以前、ある整体師から片頭痛を医者は治すことができない。
 せいぜい鎮痛剤を処方する程度ですよという話をされたことがあります。

 なんか私に対する挑戦?みたいな話でした。

 もちろん、その整体師なるかたは、どのような資格で、どのような経験がおありで、どのような技術をお持ちかは存じません。

 ただ片頭痛を偏頭痛と書き、その偏頭痛の主たる原因は頚椎のズレだとのたまわれます。

 確かに片頭痛の原因なんて、正確にわかっているわけではないので、持論を語るのは自由です。ひょっとしたら、全世界の片頭痛を真剣に研究している人たちが三叉神経血管説ではないかという話を論破できるような、キチンとした内容であれば、黙って聞くのですが、、、、。

 全然。緊張型頭痛と片頭痛がごっちゃごっちゃ、、、。

 おそらく脳の病気ではない頭痛を片頭痛(整体師で言う偏頭痛です)と呼んでいるようで、あまりにも低レベルの内容でした。議論する気にもならず、もう少し真剣に勉強してほしいと願うばかりでした。

 整体師の中には、そんな低レベルの人ばかりではなく、きちんと追及された方もたくさんいらっしゃるんですが、このような人達のおかげで、患者さん達は誤解し、治療に希望をなくしているんですね。

 医者選びも寿命のうちとは言いますが、確かにと思ってしまう今日このころです。

 最近、片頭痛患者さんの来院が多くなってきました。

 皆さんのお話を聞くと本当に辛いし、大変だな~?!とつくづく思います。
 
 頭痛に理解のある先生のところに通われている患者さんはいいんですが、行く病院行く病院でCTやらMRIとられて異常ない異常ないと言われて、頭痛は治らず、お金だけかかって、病院不信になられている患者さんもたくさんいらっしゃいます。

 私は初回時には検査しますが、あちこち病院かかられている患者さんや、きちんとした手順で片頭痛と診断されていらっしゃる患者さんには検査は行っていません。

 いつも書くように100人の頭痛患者さんがいれば頭痛は100種類。
 一人として同じ頭痛はありません。

 (卞痛はなくすことはできません
 △靴し、片頭痛の発作を減らすことは可能です
 また片頭痛の程度を軽くすることも可能です
 い修靴栃卞痛の発作がおこっても、なるべく早く痛みを取ってあげることも可能です

 患者さんの希望をなくさないように
 そして患者さんの今の状態を正確に把握して伝える
 これからの見通しや、治療の方法を話して  
 お互い、bestな治療を探すことなんです

 でも難しいのは難しいですね。

 一人でも多く治せるようにと思いながら診療を行う日々です。

 昨日はあるホテルで主に消化器疾患を中心にみていらしゃいます開業医の先生方5人を相手に頭痛の小さな勉強会をやってまいりました。

 頭痛診療に比較的興味のある先生からそうでもない先生までいらっしゃいますので、どの程度の内容にするかで困るところです。

 そこでの質問で「70歳代のおばあちゃんが、いつも片頭痛の薬をもらっていくんだけど、こんな年齢でも片頭痛はあるのですか?」という質問でした。

 経験的には50歳代の片頭痛はざらにあります。
 60歳代前半はないことはないが、少ないです。
 70歳代は「う~ん経験ないなあ~?!」です。

 頭痛はあるのは間違いないと思いますが、片頭痛ではなくて混合型から片頭痛の要素がずいぶん抜けたものではないかと思います。恐らくトリプタンが効いているのではなくて、薬を飲むという行いが効いているのではないでしょうかと話しました。

 皆さんそれぞれ診療の悩みがあるようで、その手伝いに少しはなれたのではないかと思います。

 また私も専門ではない先生の話を聞くことで、診療の手助けになりますし、また次回このような会をするときにpointがつかめるので大歓迎です。

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