随分以前ですが、外来で患者さんがどの市販薬を内服しているかを調査したことがあります。

 外来にこられる患者さんはベテランの頭痛患者さんで、それなりの遍歴もあるわけです。

 <頭痛薬ランキング>
 .淵蹈鵐─璽后淵淵蹈鵝
 ▲ぅ屐淵ぅ孱繊
 バファリン(バファリンA)
 っ屬薬
 ゥ痢璽轡
 Ε札妊

 どうですか?
 皆さんは何を飲まれていますか?

 お気づきかもしれませんが、上位3薬は2つ組み合わせての薬剤ですよね。

 ナロンとナロンエース
 イブとイブエース
 バファリンとバファリンエース

 普通の名前にエースってついてます。
 薬のエースピッチャーなんです。

 組成を比較してみましょう
 ナロンエース         ナロン
.ぅ屮廛蹈侫Д鵝 144mg    .▲札肇▲潺離侫Д265mg
▲┘謄鵐競潺鼻   84mg    ▲┘謄鵐競潺 300mg
ブロムワレリル尿素200mg    ブロムワレリル尿素200mg
ぬ疑絅フェイン 50mg    ぬ疑絅フェイン   50mg
 
内容成分を比較すると、よく似ていますね。
イブプロフェンはイブ錠の主成分です。
ナリンエースではイブと同じ程度のイブプロフェンが入っています。

アセトアミノフェンはカロナールです。子供さんの解熱に使います。

エテンザミドは解熱鎮痛効果のある薬剤です。

ブロムワレリル尿素は催眠鎮静剤です。これが入るので、人によっては眠くなります。

無水カフェインは中枢神経興奮剤。これはコーヒー同様。頭をすっきりさせる効果に加えて鎮痛剤の効果を高める働きがあるわけです。

今日は長くなったので、続きをまた書きます。

 片頭痛の治療薬でトリプタン(総称)があります。

 2000年に日本でも認可されまして、片頭痛患者さんに福音をもたらしました。

 日本では4種類のトリプタンがあります。
 イミグラン(注射、自己注射、点鼻、内服)
 ゾーミッグ(内服)
 レルパックス(内服)
 マクサルト(内服・口腔内崩壊錠)

 それぞれ製薬会社は異なります。
 

 最近聞いた話です。
 A社の社員で片頭痛で困っていたそうですが、自社製品を内服していたのですが、効果がもう一つだったようです。そしてライバルB社の薬に変更したところ効果がup。現在はA社の社員で、自らもA社の片頭痛薬を売っているにも関わらず、ライバルB社の片頭痛薬を常用しているそうです。
 
 間違っても上司には報告できないとこぼしていました。

 
 片頭痛薬は非常にあう あわないがある薬だと思います。
 1剤試してみて効果なくても、必ず他社の製品を試してみてください。

 お勧めします。

 頭痛は群発頭痛を除いては片頭痛も緊張型頭痛も20~40歳代の女性に多い疾患です。

 その年代では頭痛という症状の中にうつが隠されていると言われています。うつ病としての症状として頭痛を訴えるわけです。それらの患者さんの多くには抗うつ剤(SSRI)が効果的と教科書にもよ~く書いてあるんですが、私は殆どそのような患者さんには出会いません。

 脳卒中後にうつになられる方も結構います。脳卒中後うつ状態と呼んでいます。
 こちらは実は結構いらっしゃって脳卒中をおこした患者さんの10~20%ほどいらっしゃるのではないかと思われます。5年程前の脳卒中学会でもシンポジウムの一つに取り上げられ、大きな関心が寄せられました。このタイプには抗うつ剤(SSRI)が効果的のようです。ある程度抗うつ剤を内服していただくと比較的中止しても大丈夫のようです。

 じゃあ なぜうつ症状を伴った頭痛には効果的ではないのでしょうか?
私の考え方は?
,Δ追造榔釮深い。(頭痛同様に単純なメカニズムではない)
抗うつ剤の副作用にも頭痛がある(SSRIというタイプ)
2罅垢論鎖晴憤紊醗磴辰approachが上手ではない

のではないかと考えています。

私は脳の病気ではないことを説明して、十分に眠れるような環境つくりまでは手伝いますが、それで駄目なら精神科医の手に委ねています。

やはり頭痛は難しい。

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