2008年10月

 今週月曜日でしたが、近くの薬局で薬剤師さん20人ぐらい集まって頭痛の話をしてまいりました。

 E社からの依頼でもありましたが、別にメーカーに肩入れするわけでなく、普段の診療で患者さんに対して話している内容や薬剤師さんへのお願いや患者さんへの指導などを中心にお話ししてきました。

 1時間と言われてたのですが、スライド随分と作り直したので時間配分がわからなかったことと、どんどん脱線したために15分も余計にしゃべってしまいました。

 5-6ヶ所の薬局からみえていましたが、皆さん非常に熱心で質問もたくさん多く、私にとっては薬剤師さんがどんなpointが知りたいのかが十分わかりましたので、大変意義の深い会になりました。

 それと皆さんが鎮痛剤を乱用されている患者さんが周りにたくさんいらっしゃって困っているという問題点も明らかになりました。我々も同様に悩んでいることも伝えることができましたので、それも大変意義深いことでした。

 また機会があれば頭痛診療(特に片頭痛)について啓蒙していきたいなあと思いました。

 週末を利用してF社の頭痛勉強会に参加してきました。

 この会は今回が3回目で、毎年出席しています。主に頭痛診療を積極的にやられている先生ばかりが出席され、ほとんどが頭痛専門医をおもちのようです。

 外来をバタバタ終わらせ、当然その中には片頭痛の患者さんも多く来られていました。1時半の新幹線にのりこみ、午後4時の会に何とか間に合わせました。

 small groupで討論するのが会のmainなのですが、これがなかなか白熱します。リーダーの先生方が進行していくのですが、どの先生どの先生もその道のプロですから、なかなか収束しません。

 私は薬物乱用頭痛のパートに参加していましたが、なかなか皆さん苦労されているようでした。

 この頭痛はもともと
 …?戞ι囘戮箸發剖い片頭痛がある
 ∪鎖静な要因をもともとお持ちで、薬物依存傾向がある
 2燭を機に頭痛が悪化する
 そ藉錝奮で適切な指導がなされない

 最終的には問題となっている薬物を中止する以外に治療方法はないのですが、それがなかなか難しいのです。そんな皆さんの悩みを聞き、それぞれの対処方法を教えていただきました。

 またこれを今日からの診療の糧にしていきたいと思います。

 私はもともと脳神経外科医でして、一応専門医なども持っており、毎月毎月脳神経外科学会から学会誌が郵送されてきます。毎年この季節になると脳神経外科の訓練施設の動向が掲載されます。

 具体的に言いますと、今年新たに脳神経外科学会の認定訓練施設になった施設が9施設ありました。逆に医師不足などの理由で訓練施設を返上した施設が44施設ありました。

 2年前は21施設が新たに認定され、36施設が返上し、1年前24施設が新たに認定され、54施設が返上しています。

 この3年間で脳神経外科医の施設が全国でどんどん減少していることになります。もちろん集約化されて、1施設の規模が大きくなることは歓迎されることですが、脳神経外科医になる人が2004年から激減しているのが大きな原因と言われています。

 3K(きつい・汚い・危険)だけでなく、給料が安い・休暇がとれない・結婚できない・子供と逢えないなどこじつけのKもたくさんありますが、とにかく成り手がいません。私の母校ではもう5年も脳神経外科へ入局してくれません。

 日本はよその国に比べて極端に脳外科医が多いとバッシングされることもあるのですが、手術だけしておけばいい国と日本では環境があまりにもかけ離れているので、その議論はしても何も意味がありません。

 絶滅危惧種は日本全体で保護していくしかないんでしょうね~。

 3週間前に私の叔母がくも膜下出血になり、手術をしたわけですが、順調に回復して昨日自宅へ退院しました。

 当初は動眼神経麻痺といっまぶたがさがってあけづらく、眼球の動きが制限されて物が二重に見えるなどの症状があったのですが、きれいに改善したようです。また水頭症や脳血管れん縮といったクモ膜下出血に特有の合併症もおこらなかったようです。

 発症から3週間ですし、60代ではありますが非常に順調な回復ぶりで、昨日退院しましたという電話をいただき、私も肩の荷がおりたような気持ちです。

 今までは本当に沢山のクモ膜下出血の患者さんを見てきて、手術して、外来でも経過観察していたわけですが、身内となると話は別ですね。

 クモ膜下出血は今でも40%ちかくが亡くなる大変死亡率の高い病気ですし、突然おこる非常に怖い病気です。最近は脳ドックでくも膜下出血の原因となる動脈瘤を探すということも積極的に行われていますが、それも大事なことになりますね。

 特に近親者にくも膜下出血の患者さんがいる場合には、特に気をつける必要がありますし、場合によっては私も脳ドックを勧めています。叔母の兄弟にも受けるに指導しているところです。

 しかし、いずれにしても元気な姿で退院できて本当によかったです。

↑このページのトップヘ