴し、片頭痛の発作を減らすことは可能です
 また片頭痛の程度を軽くすることも可能です
 い修靴栃卞痛の発作がおこっても、なるべく早く痛みを取ってあげることも可能です

 患者さんの希望をなくさないように
 そして患者さんの今の状態を正確に把握して伝える
 これからの見通しや、治療の方法を話して  
 お互い、bestな治療を探すことなんです

 でも難しいのは難しいですね。

 一人でも多く治せるようにと思いながら診療を行う日々です。

 昨日はあるホテルで主に消化器疾患を中心にみていらしゃいます開業医の先生方5人を相手に頭痛の小さな勉強会をやってまいりました。

 頭痛診療に比較的興味のある先生からそうでもない先生までいらっしゃいますので、どの程度の内容にするかで困るところです。

 そこでの質問で「70歳代のおばあちゃんが、いつも片頭痛の薬をもらっていくんだけど、こんな年齢でも片頭痛はあるのですか?」という質問でした。

 経験的には50歳代の片頭痛はざらにあります。
 60歳代前半はないことはないが、少ないです。
 70歳代は「う~ん経験ないなあ~?!」です。

 頭痛はあるのは間違いないと思いますが、片頭痛ではなくて混合型から片頭痛の要素がずいぶん抜けたものではないかと思います。恐らくトリプタンが効いているのではなくて、薬を飲むという行いが効いているのではないでしょうかと話しました。

 皆さんそれぞれ診療の悩みがあるようで、その手伝いに少しはなれたのではないかと思います。

 また私も専門ではない先生の話を聞くことで、診療の手助けになりますし、また次回このような会をするときにpointがつかめるので大歓迎です。

 麻生太郎首相は医師不足問題に関連し「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保が大変なのはよく分かる。社会的常識がかなり欠落している人が多い。ものすごく価値観が違う」と発言した。

 地域や診療科により医師不足が深刻な現状に関し、医師の資質自体にも原因があるとの見方を示したとみられる。首相は同日夜、記者団に発言の真意を問われ「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば申し訳ない」と陳謝したが、医師の団体は強く反発しており、波紋が広がりそうだ。

 知事会議で、首相は「小児科、婦人科といったところは急患が多いから、みんな医師が引く。そういう診療科は(診療報酬の)点数を引き上げればいい」と指摘。その上で「これだけ医師不足が激しくなれば責任は医師側にあるのではないか」と述べた。


 まず医師は社会的常識にかけている人が多いというのは私も実感しています。
 私もそうだし、周りにもそんな人が多いと感じるからです。
 しかし、確実に言えることはこのような話をすれば業界の反発がおこることがわかりきっているのに発言する総理は社会的常識がかなり欠落しています。

 価値観が違う。
 あたりまえです。一国の総理大臣と医師の価値観が同じであったら、大変です。
 麻生飯塚病院の先生方 大変ですね。憤りの持って行き場がないですよね。

 医師不足が激しくなれば責任は医師側にある。という発言ですが、これは違いますね。
 政府の責任です。以前も書きましたが医師不足ではなくて、医師の偏在が問題なのですから、そこをいじらないで、数だけ増やすのはアホでしょう~。
 間違いない。それプラスの問題もあります。
 これも以前書きましたが、治療結果が悪ければ全国ニュースで顔、名前、病院、診療科など広く発表される国ですから、あえて火中の栗を拾わなくなってきた現況を変えることも大切だということを理解できてない無能さにあると確信しています。

 インフルエンザ予防接種の患者さんが多く、最近は子供さんの片頭痛を多く拝見しています。

 子供の片頭痛では、片頭痛でありながら頭痛がほとんどなく、顔面蒼白・腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状が前面にでる患者さんがいらっしゃいます。

 頭痛がなくて腹部症状だけですので腹部片頭痛とも呼ばれます。

 このタイプは8割が母親もしくは父親、兄弟に片頭痛の既往があり。
 ほぼ全員が突然に顔面蒼白になって症状が出現し、早ければ1時間。多くは3時間以内で症状が改善するのが特徴です。

 内科や小児科で精査されても異常所見はなく、盲腸と間違われて手術されたり、小学生で大腸ファイバーされて過敏性腸症候群と呼ばれたりすることも多いようです。

 周期性嘔吐症とは親戚みたいなものとも言われています。

 高校生くらいになると腹部症状より頭痛がmainになってきますので、時間がずいぶんたってから診断がつくケースも珍しくありません。

 片頭痛患者さんにアレルギー疾患が併存していることは度々ふれています。

 気管支ぜんそく・花粉症・鼻炎・副鼻腔炎

 これらの疾患をもっていらっしゃることが多く、片頭痛の約5割の患者さんがもっているという統計があります。

 最近こられた30歳代の女性ですが、以前から気管支ぜんそくで治療中だったのですが、最近ひどい発作を繰り返すために呼吸器内科へ入院されたとのことでした。

 そうしたところ発作があれば、そのあと片頭痛の発作があって大変だったようです。

 もちろん「ヒューヒュー」している時に頭痛はおこりませんが、そにかく入院中は片頭痛も頻発したとのことでした。

 片頭痛の原因は不明なのですが三叉神経血管説といって、三叉神経が関与していることは間違いないようですが、その三叉神経の痛みを伝える閾値が下がるんだと思われます。

 どうか片頭痛をお持ちの皆さんで不幸にも上記のようなアレルギー性疾患をお持ちの方は是非controlに細心の注意をはらってください!

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