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以前から、抗CGRP療法についてお届けしております。
これが日本で認可されれば、片頭痛患者(特に重症例・難治例)さんの治療が劇的に変わる可能性があると書いてきました。

今回もその抗CGRP療法についての新しい研究発表です。

これはまだ論文化されておらず、先日行われた米国神経学会(AAN:4/21-4/27/ 2018・LA,USA)でドイツのDr.Uwe Reuterによって発表された。

内 容:今回使われた薬剤erenumab(商品名Aimovig、国内未承認)と言う皮下注射薬を難治性片頭痛患者さんに使用すると約1/3の患者で1ケ月当たりの片頭痛発作の回数を50%以上抑制することができた。

対 象:治療抵抗性の片頭痛患者246人で、39%は2種類、38%は3種類、23%は4種類の片頭痛治療薬を使用したが効果が得られなかった難治性の患者だった。

また、対象者が経験していた頭痛発作の回数は1ケ月当たり平均9回で、片頭痛の急性期治療薬の使用回数は1ケ月当たり5回だった。

方 法:対象者を実薬群erenumab 140mgまたはプラセボ群のいずれかを月1回、3カ月間にわたって投与し、試験開始から3カ月後の時点で頭痛発作の回数などを評価した。

結 果:1ケ月当たりの頭痛発作回数が50%以上減少した患者の割合は、プラセボ群の13.7%に対してerenumab群では30.3%とほぼ3倍だった。

3カ月間の試験期間中に認められた頭痛発作回数や急性期治療薬の使用回数の減少幅も、プラセボ群と比べてerenumab群でそれぞれ1.6倍、1.7倍だった。

0汰汗や忍容性はerenumab群とプラセボ群で同程度であることも示され、erenumab群で副作用を理由に同薬の使用を中止した患者もいなかった。

約20年前にトリプタンが世の中にでてきて、片頭痛治療に革命的な変化をもたらしたわけですが、決して全ての患者に効果があるわけではなかった。

こうした中で新たに開発された抗CGRP療法は、「片頭痛の発生源を標的とした抗体薬治療であり、安全に片頭痛を抑えることができる治療方法」と考えられます。

日本でも着実に治験が進行しております。
以前も書きましたように3剤が治験中であり、経過もいいように聞いております。
数年後には日本で認可されれば、片頭痛の治療は間違いなくトリプタン以来の大きな変化がくると断言できます。
楽しみです。

参考:
Goadsby PJ, et al. A controlled trial of erenumab for episodic migraine. N Engl J Med 2017;377:2123-2132.
Tepper S, et al. Safety and efficacy of erenumab for preventive treatment of chronic migraine: a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 2 trial. Lancet Neurol 2017;16:425-434.
Sun H, et al. Safety and efficacy of AMG 334 for prevention of episodic migraine: a randomized, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial. Lancet Neurol 2016. http://dx.doi.org/10.1016/S1474-4422(16)00019-3