CGRP change

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本日は新しい医学論文のお話です。

エムガルティ・アイモビーグ・アジョビ(発売順)を抗CGRP製剤と呼びますが、当院でも3剤併せて40人を越える患者さんに使っておりますが、確かに今までに経験しなかった効果を感じております。

月に7-8回トリプタン製剤を内服していた人が、1回も内服しない月が4ヶ月連続続いたとか、私も本当に嬉しくなります。

また、一方では十分な効果がでない人がいるのも確かです。

そんな論文がでました。
具体的には、アイモビーグを3ヶ月使用して3割以上、頭痛が減らなかった患者さんに他剤(エムガルティもしくはアジョビ)を使ったら、どうなるか?という大変興味深い論文です。

結果)
①アイモビーグからエムガルティまたはアジョビへの切り替え3ヵ月後における30%以上の治療反応率は32%であった。


②50
%以上の治療反応率が得られた患者は12%であった。


③1
ヵ月当たりの片頭痛日数は、ベースラインと比較し、3ヵ月後に減少が認められた
20.8±7.1日/月→17.8±9.1日/月)。

③層別分析では、毎日頭痛がおこる患者では治療反応が認められなかったが、毎日はおこらない頭痛患者における30%以上の治療反応率は50%であった。


結論)アイモビーグ治療で効果不十分または継続しがたい副作用が認められた場合は、他の抗CGRP抗体製剤(エムガルティ・アジョビ)への切替えが恩恵をもたらす可能性がある。
 特に頭痛頻度が毎日ではない患者において、有望な治療オプションとなりうるであろうとしている。

ここで間違って欲しくないのは、アイモビーグはエムガルティやアジョビより効果が劣るというものではありません。世界的にはアイモビーグが一番先に発売されていますので、このよう試験が行われたと推測しています。

日本ではエムガルティが一番最初に発売されたので、エムガルティで効果がない場合にアイモビーグやアジョビにchangeした結果、こういう結果になったという発表が来年あたりでてくる可能性が高いのではと考えています。

ですので、折角高価な治療薬を使っても十分な結果がでなくても心配しなくていい。他剤に変えてみればいいのだということになります。