2008年09月

 今年4月から片頭痛の患者さんの治療として自己注射が認可されました。

 内服に点鼻に注射と投与方法3通りあるわけで、患者さんも選択肢が多いほうが治療しやすいと思いますので朗報です。

 糖尿病の患者さんでインシュリンを自己注射されていらっしゃる方も多いので、それ自身は決して医療機関では珍しくはありませんが、頭痛で注射?と思われる方も多いものと思います。

 頭痛がおこれば、激しい痛みでとにかく早く痛みを取って欲しいと思われるものです。

 内服ですと薬にもよりますが早いもので1時間。長いものは3時間くらいかかちゃいます。

 点鼻の場合ですと約30分かかちゃいます。

 注射がやはり最も早くて10分くらいで改善してきますので、そういう意味ではこの20-30分という時間が患者さんにとっては大事な問題なのです。

 片頭痛治療の問題はやはり値段が、、、。これが問題ですね。

 頭痛で思い出す病気と言えばクモ膜下出血ではないかと思います。

 先週末ですが、私の叔母がクモ膜下出血になったんです。ビックリしました。

 診療中なので時間ははっきりしませんが、午後4時過ぎに診療所に電話があったようですが、診療中のために電話でれずじまい。診療が一息ついた午後6時過ぎに叔母に電話したところ、
 
 ”畸覆△らない血圧があがり
 頭が痛くて
 Jが二重に見える

 と言うではないですか~?!こりゃただ事ではないと思い、インターネットで叔母の住んでいる地域の脳神経外科を検索し、更にそこから最も近い病院を教えてもらいました。
 そこから、その先生に直接時間外でもあるのを承知の上で電話して、診ていただきました。

 そこで「クモ膜下出血」と診断され、バタバタ救急病院へ搬送していただき、検査、翌日開頭手術。

 今まで治す方でしたので、近親者がクモ膜下出血になって初めて家族の気持ちがわかりました。

 土曜日の診療を終えて、叔母に会いに行きましたが道中穏やかではありませんでした。
 先生方の真摯な治療のおかげで手術も順調で、そらに経過も順調のようで胸をなでおろしています。

 家族にとっては突然の発症で、心の準備もままならないうちに「説明・決断」を求められるわけですから、本当に大変です。

 そして医者の一言・一言に一喜一憂して、、、。
 患者が一番大変だけど、家族も本当に大変です。

 本当にいい勉強させていただきましたし、手術していただき更には熱心に治療していただきました先生方にも厚く感謝する次第です。

 叔母の早い回復を祈るばかりです。

 先日中学生の女の子が激しい頭痛で来院された。

 養護教諭も母親も激しい頭痛と嘔吐をくりかえすために、ひどい病気なのではないかと相当心配の様子でした。その中学生は1ヶ月前も同様の頭痛があって、ある医療機関を受診され、点滴に制吐剤だけで改善されたという既往があった。

 その前に熱い屋外で過ごしたので熱中症との診断だったようです。

 強い直射日光も片頭痛の誘発因子ですし、その出来事から1ヶ月は全く普通に生活していたとの話でしたので、片頭痛で間違いないと確信しました。

 母親からも脳の検査を希望されましたので、検査しましたがやはり異常はありませんでした。

 それで片頭痛と診断し、イミグランの注射と輸液で症状は速やかに改善しました。

 中学生ころから片頭痛がおこることが多いのですが、多くは家族性で母親も片頭痛で娘もというパターンが多いのですが、近親者にいない場合はビックリされることも多いようです。

 母親が片頭痛もちであれば以前の自分のことも思い出して冷静に対処できますが、そうでない母親であれば大変難しいようです。

 片頭痛は決してなくすことはできません。
 ですからいかに上手に片頭痛とつきあっていけるかを我々医師と患者さんの間で十分コミュニケーションをとって探していくことが本当の治療だと思います。そのためには十分な問診ならびに患者さん側からの情報提供ならびに、薬の効果判定も大事になってきます。

 9月15日敬老の日でした。

 実は近くの老人会に呼ばれて9/14(日)、9/15(祝)続けて2ヶ所で講演してきました。

 華やかな式典の後のメインの会でした。時間は30分くらいですが、皆さん熱心に耳を傾けていただきました。私の講演の後は小学生の舞、歌の発表と同日は大変盛りだくさんのスケジュールでしたので、最後のほうは少々お疲れのようでした。

 しかし、私が80になってあんなに元気にいられのだろうかと思うくらい皆さんお元気でした。

 最後にはお祝いの紅白饅頭やらお赤飯もいただきまして、喜びのおすそ分けまでしていただきました。

 そういえば89歳になる祖母もグループホームでお祝いがあってるんだろうなと考えながら帰路についたものでした。

 うちの診療所にくる患者さんの6-7割が頭痛の患者さんなんですが、1割ちかくの患者さんはめまいでいらっしゃいます。

 そこでよく聞くのがメニエール病で、、、という このメニエール病という名前

 回転性めまい+嘔吐=メニエール病と考えている患者さんが多いこと多いこと。ビックリします。

 メニエール病って人口10万人あたり15-20人程度しかいない比較的に珍しい病気なのですが、自称メニエールはこの50~100倍はいるような感覚です。

 症状としては回転性めまい・耳鳴り・聴力低下・耳閉感で、これらを繰り返すものですが、自称メニエールの患者さんの多くは回転性めまいだけで他の症状はないことが多いのです。

 メニエール病は難病で、原因不明で今のところ完全に治すことのできない病気ですし、場合によっては耳が聞こえなくなるわけですから、決して気楽な病気ではないのです。

 しかし、これを言うと自称メニエールの方はビックリされます。
 
 怖い病気なんですけど、巷には自称メニエールがあふれかえっています。

 安易に専門家でない医者がそう診断しているのが原因だと思います。
 めまいは巷にあふれかえっていますので、それで回転性めまいの人がいれば素人から素人へ「それってメニエールよ~」になって、あふれかえっているのだと思います。

 不思議ですね~。

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