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本日は最新の研究論文からのお話です。

成人の救急の頭痛と言えば、くも膜下出血・脳動脈解離・下垂体卒中・静脈洞閉塞症など命に直結するケースが多く、診断は慎重にならざるをえません。

では小児ではどうでしょう?
通常は外傷意外では命に直結するケースは殆ど経験しないのが一般的です。


雑 誌:Cephalalgia(2017)10.1177

著 者:Rossi R, et al.

方 法:イタリアのレジーナマルゲリータ子供病院の救急部に非外傷性頭痛で受診した18歳以下のすべての患児を後方視的に調査した。

結 果:1833人(男児54.6%、年齢9.68±3.18歳)が計2086回、救急部に受診した。
一次性頭痛が62.1%、二次性頭痛が30.0%、 曖昧な診断が7.8%であった。

二次性頭痛では感染症(特に上気道炎)が88.3%と最も多く、次いで神経疾患(痙攣など)が3.9%、精神疾患2.7%、中毒(一酸化炭素など)が0.6%、高血圧性が0.3%であった。

二次性頭痛のうち24人(総受診の1.1%)が重篤な疾患であると診断され、内訳は二次性頭痛のうち脳腫瘍が1.1%、頭蓋内感染症が1.1%、脳血管性障害が0.7%であった。

重篤な頭痛の臨床的に危険な徴候は、脳神経麻痺、眼位異常、失調および傾眠であった。

188人(8.8%)が画像検査を受けた(異常所見率7.1%)。患児の37.2%が鎮痛療法を受け、最も多い処方薬はアセトアミノフェン63.7%、次いでイブプロフェン26.2%であった。

結 論:これまでの報告通り、小児救急部では一次性頭痛が大半で、二次性頭痛の原因としては急性上気道炎が最も多かった。 画像検査の目的は、本人や家族の不安を取り除く意味合いが成人よりも強いが、放射線被曝や情報量の多さからMRIが優先されるべきである。 片頭痛を始めとする一次性頭痛は反復することが多く、不要不急の救急受診を減らすため、頭痛センターや頭痛外来との連携し、患者教育などを行うことも重要である。

ごもっともな報告です。

日本でも幼少期の子どもさんに、どこまで頭部CTをおこなうか、新しく古い課題です。
日本は諸外国よりCT・MRI検査の充足率が高く、ほぼ救急を謳っている病院であれば準備されています。
MRI検査は健康被害がないので、いいのですが撮影に10-20分かかりますし、年齢で撮影できないケースもあります。
CT検査は1分程度で可能ですが、放射線被曝という問題が常につきまといます。

多くの臨床の現場ではご家族の納得と主治医の納得という意味でもCT検査が行われることが多く、毎日の臨床をみている私にとっても仕方が無いことだと考えています。