中高年の方で頭が痛いとこられる患者さんで多いのが、

「脳梗塞になりよるからじゃないか?」

「脳の血管が詰まるから痛いのではないか?」

というような不安で来院される患者さんが多いのです。

教科書的には「脳梗塞は痛くない脳卒中」と言われていて、基本的には頭痛は訴えないものです。
稀に、頭重感を訴えてこられる患者さんもいらっしゃいますが、稀です。

またまた稀な病気ですが解離性動脈瘤による脳梗塞の場合には強い頭痛を訴えることがあります。
しかし頻度はそんなに高くなく、年齢的にも40~50歳代と比較的若い年代に多いものです。

ですから脳梗塞は頭が痛くなるのかという質問には
「痛くなりませんよ~」と必ず答えています。
それだけ言うと「頭の痛みが随分取れました」と言って帰られる患者さんも意外と多いのです。

 外来にくる患者さんの多くは「脳の病気」を心配してこられます。

そしてほぼ100%頭のCTやMRIなどを希望されます。

頭痛外来にこられる患者さんは患者のプロなので、既に何回かCTやMRIの検査を受けられていることが多く、病歴や治療歴を丁寧に聞いてあげることが主になります。

 さて ここでクイズです。

頭痛を訴えてこられる患者さんのうち何%が脳の病気による頭痛なのでしょうか?

私はこの質問よくするのですが、人それぞれ50%という患者さんもいますし、多めに言って10%と答える患者さんもいます。はっきり言って、皆さん正解よりずいぶん高い値を答えます。


正解は1%以下です。100人患者さんがこられて、やっと1人いるかいないかです。

今までにこの話を聞いて、病歴を聞いた後もういいですと言って帰られた患者さんが1名いらっしゃいます。その程度です。よその施設で聞いてもほぼ同じ割合のようです。それほど脳の病気は多くはないのです。

これを言うと皆さん「へえ~」と意外な顔をされるのですが、プロの間では常識です。

 ついに頭痛についてのブログを開設してみました。

頭痛ってやっかいな病気?ですよね。
まさに「頭痛の種」なわけです。

日本人で慢性頭痛(1ヶ月に1回以上頭痛で悩む人/私もこの範疇に入りますが~)で悩んでいる人は約3000万人。赤ん坊からおじいちゃん、おばあちゃんまで入れてだからね~。多いんですよ。ビックリするくらい。

よく頭痛外来ってどんな人が来るのって「耳にタコ」的な質問くるんですが、多い 多い。
いっぱいきます。慢性の頭痛もちが。

 まあとにかくたくさんの頭痛がありますね。
100人くれば100とおり。どれ一つとして同じ頭痛はありません。

そんな中で非常に危険な頭痛(くも膜下出血、脳腫瘍など)を除外して、ちゃんと頭痛の診断と治療をするのが私の仕事です。

これからも何卒宜しくお願い致します。

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