[[img(https://sick.blogmura.com/headache/img/headache88_31.gif)]]
[https://sick.blogmura.com/headache/ にほんブログ村 病気ブログ 頭痛・片頭痛へ(文字をクリック)]
  ランキングに参加しています。クリックお願い致します。
 
 この1~2年テレビなどで話題になっています「脳過敏症候群」について日本頭痛学会からの正式なコメントがら8月14日にだされました。正式には日本頭痛学会のHPにも載せてありますので、見ていただければと考えています。

最近、マスコミで「脳過敏症候群」が何回か取り上げられましたが、その際に、「頭痛」と関連してまちがった情報が視聴者に伝わり、また医療現場でも混乱が生じました。日本頭痛学会理事会も、この状況を放置できないと憂慮しています。

ことの発端は、清水俊彦医師が、「耳鳴り・頭鳴りは脳過敏症候群によることが多く、脳波をとれば診断がつき、抗けいれん薬を飲めば治る。片頭痛などの慢性頭痛を適切な処置なしに放置したことによって発症するので、日本頭痛学会のホーム・ページに掲載されている頭痛専門医を受診すると良い。」という趣旨をテレビで繰り返し主張したことにあります。

この説は多くの視聴者に期待を持たせたようです。しかし、「脳過敏症候群」なる説を信じている日本頭痛学会の専門医はほとんどいません。「現時点では科学的根拠のない、個人的な考え」とみなされています。清水医師が強調する脳波の所見は正常人に日常的に見られる脳波である、と多くの研究者が考えています。また、過去に片頭痛のあった人が頑固な耳鳴りを起こしやすい、という説にも根拠がありません。

「脳過敏症候群」は清水医師により日本頭痛学会学術総会に報告され、議論されています。ただ、研究者の多くが清水医師の考えは科学的根拠に乏しいと指摘しているのが現状です。その点、一部のテレビ番組での「日本頭痛学会の会員の多くが認めている学説」とのコメントは正しくありません。日本頭痛学会が清水医師の治療法を「信憑性のあるもの」として是認しているかの誤解が、国民の皆様に伝わり、医療情報の混乱を招いたことは極めて遺憾です。

学問の進歩は日進月歩であり、頭痛関連の分野でも新たな研究成果と治療法の開発が強く望まれています。日本頭痛学会では、引き続き、頭痛について幅広く、また科学的な議論を会員全体で推進します。今後も正しい医学情報を社会に提供し、常に国民の皆様の健康増進に貢献する努力を続けてまいります。

これが会長からの正式なコメントです。
以前から私も、あまりにも「脳過敏症候群」の範疇が広げ過ぎていることについて異論がありました。
また実際患者さんが、「脳過敏症候群」でいらっしゃって、清水先生の言われる治療法で治療してもあまり効果がないのが実情です。逆に「脳過敏症候群」という概念を知らずして来院され、清水先生の言われる治療法で治療してうまくいくことはありますので、全く否定されるものでもないと思います。
しかし、今の伝え方は誤解を招きやすく、かえって患者さんが混乱されるので会長がこのような形で公式に見解をだされることは、大変いい事だと思います。