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さて今回は、今年2月にも書きました慢性片頭痛の発作予防機「gamma core」についてです。

前回の記事はここを参照ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/neuroikeda/40237879.html

これは写真のように携帯可能な小型の装置です。
前頚部の迷走神経の部位にあてて、電気刺激を与えることで非侵襲迷走神経刺激で治療することで、非侵襲的に片頭痛の発作回数を減らすという論文がでました。

著者:Silberstein SD et al.

雑誌:Neurology 2016;87:529-538

趣旨:慢性片頭痛の発作予防におけるgamma coreの実施可能性、安全性、忍容性を評価する多施設パイロット試験を実施した。

対象:1カ月に15日以上にわたって片頭痛発作が認められた59例(平均年齢39.2歳、平均頭痛頻度21.5日/月)
方法:2カ月間にわたりgammaCoreを使用する群(30例)とシャム装置を使用する対照群(29例)にランダムに割り付け、その後の6カ月間はオープンラベルでgammaCoreを使用した。

結果:①忍容性は治療群と対照群で同等。
   ②有害事象のほとんどは軽度〜中等度で、一過性だった。
   ③頭痛日数の平均変化はnVNS群-1.4日、対照群-0.2日で有意差はなかった(差1.2日、P=0.56)。
   27例がオープンラベル期間を終了した。
 
   うち15例はnVNS群に割り付けられた患者で、
   治療8カ月後の頭痛日数の平均変化は-7.9日と有意な減少が認められた。

現時点では慢性片頭痛といって頻度がかなり高い片頭痛患者さんで発作回数の優位な減少が認められたわけですから、今後の更なる研究で、我々が使えるようになる日がくる可能性は大いにあります。

また以前Tiaraのような治療器具を紹介しました。
既に東京の2ヶ所の医療機関で治療が開始されているという話を聞きました。

内服・注射だけでなく、治療器具を用いた片頭痛治療の方法もそう遠くないかもしれません。