今日も新しい研究報告です。
 
(雑誌):Plastic and Reconstructive Surgery 2月号
 
(著者):Dr.Bahman Guyuron
 
(所属):Case Western Reserve(オハイオ州)大学医学部
 
片頭痛患者69人にボトックス注射を用いて痛みの原因となっている誘発部位を特定。
神経にかかる圧力を軽減するため前頭(額)周辺の筋肉を切除する手術のほか、こめかみおよび後頭部の誘発部位を対象とする手術を施行する。
5年間経過を追跡した結果、88%に症状の改善がみられ、59%は症状が大幅に軽減、29%では片頭痛の消失が認められた。
米サザンカリフォルニア頭痛センターのJack Schim博士は「顔面手術は最後の手段と考えるべきものだ」と指摘している。同氏は、自身の患者にボトックス治療も利用しており、患者の70~75%には頭痛の十分な改善または完全な消失が認められているという。米国食品医薬品局(FDA)は、昨年(2010年)10月に慢性片頭痛の治療としてボトックスを承認している。
 
眼瞼下垂患者さんに形成外科で、きれいに手術してあげると頭痛が減ったというデータを以前見せていただいたことがあって、基本的には同じ考え方ではないかと思います。
ボトックスだけでも片頭痛がかいぜんするというデータもありますので、かなりバイアスがかかっているデータだとは思いますが、これは最終手段としてはありかなと思います。