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本日は話題の抗CGRP療法に関する最新の研究論文です。
アメリカでは今年5月に発売になり、日本でも着々と治験が進み、再来年の発売を予定しています。
さてそんな抗CGRP療法についてお届けします。

まとめますと、このこ抗CGRP療法をしていると、発作性片頭痛患者の頭痛回数を減らすだけでなく、頭痛がない日のパフォーマンスも改善させる効果ありますという論文になります。

表 題:Fremanezumab for preventive treatment of migraine. Functional status in headache free days.

雑 誌:Neurology(2018) Aug 17.

著 書:Dr. Vanderpluym J. et al     所 属:Mayo Clinic

目 的:FremanezumabはCGRP抗体で、発作性片頭痛 および慢性片頭痛患者の発作予防効果が証明されている。 本研究では、頭痛を認めない日における仕事、学業、家事を行う上での機能性が評価した。

対象と方法: 発作性片頭痛患者の対象者は、225 mg投与群96名、675 mg投与群97名、プラセボ投与群104名で、慢性片頭痛患者の対象者は、675 mg→225 mg (675/225 mg)投与群88名、900 mg投与群86名、プラセボ投与群89名であった。
電子ダイアリーを用いて、仕事、学業、家事を行う能力や機能性についての質問に対して、正常、50%未満の障害度、50%以上の障害度の3段階で回答を得た。さらに、作業への集中度、精神的疲労度についても質問を行った。

評価方法と期間:3ヵ月間検討した。
発作性片頭痛患者では、頭痛を認めず、かつ仕事、学業、家事が正常に行える日数は投与1ヵ月から3ヵ月のすべての時点においてプラセボ群に比較していずれのFremanezumab投与群でも有意に多かった。 また、作業に時間がいつもより時間がかかる、集中困難である、とても疲れる、眠い、あるいは疲れ果てているといったような症状を訴えることがない日数についてもプラセボ群に比較してFremanezumab投与群で有意に多かった。
慢性片頭痛患者では、900 mg投与群においては発作性片頭痛患者と同じようにプラセボ群に比較して有意差が認められた。 しかし、675/225 mg投与群では、家事が正常に行える頭痛のない日数と集中力困難なことが全くない日数に関してのみプラセボ群と有意差が確認された。 一方、仕事、学業、家事を行う上で50%以上の障害度がある、あるいは集中困難を認める頭痛のない日数については、わずかではあるがプラセボ群に比較して上昇の程度が高かった。

結 果:  本研究は、発作性片頭痛と慢性片頭痛患者の頭痛を認めない日における作業能力を改善させる作用がFremanezumabにあることを証明した。
同薬に関しては、プラセボに比較して、頭痛を認める日数や片頭痛を認める日数の減少効果や安全性に関して優越していることは既に報告されていたが、今回の結果は発作間欠期おけるパフォーマンスの改善にも寄与することを明らかにしたと言える。
しかし、そのような効果は、発作性片頭痛患者に対しては一定の効果がみられたが慢性片頭痛では675/225 mg投与群では不十分であったことから、慢性片頭痛では頭痛を認めない日であっても、作業を行う上での機能性を保つことが困難であることが浮き彫りとなった。
考 察:これまでの片頭痛予防薬は、頭痛には効果があっても、副作用のために発作のない時期に仕事や学業に悪影響を及ぼすといったことがしばしば問題となった。Fremanezumabは中枢神経系にほぼ移行することがないため、そのような悪影響が少ないと推測する。
これについては、より多くの症例解析や長期観察が必要である。 また、発作間欠期における効果は、発作回数を減らしためか、あるいは中枢神経系の機能を持続的に変えたためかという点も重要である。抗体は一般に血液脳関門を通過しないため、三叉神経血管系の神経伝達をブロックすることが、中枢神経機能を変化させる可能性も考えられる。

いろんな意味で抗CGRP療法は楽しみです。


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